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第二十五話 寝過ごした

比較的大きなこの空港には、プライベートジェット専用の発着場があるって、聞いたことはあったけど、まさか自分がそこから乗ることになるとは思わなかった。


飛行機に乗り込むと、2人のCAさんがいた。

中は、テレビとかでしか見たことのないような豪華な空間が広がっている。

やっば!!こんな豪華な旅は、人生初だ!


でも、普通の飛行機と違う点が一つ。


窓が、ないのだ。

「あの、どうしてこの飛行機には窓がないんでしょうか?」

恐る恐る尋ねると、ニッコリ笑ったキャビンアテンダントが答えてくれた。


「時空の穴の場所は、極秘事項ですから。上空から建物を見て、場所に目星がついてもいけませんので」

私達は揃って口元を引き攣らせる。

なんという厳重さ。


魔物関連のことは、全てが機密事項で、この班を抜ける時は記憶を消されるとは聞いてたけど…

色々な情報が厳重に管理されているんだな。


「長時間のフライトとなりますので、もし宜しければ、こちらをご利用ください」

そう言ってアイマスクが手渡される。


確かに今日は1時間くらいしか寝てたいし、ここで睡眠取っとかないと…


猪狩さんは、ドリンクを頼んでいた。しかも、今から映画を見るつもりらしい。リラックスしてる姿が絵になるなぁ。


私は貰ったアイマスクを装着する。

視界が真っ暗だと、こんなに眠くなるもの、なのね…


♢♢♢

「…ぃ、おい、起きろ!」

「んぇ?」

めっちゃぐっすり眠れた。

プライベートジェットなだけあって、本当に快適だった。肩とか足が痛くもない!


「寝過ぎだろ、お前」

アイマスクを外すと、呆れ顔の猪狩さんが目に入る。

「おはようございます」

欠伸をしながら挨拶すると、余計に猪狩さんの眉間に皺が寄った。


「8時間も寝っぱなしだったんだぞ。しかも、CAさんが何回声掛けても起きないし…」

「え!本当ですか!」

CAさんの方を見ると、苦笑いしていた。


「すみません…」

本当に申し訳ない。そんなに爆睡をかましてしまっていたなんて…


もしかして、目的地に着いちゃった!?

折角の豪華なプライベートジェットの旅を寝て過ごしてしまうなんて…ショックすぎる。


「さっさと降りるぞ」

「は、はい」

猪狩さんに続いて、急いで降りると、眩しくて思わず目を細める。


あれ?8時間経ったってことは、もう夕方とか夜でも良いはずなのに…

って、そうだ。飛行機に乗って(恐らく)海外に来たんだから、時間とかがズレているんだ。


それにしても、初めての海外旅行がこんな形になるなんて…プライベートジェットに乗ったのもこれが初めてだし…


これが仕事とか全く関係ない、楽しい旅行だったら良かったのにな。そう思いながら、持ってきていた荷物を受け取るのだった。

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