辺境を行く…… 忍者?
「猛人牛です!」
ラフディが指差した荒野から、牛頭の人型魔物が走って来る。
「ミノタウロスですか?」
「たぶん、同じ様な魔物だな」
「ゴズとかの場合もありませんか?」
「う~ん…… 腰蓑に石斧…… ミノの方だと思う」
絵で見たゴズの様な装備よりも、ミノタウロスの方の装備に近いので…… ミノタウロスと同じ様な魔物だと推測しました。
「初の魔物だし…… 油断なく狙撃します」
先ずは…… 普通の金属魔法弾丸と風魔法で狙撃。
ブオォォォォォ!!!
胸に弾痕の穴が空くが…… 大して効いてない様だ。
「今までの魔物で1番固いかな? 小さい穴じゃあ大したダメージにならないみたいだね」
やはり魔物…… 急所に当たらなければダメか?
「ラフディ、警戒を! グリズは魔物車の防御! 俺は前に出る……」
迫る牛頭にショートソードを抜いて、俺は前に出た。
「試して見るか……」
ブオ! 牛頭が石斧を俺の頭に向かい、力任せに振り下ろす……
「足は…… どうだ?」
ブモ!? 石斧を避けながら、脛を斬り付けるが…… 皮膚に薄い切り傷が付く程度で刃が通らない。
「かっ、てぇ…… これは、剣で挑むのは失敗だったかな?」
脛を斬り付けた事で…… 牛頭の意識は、完全に俺を敵と認識した様だ。
ブフゥ……
大きく息を吐いて…… 牛頭が俺を睨みながら石斧を構える。
「これが辺境の魔物…… 付け焼き刃では効かないって感じだ…… な!?」
牛頭の横薙の一閃を後退して避けたら、タックルで吹き飛ばされた!
「ぐあ!? と、危ねぇ!」
押し倒された処に…… 石斧を振り落とされた!? が、横に転がり回避して、なんとか立ち上がる。
「野郎…… お返しだ!」
追撃に来た牛頭の顔前に火魔法の壁を作ると……
ブオォォォ!!
お構い無しに突っ込んで来た!
「マジか!? この!」
斬り付けが効かなかったので、カウンターで突きを放つと……
ブオゥ!?
直前で避けられた…… こいつ、戦い馴れてやがる。
「ヤバイな…… 接近しないで殺れば良かった……」
俺は闇魔法を使い撹乱して見るが……
ブオウ!
的確に距離を詰められた…… 気配察知でも持っている様だ。
「魔法で削るか?」
火魔法が効果薄だったので、雷魔法を撃ち込む!
ブア!?
突進しようとした牛頭がよろける。
「お、雷に弱いのか?」
一瞬、殺ったか?と思ったけど……
ブ、ブモォォォォォ!!
血走る目で激昂した様子がわかる。
「あら…… 怒りで強化されるタイプだったか?」
牛頭の攻撃が遅いし動きがぎこちない…… 麻痺った? なら……
「攻め時だな!」
闇魔法と影魔法を使い、牛頭の回りを動き回る。
「さて…… どうなるかな?」
牛頭の攻撃を縫う様に避けては、翻弄する様に動き回りながら…… ちまちまと斬り付け続ける。
「接近戦なら点の攻撃より…… 広範囲な傷を付ける攻撃の方が楽かな?」
骨や筋肉が固い…… 骨は武器の素材なのかな? なら……
「骨と筋肉を…… 避けて、内部に攻撃を叩き込む!」
骨や筋肉を抜ける様にショートソードで突き続ける。
ブモォ!?
「大振り過ぎだ…… それに…… やっと〝通った〟……」
筋肉と骨を縫う様に…… 俺のショートソードは、牛頭の腹に突き刺さった。
「内部なら…… 焼けるだろう?」
牛頭の腹に突き刺さったショートソードから炎が吹き出す!
「こいつでとどめだ……」
雷魔法を追加で流し込む……
ブベェ…… 牛頭の口から炎が吹き出し、血走っていた眼球が沸騰して飛び散る。
ズルリとショートソードを引き抜くと…… 3メートル超えの牛頭の身体が崩れ落ちた。
「勝った…… あ、通知が来た……」
牛頭を倒した俺の目に……
[サブジョブの【暗殺者】のLvが30になりました…… 上位職業の条件を満たしました…… サブジョブを【暗殺者】から…… 上位職業の【忍者】に変更しますか? →はい いいえ]
と、標示された。
「マジで……【忍者】が増えた」
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「で…… ヨミ君は、ミノタウロススレイヤーになるんですか?」
「何ですか? それ?」
「え? 忍者って…… 魔物をスレイヤーするんじゃないの?」
「それ…… 何か混ざってません?」
「そうなんですか?」
「たぶん…… で、どんな忍者ですか?」
「ゲーム的な忍者ですね…… 魔法みたいな忍術とか使える様ですし……」
「魔法みたいな…… それじゃあ……〝あれ〟…… できます?」
「「「「「あれ?」」」」」
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「此方だ! 此方此方!」
里山さんのリクエストで……〝3人増えた〟俺は、牛頭を取り囲んでボコッた。
意外と楽に倒せたので、最初の牛頭が特殊な魔物だったのかも知れない。
「後は…… また装備の更新しないとだな……」
忍者になれたから…… 刀が欲しいよな…… ショッピングに追加されないかな?
「織倉さん、ちょっとお願いが……」
俺は、織倉さんに手裏剣とクナイの製作を依頼したら……
「後で…… 撮影会ですよ」
完成した手裏剣やクナイを構えて……
「いいですね♪ 目線お願いします!」
コスプレイヤーの様に…… 写真を撮られる俺だった。




