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夏休みの終わりの会話 なんかヤバイ運命編

牧場主ファーマーは、最後…」

淡々と続ける。

「生命エネルギーの使い過ぎで、狼牙が力尽き、がん細胞が死に絶えたことにより…」

「自身の身体は肉体の中に埋もれていたため、呼吸すらできなくなりました」


「男」はつい、う、とうめき、のどを押さえてしまう。


「死んだ肉体から、逃れようとするも…」

「窒息して力尽きたのです」

至極あっさりと言い終える命婦みょうぶ


「何ともはや、陰湿で容赦ようしゃのないやり方よな」

横目でにらんで言い放つ九尾ママ。


ゆっくりと首を返し、言い返す稲荷神。

「…ではあなたなら、もっと首尾よく出来たと言われるのですか?」


横でハラハラして観ている犬神と「男」。


無言の見つめ合いが続く。

九尾ママのこめかみに怒りの筋が現れはじめる。

たまりかねたように口を開こうとする「男」。


しかし―

…つい、と顔を背ける稲荷神に、肩透かしをくらった格好。

明後日の方向か、彼方の空を見上げて無言のまま。


「なんじゃ、話を逸らして逃げるとでも?」

いきがって言うような九尾ママの言葉に、真顔で返す命婦みょうぶ


「失礼しました」

「稲荷は、神と名乗るものなれば…」

ちょっと自虐的な微笑み。

「…少しの未来を見通せます」


「えっ、未来予知、ですか?!」


「凄いですねっ!?」


感嘆する「男」と白い猛獣。


「はい、それが…」

うつむいて深刻そうに言う。

「…負け、しか見えないのです」


「…え゛?!」

絶句する皆。


少しの間のあと、笑い飛ばす九尾ママ。

「は、はは、それは相手の『負け』という事を言うておるのじゃろ、驚かしよって」


「いいえ」

うつむいて言う命婦みょうぶ


「な、なら、我々は負ける運命なのですか?」

驚いて言う犬神。


「いいえ」

首を振って言う命婦みょうぶ


「―お前、からかっておるのかや?!」

語気を荒げる九尾ママ。


「言わば、次の戦いはこの世の行く末を決するものですが…」

「どちらも勝てないでしょう」

あっさりという命婦みょうぶの言葉。


「…本当にナメておるのかやっっ!!」

激高したように詰め寄る狐耳。


「残念ですが、今はそうとしか言えません」

「ですが、我らは出来る限りの支援をいたしますので…」

稲荷神は九尾ママに頭を下げる。

「頑張って下さいませね」


一瞬、キョトンとして後、九尾ママ、犬神、「男」は叫ぶ。

「ち、ちょっと待ちゃれ!」

「決戦は我らがするのですか?」

「ど、どうやってぇ?!」


ただの戦いならいいのだろうが、負け、どっちも勝てない戦い?!

―どうすりゃいいんだ?


「分かりにくいでしょうか?」

首を傾げる命婦みょうぶ


「分かる筈がなかろ?!」

九尾ママの絶叫、他の二人も内心は一緒だろう。


「では、一言で申し上げますと…」

コホン、と咳払いの稲荷神。

「何とか、なるでしょう!」





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