表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪盗K  作者: Yuyu
17/17

カスは挨拶する

タワマンっていくらするんだろう?

早速入れ替え君を使って、押し入れの異世界に繋がる穴を俺の部屋にある勉強机の引き出しに移す


なんかどこかの猫型ロボットみたいな方法だけど、引き出しが結構大きめなので大人でも入れるから安心だ


そしてどうやら成功したみたいで、引き出しの中に石壁が見える状態になっている


移し終わった引き出しを拡張されたポーチの中にいれたら隠蔽終了だ


「よし、うまくいったな。これで心置きなくどこででも引っ越せるってもんよ」


やっと枷がなくなったので、これで自由に動ける


俺の能力でどこにでも転移出来るから、例えば旅行中でも異世界に行ける


一応、さっき引き出しを仕舞う前に異世界へ行けるか確認はしておいた


まぁ、旅行中なんて物が盗まれるかもしれないので、非常事態じゃなければ使う予定はないが


それよりも、新しい住居だ


今の俺とジュリアは、実家の俺の部屋で消音のアイテムを使って隠れながら暮らしている


食事の量が増えたとか、シャンプーの減りが早いとか両親にバレそうなことは多い


だから、少しでも早く2人だけで住める家を確保しなければならない


そのために九十九のおっさんに連絡は済んでいる


その連絡の返しが先ほど来たのだ


おっさんによると、引っ越し先は実家から車で1時間の都心になるとのこと


そんなところ家賃とか光熱費とか、凄い高いんじゃないだろうか


いくら、退魔師の給料が多いといっても、そんな日本の一等地に住むなんて難しいのではないだろうか


そう言うと、おっさんは軽い感じで、日本妖魔対策課は至るところに土地を持っていて、その中には都心の一等地も含まれているとのこと


そして、退魔師は数が少ないのでこれくらいの福利厚生は普通のことらしい


実際、俺の他の退魔師もみんな良いところに住んでいる人が多いらしく、今回用意出来た住居はその中でもランクが低いほうなんだと


まだ、退魔師としての活動をしていないのに、こんな良くしてもらって不安に感じていた俺は少し安心した


住居は確保出来た。ならば、あとは家族に事情を話すだけだ


ーーーー


俺は今、ジュリアと2人で母親の前に座っている


あの後、まず俺だけ一階に降りて、母親に話があると言って待ってもらう


そして、ジュリアを連れて、結婚したから今週中に家を出ていく旨を話した


いきなりの話しに母親はポカンとしている


それから1分後、頭が理解したのか凄い顔でえ?は!?と驚いた声を出している


「いや、仕事見つかったから出てくだけの話だよ」


もう一度説明すると、さすがに聞き間違いじゃないとわかったのか冷静さを取り戻していった


「ちょ、ちょっと小次郎ちゃんこっち来てくれる?」


なぜか俺だけ部屋の端っこに呼ばれると、小声で聞かれた


「小次郎ちゃん、仕事って危ないものなんじゃないの?それにあのジュリアさん?って人海外の人みたいだけど、詐欺とかではないの?」


悲しいことに俺は親に信用されていなかった


「大丈夫だよ。仕事も国が関係する公務員みたいなものだし、ジュリアも信用できる筋で出会って意気投合して結婚することになったから」


「でも、ジュリアさんアメリカの女優さんみたいにすごく綺麗だけど、なんで小次郎ちゃんと、その…ね?」


言外に俺とジュリアじゃ釣り合っていないと言いたいのだろう


めっちゃ息子のことを貶しているが、俺でもジュリアとの顔面偏差値くらいわかっている


面倒臭いので、直接ジュリアに聞けと母親に言うと腰が引けていたので、ジュリアに俺と結婚で良かったのかと母親が言っていることをバラすとジュリアは笑顔で


「お義母さま、私は小次郎様に人生を救われました。私は小次郎様でいいんじゃなく、小次郎様がいいんです」


と、言ってのける


その裏表ない顔でジュリア言うと、さすがに母親も反論出来なくなったのか、黙り込んだ


多分、納得はしていないだろうけど、認めざるを得なくなったのだろう


そうして、話が一通り終わると、父親が仕事から帰って来たらしく音がした


最初、俺とジュリアにびっくりしていたが、母親に説明した内容を父親にも話すと、久しぶりに話す父親はジュリアに照れていてあまり騒ぎにならなかった


母親があきれた顔でそんな父親を見ていたが、気づいていなかった


そうして、数年ぶりに両親と食事をとることになって家族団らんになった気がした


ーーーー


食事中、ジュリアは質問されていたが、俺が何とかフォローすると怪しまれなく切り抜けたと思う


今日はジュリアが俺の部屋に泊まっていくという風にすると、あとは若いお二人でみたいな空気を出されたので少しイラッとした


「小次郎様のご両親はとても優しい方でしたね」


「そうか?ただの一般庶民なだけだろう」


「いいえ、私が質問された内容は全部小次郎様を案じたものばかりでした。本当に小次郎様が心配なんだと思います」


ジュリアのその言葉に一瞬反論しようと思ったが、今まで無償でニートの息子を養うくらいだ。お人好しなのは確かなんだろう


「まぁ、そうなんだろうな」


「ええ、そうですよ」


珍しくジュリアが俺に意見を言ってくるので、苦笑しながら肯定する


今日は気分が変な感じがしたが、この気持ちは悪いものじゃなかったので、そのまま寝ることにした

親は大事に

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ