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第七話 ここに就職できた理由

「俺たちは魔力のない世界で生きていたんだぞ。何の代償もなく、身体に魔力を取り込んで溜め込むことができると思うか?」

確かにそうだ。全く未知のものを身体に溜め込むことはできないかもしれない。


「でもそれなら何故、鳳条さんは魔法が使えたのでしょうか?」

1番の疑問はそこだ。魔力を溜め込んだり、取り込めないのなら、魔法が使えないのでは?


「耐性をつけたってのもあるし…それに俺たちが魔物化しているからだ」

魔物化?猪狩さんの口から出た言葉に、ちょっとゾッとする。

「ま、魔物化ですか?一体どういうことでしょう?」


「身体の中に魔石を作るんだよ」

東雲さんが自分の椅子を持ってきて、話してくれた。

「臥龍岡くんはどうしてここに就職できたと思う?」

椅子に座った東雲さんがこちらを覗き込む。


どうして、と言われても、さっぱり…

ここに就職する前にしたことと言えば…

「あの時のペーパーテストですか?」

「そう、大正解」

パチパチと東雲さんが手を叩いてくれるが、あんまり嬉しくない。


「あの時は、何人か同じ検査を受けてもらったんだけど、一班と三班で合同の適性検査してたんだ。まあ、もしどっちに適性なくても、一般職には就けたみたいだけどね」


そ、そうだったんだ。そういえば、1番最後に白紙の紙があったけど、あれも検査の一環だったのかな?

でも、その紙以外、特に変な事があった覚えはないけど…


「あの、私はどんな適性検査に合格したのでしょうか?」

「魔力への耐性テストだよ」

…は?魔力への耐性?そんなものあるわけない。


魔力や魔法なんてものに、これまで触れたこともないのに。

そもそも、そんなテスト受けた覚えもない。


「あん時、部屋の中に俺の魔力を送り込んでたんだよ」

不機嫌そうな猪狩さんは、足を組んだ。

行儀悪!と思ったが、口には出さないでおく。


「魔力が一定濃度以上になると、気分が悪くなったり、場合によってちゃ、意識を失うことがあるんだよ。

向こうの世界じゃ、魔力だまりとか超魔力の濃いエリアじゃないと、そんな症状起きないらしいがな。だが、この世界の人間の大半は、少しでも魔力を吸い込んだだけで、さっき言った症状を引き起こす」


魔力やば!そんな副作用があるなんて…

ん?待って。私がペーパーテスト受けてた時、私の部屋に魔力送り込んでたって言わなかったっけ?


「あの、なんで私は、テスト中にそのような症状が出なかったのでしょう?」

「そんなの、お前に耐性があるからに決まってるだろ」


な、なんだってー!!!

そんなものあるわけないでしょ。

「理由なんざしらねぇよ」


顔に出ていたのか、猪狩さんがうざそうな顔をしている。

「つまりお前は、なんらかの理由で魔力に耐性があるから、ここに就職できたってわけだ」

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