さあゲームを始めよう……(ダンボール箱を組み立てながら)
「Lvが上がったけど、さてどうしたものか……」
自分の生首と色が変わった魔石?は、考えてもしょうがないので…… とりあえずスルーした。
「ゲーム選び…… してみるか」
魔物?を倒したらLvアップしたのと生首をドロップした事から、ロールプレイングとアクションゲームの要素だと思われるし…… この状況を打破できる様なゲームが選べるかも知れない。
「う~ん…… これって…… すぐ死ぬって有名な奴じゃん! うわ!? これも死にゲーの代表作じゃん…… ちょっと難しい系の奴ばかりじゃん!!」
ゲーム選びのゲーム一覧には、ジャンヌ別けされたゲームタイトルが並ぶ。
「対戦ゲーとか何時使うんだよ…… 決闘とかでか? う~ん…… 何か無いのか? うん? このゲームは!?」
ゲームの一覧からとあるゲームを発見したので……
「このゲームを選択すると……(ゴト!)よし!」
目の前にゲームアイテムが現れた。
「後は…… あの木箱を……」
現れたアイテムを組み立てて、その上に木箱を被せて偽装した。
「どうだ…… 名付けて、木箱偽装型ダンボール箱だ!」
木箱に内張りしたダンボール箱を被ると、俺は物置を後にした。
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「此処は…… 石作の砦か城の中か?」
何時の間にか解放されていたマップ機能を確認しながら、ダンボール内張りの木箱の俺は慎重に移動する。
「どうやら、俺だけ取り残されたみたいだな……」
回りの埃が酷い事からも、此処が普段は人の出入りが無い事がわかる。
「置いてかれたなら…… これ無駄だったかな?」
念のためにダンボール内張り木箱を被りながら、出口とあの子供の居場所を探る。
「これは…… 複数の足跡か?」
しばらく壁伝いに移動すると、埃が踏み潰された様な後を発見。
「問題は、どっちに行ったかだな……」
足跡の向きから、行き来した痕跡が見られたので……
「片方はあの水晶か召喚の場所か? もう片方が出口だと良いんだが……」
まあ、水晶と召喚場所を確認するのも良いかと思い、俺は足跡を辿る事にした。
「おい…… マジか……」
足跡を辿る先で…… 錆びて欠けた排水口の格子から、ゾンビラットが溢れ出していた。
「くそ、人の匂いを感じたのか…… ヤバイな」
腐りかけの癖に俊敏な猫サイズのネズミに、生命の危機を感じながらも逃げ道を探ると……
「あれ…… 排水口の先に階段か?」
その瞬間、俺の頭には敵を踏みつける髭の配管工青年の姿が閃く。
「やれるのか? さっきはできたよな? よし!」
内張りのダンボールを剥がしては、板にしてガムテープで左腕に張り付け、残りを丸めた棒状の物にして装備!
「すまん木箱君。俺の踏み台になってくれ!」
木箱ひっくり返し、底を持ってゾンビラットの湧き出す排水口に近付くと…… 木箱を踏み台にして階段に飛んだ。
「よし! 後は……」
攻められた時の為か? 階段は狭い作りだったので左腕に張り付けたダンボール板でも道を塞ぐ事ができた。
後は…… 浄回スキルを使いながら、ダンボール板を飛び越えるゾンビラットにダンボール棒を振り回す。
「昔のアクションゲームを思い出すな……」
ダンボール棒に触れると散るゾンビラットに…… 僧侶の魔法で消滅するアンデッドモンスターを思い出していた。
「あのロボット君は…… 毎回こんな感じだったのか……」
湧き続けるゾンビラットを叩き続けていると、ドロップアイテム階段の下に溜まり出し、数十匹を倒したら出なくなったので回収に向かうと……
俺の生首もゴロゴロと転がっていた。