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シロンの夏休みの会話 偉いさんへの紹介編

そこは神社の社の中なのかわからない不思議な薄暗い広い空間。

奥には神棚ではなく御簾が掛かっており、その奥には神々しい光が差している。

その左右には狐の像、いや、黒子頭巾を被った者たちが居並んでいる。


「…では、いま申し上げた証拠をご覧ください」

そこの間に立つのはあの「男」。

「犬神殿のご息女が、九尾狐を退けた記録です」

後ろの白いスクリーンに映像が映し出される。


牙を剥き出し、駆け寄るシロン。

幾つものいかづちが炸裂しシロンに襲いかかる。

しかしシロンはそのステップで、全ての雷撃をわしていく。

それどころか、シロンの走る姿はさらに早くさらに強くなっていく。


取り巻きの狐たちから驚きの声が上がる。

…まさか、陰陽道の、『禹歩うほ』、いや『反閇はんべい』?

それをあのように扱える、とは?!


やがて星型のような五角形の光る文様に捕らわれるシロン。

手を振り下ろす九尾。衝撃と音と光の大柱が、シロンの上に炸裂する!

超雷撃の落ちたその跡は大きなクレーターのよう。

やがて静かに、穏やかになってくる。するとー

地面の大穴の淵に白い手がかかるのが見え、ぐっとシロンが姿を現す。


一斉に騒めく取り巻き狐たち。

…あの雷撃に、耐えられるのか?!


やがてバッと飛び上がる姿。白い弾丸となるシロン。

九尾の右の二の腕を吹き飛ばす!


オオッ、と狐たちから上がる歓声。


しかし当のシロンは、九尾の首筋の僅か右をかすり、そのまま吹っ飛んでいく。

そのまま背後の岩壁に激突!


嘆きの叫びが上がる。


しかし、その時、ばっと身を躍らせて降り立ち、庇うようにシロンと九尾の間に立ちふさがる。

それは父犬神の姿。

くるりと背を向け、去って行く九尾狐の姿―


映像が消え、スクリーンが白に戻る。

「このように九尾は退き、我らはかの敵、集団『異能コトナリ』に今回は勝利することができました」

周囲を見回す「男」。


「如何でしょう、命婦みょうぶ様のご期待は、もっともなものとお分かりいただけましたか」

「あえて言わせていただきましょう、ご息女でさえ、この力」

「犬神さまと結ぶに、何のさわりがありましょうか?」

周囲は押し黙る。

「今回の犬神殿と結ぶの件、皆さまにも御承諾いただけたものと理解いたします」


御簾の奥から声がかかる。

「うむ、左様さよう相違そういない、稲荷神の名において受けると誓おう」

周囲の取り巻き、そして男も一斉に頭を下げる。


「では約定の取り交わしに、犬神殿のご息女にお越しいただいております、ですが―」

ゴホン、と空咳からぜきの「男」。


「皆様に事前に申し上げます」

「ご息女様は、まだお若く武技や体術に熱中され、いささか礼儀を欠く事がありますれば…」

苦笑いする。

「そう、言わば『婆娑羅ばさら』や『傾奇者かぶきもの』と思っていただきたい!」


何の事か分からずにざわつく取り巻き狐たち。


「ではお越しください、犬神さまのご息女、『白神 妙』様です!」


呼ばれて、たたたっと、進み出る制服の女子高生。

一筋の白いメッシュが入っている肩までのワンレンの黒髪が揺れる。


皆が唖然とするなか―、


ギャルピでポーズをとるシロン。


「おはっピー、シロンだよー!」






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