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第十一話 2日目

「うぅ…頭痛い」

頭がガンガンする。多分、猪狩さんのお酒を私が間違って飲んじゃったよね。後で謝らないと。


昨日1日会社にいて、ここで働くのも悪くないと思っている自分がいる。なんだか、仕事で冒険するようで、少し面白いかもしれない。


それに辞める時には記憶消されるし、身体に魔石?ができちゃってるらしいから、やめようと思っても、すぐにはやめられなさそう。


うん。

辞めるかどうかは、もうちょっと考えてからにしよ。


てか、飲んだの一口だけなのに、なんで酔ったんだろ。

昨日、そんなに疲れていたのだろうか。


寝ぼけ眼で時計を見ると、朝の7時前。そろそろ起きる時間だ。


そういえば、荷解き全くしてない。

家具付きの寮とはいえ、荷物が少ないわけではない。お陰で部屋はダンボールが半分以上占領していた。


「お休みの日に、荷解きしなきゃ」

今そんなことをしている暇はない。

急いで化粧をして、スーツに着替える。それから、ダンボールの中からトレーニングウェアを取り出した。


今日からは、魔法の訓練を行うため、スーツではなく動きやすい服を持ってきておけ、と猪狩さんから言われていた。

「そういえば、どうやって寮に戻ってきたんだろ」


昨日は、仕事内容がファンタジーすぎて気絶して、身体に魔石ができた痛みで気絶して、歓迎会でお酒飲んで、酔っ払って…ダメだ。そこからの記憶がない。


鳳条さんが運んでくれたに違いない。後でお礼言わなきゃ。

「やっば!ゆっくり考えてる時間ない!」

気づけば7時50分を過ぎていた。

8時ごろには出社したほうがいいだろう。


寮から会社まで歩いておよそ5分。

私は昨日渡された資料などを鞄に詰めて、寮を出たのだった。


♢♢♢

「おはようございます」

「おはようございます。臥龍岡さん」

「おはようございます、杏和さん!今日もスーツなんですね!」

出社すると、鳳条さん姉妹が既に席で作業をしていた。


外見だと見分けがつかないが、希夢さんの方がサバサバしていて、苺花さんの方がフレンドリーだ。

「昨日は、寮まで送り届けてくださり、ありがとうございます」

「気にしないでいいわよ」

どうやら、私を介抱してくれたのは、希夢さんの方だったみたいだ。


「スーツで出社してくれたのに、こんなこと言うのは申し訳ないんだけど…猪狩が来たらすぐに魔法の訓練が始めると思うから、着替えがあれば着替えた方がいいと思うよ」

私の格好を見ていた希夢さんが仮眠室を指して言う。


「あー、ほんとだ。うち、更衣室とか無いから、仮眠室で着替えてね!」

「分かりました。着替えてきます」

無いんだ、更衣室。こんな広い施設なのに、とちょっと意外に思いつつ、手荷物を持ったまま仮眠室に移動する。


「猪狩さん、遅刻魔だから!ゆっくり着替えて大丈夫だよ!」

あの人…遅刻魔なんだ。

確かに、時間守るの苦手そう。


そう思いながら、私は仮眠室の扉を開けたのだった。

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