さん。
彼は静かに目を閉じて今からやろうとすることをわかって力を抜いてくれている。うん、やりやすい。
「蒼にお叱りお叱り申す。神に遣わす桜のもとに、我等が神桜の血の楔に縛られし我が名の下に。眷属として迎え入れよ」
私と雪柳を囲うようにして半径3メートルの円が出来る。青く、蒼く、光り輝く。
「我は蒼屑の姫なり___」
私から波のように連なり模様を描くようにして走る。その度に光を蒼を増して。風が吹き抜ける。意外に彼の能力が強くて、私の能力が抑えつけようとしているから風が吹いているのだ。まったく、無駄な能力__
「桔!」
無理やり能力を能力で抑え込ませて彼と私に鎖をかける。といっても目に見えない、細い細い糸で繋がれているようなものだけど。
成功したことに笑みを漏らす。雪柳のシャツのボタンをひとつひとつ外していく。
「……凛?」
「黙って。」
何をするのか、問うように私の名前を呼ぶ彼を一喝して雪柳の心臓の部分が見えるように脱がせる。そして、そこにあるモノを見て微笑う。ゆっくりと指を這わせて満足げに仕上げをする。
「___っ!」
雪柳が痛みで少しだけ疼くけれど、我慢して欲しい。こっちだって限界なんだ。
「廻れ、回れ、楔が我となるように」
歯で切った指先から流れる血が自我を持つように球体となってくるくると心臓の周りを回る。そして、鎖の形になり字を創る。多分、肌が灼けるような痛みが伴うだろうけどよく、保ってる。
「印せ__」
緋と蒼の鎖の形をした痣が彼の肌、心臓の位置に印される。うん、流石私。
「これで、貴方は私の僕よ」
ふふ、と笑みを漏らせば雪柳は怪訝そうな顔を私に向ける。まぁ、了承得てないからしょうがないけどー。
「安心して、私は貴方を縛るつもりもないし、奴隷のようにこき使うつもりもないわ。ただ、」
奥の方で気配が見え隠れする。私と関わることになるあなたに害なすもの。私を貶めようとするもの。それから彼を守るなんて一時しのぎにしか過ぎないけど。
「私の周りを彷徨くモノを、私の一族は容易く赦しはしない。だから、貴方は私の眷属として印したの。まぁ、伯父さんは違う意味を望んでたんでしょうけど。」
一応はこれで大丈夫。私の眷属に、私に、楯突こうものなら容赦はしない。徹底的に、私が一族にとってのどういう存在か知らしめてやろうじゃないの。
一区切りつきましたー。
なんか、予想と違うキャラになりつつある主人公……。




