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第三話 今から退職は可能ですか

明日も投稿します!

よろしくお願いします!!

キミハ、イセカイッテシンジル?

言葉の意味がすぐには理解できなかった。


「イセカイ…異世界、ですか?」

「そう、異世界」

…これは、精神論的な話だろうか。どういう意図で聞かれているのか、さっぱり分からない。


「宇宙人とかそういう話ですか?…いるのかもしれない、とは思っています」

とりあえず、いるでも、いないでも話が合わせられるような答え方をしておく。

「まあ、うん。そうだよね」

また沈黙が続く。

何の質問だったんだ。


「…君はどんなゲーム好きかな?」

「ゲーム、ですか?」


今度はゲームの話?ずっと業務の話をしない班長に段々イライラしてきた。

「あまりゲームはしませんが、強いていうなら、RPGが好きです」

苛立っていたから少し強めの口調で言ってしまった。


本当はあんまりゲームが得意じゃない。

家のルールが厳しくて、ほとんどゲームはしたことがないのだ。

なので、友達の家で一度だけ遊んだRPG?とやらを好きということにしておく。


「そ、それなら大丈夫かな」

今まで暗い顔をしていた東雲さんが、少し明るい顔になった。…一体何なんだ。RPGが好きだからなんだというのだ。


「私達は、市民が危険に晒されないようにするのが仕事。第一班から第四班まであって、それぞれが全く別の脅威に対処しているよ」

脅威、対処?全く理解できん。


頭の中でハテナマークが浮かんでいる間も、東雲さんの話は続く。

「私達の班の名前は、異世界外来種対策特殊班、通称第三班と呼ばれている。そして、私達の業務は」

そこで言葉を一度切ると、まだ混乱している私に、しっかり目を合わせた。


「異世界の魔力を持つ、魔物の対処なんだ」

私は夢でも見ているんだろうか。もしかして、就職が嫌すぎて、こんな非現実的な夢を見てる?

そうだ、そうに違いない。


一縷の望みをかけて、手の甲の皮を思いっきりつねってみる。

「…いたい」

「現実だからね」

夢じゃない。嘘だ、誰か嘘だと言ってくれ。


「君が信じられない気持ちもわかる。でも、君は今日からこの部署の配属が決定しているんだよ。受け入れてくれ」


信じられない。

というか、これが現実だと受け入れたくない。

「申し訳ありません。もう一度おっしゃって頂いても宜しいでしょうか」


パニック状態の私に、東雲さんは嫌な顔せずに淡々と諭すように話す。

「君は今日からこの部署、異世界外来種対策特殊班に配属になった」


「はぁーー!!」

私はやっと、今までの話に理解が追いついてきて、大声を出すことができたのだった。


こんなやばいところだって、初めから知っていたら絶対就職しなかった。

今までの話が冗談でも、魔物とか異世界が現実の話でも、ここはハズレだ。


今からでも、退職届を出すべきかもしれない。

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