変な神様登場
“オッス!オラ『神』”
「・・・・・・」
“オッス!オラ『神』”
「・・・・・・」
“オッス!オラ『神』”
七つのボールを集めると龍が出てきて願いをかなえてくれるアニメの主人公の様な姿をした子供が目の前に居た。ちゃんとオレンジの道着を着てるし、髪は金髪になって逆立ってる。
“おっかしいな?聞こえねーのかな?”
「・・・・聞こえてますけど。あなた誰です?」
“聞こえてんなら返事ぐらいしろよ!オラは『神』”
「はぁ」
“信じてねーな!”
神と名乗る少年は心外だと言わんばかりの顔で見てくる。
(いやいや、いきなり現れて『神』です。って言われて信じられる奴いないでしょ!?あとなぜにドラ〇ンボール!?)
“そんなもんか?あと、ドラ〇ンボールが好きだからこの格好してンだ”
(好きだからしてる・・・・・・ん!?俺はさっきしゃべったっけ?)
“オメ―はしゃべって無くても、オラ神だから心が読めンだ”
「・・プライバシーがないの?・・あと普通に喋って下さい」
“わかったよ。それより信じた?なんならもっとすごい事してあげようか?”
そう言って何処からか紙をとりだした神様の顔は、何処か楽しそうにしている。
“えーと、名前が江戸川 葵。享年21歳。中学時に怪我をし青春を棒に振るう。高校卒業後二浪し大学に合格するが未だに通院中。この春やっと手に入れたキャンパスライフを半年で無くしちゃったんだ・・可哀そうに。えーと、それから趣味は読書、好きな物はマンガ・歴史・ミステリー。彼女なし。勘が鋭く、運動神経はいい方。あと、s。それから・・”
「信じました。あなたは神様なんですね。だからそれ読みあげるのをやめて下さい」
個人情報を読み上げ出した神を止めに入る。
“やっと信じてくれたんだね。いや、僕もこんな方法はしたくなかったんだ”
自称神様は、わざとらしくため息をつき首を横に振る。けど、明らかに心がこもってない。
(で、そんな神様がいったい俺に何の用なんですか?・・もう面倒だからしゃべらないんでよろしく)
“面倒だからしゃべらないって言うのはちょっと冷たくない?あと、急に口調が変わったよね!?・・・ああ、用件言うからそんな目で見ないで、変な道に走りそう・・・”
神様は1人で何か勝手に悶えた後、“ウンウン”と変な咳払いをして告げてきた。
“えーと、君に異世界に行って欲しいんだ”
「はい!?」