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第1章 part8
当たり前の光景が壊れてしまうなど蒼麻には考えられなかった。たかが夢、そうわかっていてもあんなリアルな夢は嫌でも思いだしてしまう。
ベッドのすぐそばにあるカーテンを開ける。七時をまわっているだけあって外は明るい。太陽は春なのにこれでもかと辺りを照らし、アスファルトを焼いている。熱気で景色がかすんでしまうような、そんな気さえした。空では小鳥が軽快な囀りの中飛びまわり、朝の色をきれいに染めていた。
「と、そろそろいいか」
すぐに降りると恋雪がうるさいと思い部屋で時間をつぶしていたが、ある程度時間がたったため、部屋のドアを開け、階段へと向かう。
すると、
「ん? なんか食べ物のにおいが……気のせいだよな?」
階段を一段一段降りるにつれて確実に何かのにおいが充満していた。
嫌な予感がし、奥歯をかみしめながらリビングのドアを開ける。
「あ、蒼麻、ご飯で来てるよ」
「……」
テーブルの上には白ご飯と魚、そして味噌汁が堂々とセッティングされていた。
顔を軽くひきつらせながらもイスに座り、ご飯を食べる。
その後、動けないほど苦しい状況で蒼麻は午前中の授業を受けた……