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第9章 オマケ三連発! それぞれの新生活

その1 脅威のハイスペック(アロイス)

 

 ……近頃、あんまり夢見がよくないんだよな。

 身体が沈んじゃうような、すっごく豪華なフカフカのベッドに慣れないんだよな。なんかこう、もっとハードでごつごつしたマットレスがいいんだけどなー。


******


 あー、また夢か。なんだろ、今日はなんか、数字の並んだホログラムが出てきたぞ。毎日金勘定ばっかりやってるから、数字に追われてるのかな。なになに、「エリトニー興亡記 キャラスペック一覧表(byオーエイ)」? なんだこれ? とりあえず、「アロイス王」のとこを、ポチッとな。


【アロイス】  武力82 統率力96 知力110 政治力99 魅力110 特殊能力 女装


 って、すっご、すごすぎる! まるで曹操と孔明のいいとこ取りみたいなスペックだな……。って、知力と魅力が上限をはるかに超えてるじゃないか? さてはプラス補正の持ち物があるんだな。ええと、ここか、ポチっ。何々? 「エタンのサファイヤ(武力+3)。ランドルフの兵法書(知力+10)、英雄王のクラウン(魅力+10)」か。へー、なるほど。って、「ランドルフの兵法書」なんてありませんから! そもそもあそこの論文、半分くらい僕が書いたんですから! あと、この、特殊能力「女装」って何? 戦場や政治で全然役に立たない気がするんですけど(笑)。


 ううむ、これは面白い、お姉ちゃんはどうかな? ポチっとな。


【セシル】 武力85 統率力88 知力92 政治力82 魅力105 特殊能力  狙撃 美貌 


 お、なるほどね。確かにそんな感じ。魅力が上限を超えてるんだな。持ち物は、ポチっ、「エタンのルビー(武力+3)。イボンヌのドレス(魅力+5)」って、おー、そうなんだ。しかし、狙撃はいいとして、特殊能力「美貌」って。くノ一じゃないんだから意味ないだろ(笑)。


 ええと、それじゃ、次はちょっと特殊な数値が出そうなキャラを、ポチっ。


【イワン】 武力95 統率力92 知力20 政治力38 魅力83 特殊能力 肉体美 天変 風変 


 こ、これはまた極端な数字が出たなあ(呆)。武力と統率力が90台で、知力20って……。完全に脳筋武将だよこれ(笑)。おっと、持ち物あるんだ。なんだろう、ポチっ。「過剰な筋肉(魅力+1 知力-5)」だって、あははは! あれ? でも、特殊能力で「天変」と「風変」を持ってるんだ! 妖術使いかよ。これは殆どチート級だぞ……。イワン兄ちゃんはロングボウ使えるから、毎日「天変」でかんかん照りにして、「風変」で風向きをホランドに向けて、遠くから火矢飛ばしたら、全滅なんじゃ? あと、上から油も撒きたいね、フフフ、ニヤリ(by小悪魔アロイス)。あ、でも、知力20じゃ、10回に1回も成功しないな。絶対、「プス……失敗しました」ばっかりだ。こりゃ宝の持ち腐れだ。あと、頭悪いから、ちょっと挑発されたら「なにおう!」とか叫んで一騎討しちゃいそう。体力残量30くらいでも「なにおう!」とか一騎討しちゃって、捕まるんだよなあ、この手の人(笑)。


 あー、面白い、じゃ次は、ステラ……、ん? なんか、苦しい、重い、どうした?


******


 ハっ! 目が覚めた。僕は今何を見ていたのでしょうか? 全然覚えていない。なんか数字が並んでて面白かったことだけは覚えてるけど……。


 って、見たら、ステラが乗っかってた。重かったのはこれかー。

 身体の大きさ全然違うんだから、ちょっと離れて寝てくれよ、ほんとに(笑)。 


________________________________



その2 ガールズトーク(セシル&ステラ)

 

セシル ねえねえ、ステラ。

ステラ 何?

セ ついにアロイスと毎日一緒に暮らせるようになったんだね。おめでとう!

ス ありがと。私、毎日幸せよ♡ (顔を赤らめて、グニュグニュする)

セ じゃさ、じゃさ。

ス 何よ?

セ 毎日一緒に寝てるんでしょう? ……アレ、やっぱりするの?

ス す、するわよ。当たり前じゃない。恋人なんだから……。

セ ふーん。身体の大きさ、全然ちがうけど、大変じゃない?

ス そ、そんなのね、横になっちゃえば一緒よ。

セ そっか、そういうものなのか。私、男の子と付き合ったことないから、そういうのあんまり分かんな  いの。二人はいつ頃から? 

ス ええと、私が14になったばかりの頃だったわね。

セ じゅ、14……。今まで全然気づかなかった。アロイスもやるわね。

ス そうよ、彼、普段は穏やかでとっても優しいんだけど、でも……。

セ で、でも?

ス ベッドではね、すごいのよ。小悪魔どころじゃないわよ。

セ そ、そうだったのか。意外な感じね……。

ス そう、あんな綺麗な顔してね、まるで肉に餓えた野獣よ(ニヤリ)。

セ や、野獣……。そ、そして、このステラのドヤ顔。完全にマウントを取りに来てる。考えてみれば、王妃になったら、私より位が上になるんだものね……。

ス フフフフ。今頃気付いたの? セシルもおバカさんね。

セ ああ! ただでさえデカいステラがもっと大きく見える。2.5mくらいに!

ス 全く、失礼なこと言ってるんじゃないわよ(苦笑)。ほら、もう、お昼休み終わるから、持ち場に戻るわよ。弓隊、鍛え上げるんでしょ?

セ てへへ。きわどい話でちょっと楽しかったわよ。騎兵隊も頑張ってねー。

ス うん。また夕ご飯でねー。


______________________________



その3 ジム開設(イワン&マチアス)


イワン アロイス! 頼みがあるんだ!


マチアス おい! イワン。もうアロイス様はエリトニー国王なんだから、いままでみたいに気軽に口効いたらダメだ。ちゃんと敬語で、名前も「アロイス様」と言えよ。

イ だって、兄貴、俺、エリトニー人じゃないもん。傭兵だもん。王様が誰だって関係ないもん。

アロイス あはは、イワン兄ちゃん。確かにそのとおりだね。だけど、周りは全部エリトニー人だし、しかも軍隊なんだから、示しがつかないのも本当だよ。だから、敬語じゃなくてもいいけど、せめて「アロイス様」にした方がいいかも知れないね。そしたら、僕も「イワン」にするよ。

イ そうか、それもそうだな。じゃそうしよう、改めて、アロイス様。

ア なんだい、イワン(笑)。

イ 城内でも城外でもいいけど、ジムを作ってくれよ!

ア ジム? 重いもの持ち上げたりして身体鍛えるあのジム?

イ そう。俺の身体がなまっちゃうのもあるんだけど、せっかく徴兵した新兵が沢山いるんで、俺の方でデカくて力の強いのを選抜して、ジムで全身鍛え上げたいんだ。

ア なるほど。それ、ロングボウ用?

イ そのとおり。特に、引く力を左右均等に鍛えれば、どっちかが疲れても連射可能になるし、敵味方入り乱れた混戦でロングボウが使えないときは、重装歩兵にスイッチして殴り込むっていうのがいいと思うんだ。どの国でも、ロングボウはそれ専門に特化してるけど、エリトニーは兵も少ないから、勿体ないと思うんだよ。

ア おー、いい。それいい考え。とても知力20とは思えない(笑)。

イ 知力20?

ア あ、いや、こっちの話(笑)。

イ 今はまだ新兵のパワーが全然足りなくて、俺が350m飛ばすところを、いいとこ200mしか飛ばせないんだ。飛ばない兵に合わせて戦術を調整するんじゃよくないから、身体も鍛え上げたいんだ。

ア いいねえ。早速手配しよう。ベンチとパワーラック、あと懸垂台がそれぞれ5台くらいずつ、あとダンベルが50㎏くらいまで一揃いを2セットでいいかな?

イ うん、当面はそれだけあれば十分だ。ありがとう。

ア それじゃ、そのうち、成果を試すために、ボディビル大会もやろうか。ほかの兵科の手前、賞金までは出せないけど、お城の食堂の肉料理を半年タダとか(笑)。

イ おー、いい、それいい。是非やろう。絶対俺優勝するよ!

マチアス あ、それいいな。俺もやろう。

ア えー、じゃ、僕もやろうかなー。


 と、このような経緯で、エリトニー初のジム開設が決まり、それが後に、脅威の飛距離と連射能力を誇るロングボウ部隊と、そして黒い甲冑の重装歩兵「ヘラクレス軍団」の誕生につながったのであった。

 

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