能力もらって異世界へ
「変な夢をみたな・・・」
俺は呟きながら大学に行くためにいつものバスに乗る。
俺の見た変な夢、孫〇空の格好をした神を名乗る子供に異世界に行かないかと聞かれる摩訶不思議な夢。
(せめて〇空じゃなくてピッ〇ロにしろよ、神様なんだから)
そんな事を思いながらバスに乗っているといきなりバスが揺れた。そして目の前が真っ白になった。
★
目を覚ますとそこは真っ白な空間だった。
(何処だここは?俺はバスに乗ってたはずじゃなかったっけ?)
よくわからず辺りを見渡すと、そこには背中に『神』の一文字が書いてあるオレンジの道着をきて髪の毛を金色にした子供が立っていた。
(まさか・・)
立っていた子供は振り返り、こっちに何処かで見たような顔を見せた。
“オッス!オラ『神』”
「・・・・・・」
“オッス!オラ『神』”
「・・・・・・」
“オッス!オラ『神』”
「神ならピッ〇ロにしろよ!!」
“しまった!!!!!”
俺の突っ込みに対して神を名乗る子供は大きな声でそう叫んだ後、“なぜ、気づかなかったんだ”とか呟きながら地面を転がり始めた。
(何なんだよ、そしてどこなんだよ此処は?)
★
しばらく経ち、神と名乗る子供が復活した。
“で、決心ついた?”
「何の?」
“何のって、異世界に行く決心だよ。今日の夢の中で聞いたじゃないか!”
神は俺の質問に対して当然っといった顔で答えた。
(あの夢は本当だったのか。けど異世界って小説の中の話じゃないのかよ・・。行きたくないし、早く帰りたいし、そもそもここはどこなんだ?)
“質問が多いね。まず此処は『時空の狭間』という君のいた世界と異世界との間だよ。次に異世界は君がよく読む小説の中の話じゃなく実際に存在するよ。最後にここからは帰れない”
夢と同じで神は心を読んで俺の質問に答えた。だが、そんなことはどうでもよかった。
(ここから帰れないってどういう事だよ!今回も夢の中何じゃないのかよ!)
“違うよ。君は残念ながらバスに乗り、事故にあい死んだんだよ。寿命だった。普通は『死の世界』に行くんだけど、君は魔力が高かったから此処に寄り道してもらったんだ。だからここから行けるのは『死の世界』か異世界の2択しかないんだよ”
「本当に戻れないのか?」
“残念だけど無理だよ。いくら神でも死んだ人は蘇らせない。もし異世界に行くなら記憶と僕からの力のプレゼントがあるけど行く?”
「はぁ・・・行こうか、異世界に」
1つため息をつき腹をくくって神に答えた。
(まだ死にたくないし、記憶や力があるなら行くしかないだろ。それに選択肢は1つだけじゃね?)
“いさぎがよくていいね。実はもう1人居たんだけどその子なんか君より小さいからか大変だったんだよ”
神は思い出したくない物を思い出したらしく顔をしかめてる。
「俺の他にも居るのかよ・・・」
“・・・そんなことより、力についてだけどこのくじを引いてよ”
神は気を取り直し、神社のおみくじみたいな木で出来たつつを何処からかとりだした。
(力は運任せかよ。・・・俺のくじ運は最悪に悪いんだぞ!!)
“知ってるよそんな事。それより早く引いてよ”
神は俺のくじ運が悪い事を『それがどうした』と言うような口調で一蹴した。
俺は仕方なく、くじを引いて出てきた木の棒に書かれてる番号を神に伝えた。
「7番」
“7番とかラッキーナンバーだね。はい、これ説明書”
神はまた何処からか紙を取り出し俺に渡してきた。
(まさにおみくじだな。えーっと・・・)
俺は説明書なる紙を受け取り読んでみた。
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吉
~能力~
万象の目:相手の本質や物の本質を見抜けます。
絶対記憶:前世で見たのもや聞いたものを鮮明に思い出し、異世界では見たもの聞いたものを忘れない。
悪魔の耳:自分の意思により遠くの音などを聞く事が出来る。
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(何このチート的能力。本の虫だった俺にはもってこいの力あるじゃん!)
“おー、『吉』を引いたんだ。くじ運悪くないじゃん!”
神が俺の見ている紙を覗き込みながら感想を呟いた。
(やっぱりこれはいい方に入るのか。・・・けど、この『吉』って何だろ?)
“それはね、得られる能力の数を表してるんだよ。『吉』で3つ・『中吉』で4つ・『大吉』で5つ。ちなみにもう1人の子は『大吉』だったかな”
神の発言により俺のテンションがガタ落ちした。
(神は高等技術である『ちやほやの法則』を使ってきたよ!上げてから落とすっていうダメージ1.5倍の技を使ってきたよ!!)
“落ち着きなよ”
こうなった原因である神は全く気にせず、1人天に向かって喚く俺に言ってきた。
“もう時間無いから簡単な説明になるけど聞いてよ。行ってもらう異世界は、君がよく読む魔法がある小説とさほど変わらないから。あと、言葉はしゃべれるから安心してね”
神が言うように俺を光が包み込み始めた。
“じゃあね。It is praying for the fortune. Fortune of war”
神が最後に何か言ったがよく聞きいとれないうちに俺は再び目の前が真っ白になった。