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第十三話 まぐれでできても

「まずは、昨日と同じだな。魔力を感じるところから始めるぞ」

猪狩さんと両手を繋ぎ、目を閉じて、両手に感覚を集中させていく。


猪狩さんの方から、昨日よりも少ない量で、ゆっくりと魔力が流れてくるのを感じられた。


「…どうだ?」

「左手の方から魔力が流れてきていると思います」

「そうじゃなくて」

なんか、猪狩さんの声が震えてる?


「気持ち悪くなったり、体調悪くなったりしてねぇか、って聞いてんだよ」

昨日の私が倒れてしまったから、猪狩さん的に気を遣ってくれたらしい。

「大丈夫です」と答えると、昨日と同じくらいの量まで増えた。


…どうしてだろう。魔力の扱い方が何となく分かる気がする。

身体を巡る魔力と、私の中の魔力を合わせて…

「おい、ちょ、止めろ」

「は、はい」

いきなり大声出されるから、びっくりした。


何だろう。意識がぼぉっとして…あれ?何しようとしたんだっけ?

そう思った瞬間、寒くなってブルッと身体が震えた。

「なんか寒くないですか?」

「目、開けてみろ」


恐る恐る目を開けると、私達の周りに何本もの氷の柱が出来上がっていた。

「な、なんですか、これ?」

「お前が魔法使ったんだろ!」


え、えー!こんなの私に作れるはずない。助けを求めて猪狩さんの方を向いたが、何やらぶつぶつ呟いていて、視線に全く気づいてくれない。

「昨日の今日でこんな大規模な魔法を?ありえねぇ。しかも、俺の魔力と自分の魔力を練り上げてたよな?そんな高等技術、俺だって半年以上掛けて習得したのに」


「あ、あのー」

勇気を出して声をかけると、猪狩さんはニヤリと悪い顔になった。


「よし、今から実践訓練を開始する」

え、は?実践?魔法のマの字もできていないのに、実践もあったもんじゃない。


「ちょ、ちょっと待ってください。いきなり無理です!魔法だって、なんで使えたのかも…そもそも、本当に私の魔法なんですか?猪狩さんのミスなんてことは…」

私は一気に捲し立てたが、猪狩さんはそんなことお構いなしだ。


「ごちゃごちゃうるせぇよ。一回できたんだ。何度もやればできるようになる」

「そんな無茶苦茶な!」


そこから先は、本当に地獄のような訓練だった。

猪狩さんも、魔法の属性は火らしく、私に向かっていきなり魔法を放ってきた。


私は驚いて、咄嗟に逃げると、「逃げるんじゃねえ!魔法で打ち消すんだよ!」と怒号が飛んできた。


だが、まぐれでできた魔法をどうやって発動すれば良いか分からず。

初日は自分の服が数箇所焦げるだけで、魔法を放つことはできなかった。

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