貰った2つのスキルと職業プレイヤーのスキル…… ゲームは難度下げてやる派
(見るからにゲームセレクトは違う様な気がするから…… 浄回と吸収が貰ったスキルか?)
頭の中のガラス板のユニークスキルの浄回をタップして見た。
(おっ!? 説明文が出た。え~っと……)
浄回スキルは、浄化と回復の複合スキルらしい。
(周囲の穢れも浄化して、条件を満たせば自分や味方の回復…… つまり俺は、自動修復型空気清浄機!? 吸収は……)
吸収スキルは、周囲の力を吸い寄せ収納する事ができる。
(周囲の力って何? 吸い寄せて収納…… 掃除機か! 浄回はとにかく、吸収は危険な気がする)
吸引力が売りの掃除機を思いながら、ゲームセレクトの説明文を開く。
スキルゲームセレクトは、職業プレイヤーの固有ユニークスキル、プレイするゲーム選びやオプションが設定する事ができます。
(ゲーム選び…… オプションが設定って…… どういう事? 考えても分からないから、とりあえず…… オプションの設定してみるか)
再びゲームセレクトをタップして、選択肢からオプションをタップする。
(おお!? ゲームの設定画面みたいだな)
ゲームの設定画面の様な感じ物が現れたが……
(選択できない設定もあるな…… 条件があるのか? とりあえず…… 難度は一番下にと)
難度を下げれるだけ下げつつ、システムアシストをONにした。
「これでよし…… 後は、あの子供を見付けないと(ブーブー、ブーブー)うお!?」
急に鳴り響いた警戒音に驚き後ろに飛び退くと、目の前を黒い影が過った。
「な!?」
《ゾンビラットLv1が現れた》
「はい!?」
目の前に猫サイズのネズミ(腐りかけ)が睨んでいた。
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「最近…… 城内の感じがおかしいよな?」
「やめろよ…… ただでさえ嫌な噂が流れてるんだから……」
城内の見回り兵士達が話していた。
「そう言えば…… 新入りは?」
「寝込んでる」
「マジかよ…… やはり第三王女の?」
「馬鹿野郎! こんな事で王族の話を出すんじゃねぇ! 死にてえのか!」
「わ、わり…… お前も声がでけぇよ」
「お前がヤバイ事言い出すからだろうが」
「だけどよ…… もう1週間は経つんじゃないか? お姿が見えなくなってから……」
「馬鹿、だから言うんじゃね! 誰か聞いていたらどうする気だ!」
「俺が悪かった。分かったから、怒鳴るなよ」
「知らん、離れろよ馬鹿」
「ちょっ!? 待ってて、待って下さい! 置いてかないで下さい!」
勇者召喚がされる数日前から、この城内では異変が起きていた……
城内に勤める者達に謎の病が流行り、その同時期に城内が荒らされるなどの問題が発生したが……
その時期に幼い第三王女の姿が見えなくなっていた。
その事から…… 城内に不穏な噂が流れた。
実は、第三王女は亡くなっていて…… その魂が城を呪っているんじゃないか?と……
「くらえ! 浄回の力! フットスタンプ!」
そんな事は知らないので、俺は浄回スキル全開でゾンビラットを踏んでいた。
「あっ、Lvが上がった(ゴトン)…… ヒィ!?」
浄化したからか? 踏んでいたゾンビラットの姿が光の粒子になって消えると……
人の生首が落ちて転がった。
「おおおおお…… 俺の首!?」
そこには、何故か目に光が無い笑顔の俺…… の生首が転がっていた。