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領都籠城戦!!! 掃討戦だよ? 全員集合!!


「射たせるか!」


弓を構えてた小人を狙撃で射ち、その手前の杖持ちの小人に照準を合わせ…… さらに射つ。


頭に浮かぶマップに合わせ…… 遠距離攻撃持ちの敵…… の〝駒〟を優先的に狙う。


「後は……」


領都の防衛隊は…… 頑張った様で、襲撃していた魔物217匹…… その内の76匹は倒した様だ。


「遠距離の魔導具を持ったのは…… 残り……」


アギャア!? 杖を持った小人が倒れる。


「今ので最後か? 次は数で来るぞ!」


遠距離攻撃の魔物を優先的に倒したからか? 魔物達の標的が…… 領都から俺達に変わった様だ。


「みんなは、近付く奴を狙え!」


ブゥオォォォン!!! 雄叫びを響かせて、豚頭が巨体を震わせて走って来る。


「オーク…… 試すか?」


豚頭の頭に照準を合わせる…… ガガァン!!! 激しい音が鳴り響いて、豚頭のヘルムが欠ける。


「普通に射てば抜けないヘルム…… か? 材質が気になるな…… と!」


頭に合わせていた照準を足に合わせて、狙撃すると……


ブゥギャアァァァァ!!!


駆けていた豚頭は、左足が躓いた様に前に倒れて転がる。


「上半身に鎧を確認! 豚頭の足の狙え!」


俺の号令にラフディは、迫って来た凶人豚の足をショットガンで吹き飛ばした。


「奴等…… 自重で進めないぞ! 足を潰したら、次を狙え!」


足を失った凶人豚は、自身の巨体と鎧の重さで…… その場に釘付けになったので、次に迫る奴に狙いを付けた。


「小人達の本隊が動いた…… 敵が増えるぞ! 気を付けろ!」


俺達と領都の中間…… 少し小高い草原の丘に陣取る魔物達に動いたと、俺の頭にマップが表示される。


「おい…… マジかよ…… 全員、後退! ラン、でかい土壁を出せ!」


マップの中で…… オーガ?の駒が動き出して、小人達に近付くと…… 赤かった小人のマーカーが黄色に変わった。


駒のマーカーは…… 俺達は青く、敵の魔物達が赤、領都の中は緑……


オーガ?の近くの小人のマーカーが変わったって事は……


「来るぞ!」


ラフディとグリズに破壊熊の金さんが下がり、ランが土魔法の土壁(アースウォール)を、俺が植物魔法の木壁(ウッドウォール)を重て壁を建てた瞬間!?


ドガーン!!!


激しい衝撃と振動が走る……


オーガ?が…… 小人を砲弾にして、俺達に投げ付けたのだ。


「なんて威力だよ…… 土壁を貫通して、木壁に刺さってやがる」


「肉片と骨だけですけどね……」


ランの魔法の土壁を貫通した小人砲弾は、俺の魔法の木壁に…… ミンチなって突き刺さっていた。


「これじゃあ、近付くのも困難ですね…… 撤退しますか?」


「いや…… 連中は…… やらかした」


オーガ?が小人を砲弾にした後、魔物達のマーカーが変わり始めた。


「小人達が…… 逃げ出してる?」


オーガ?周辺の小人達のマーカーが…… 赤から黄色に変わり始める。


俺達とテイムした金さんやイナバは青、領都側は緑、敵対して魔物の奴等は赤、マップにマーカーで標示されていたが……


オーガ?の行動で…… 赤のマーカーから黄色のマーカーに変わる魔物が多い。


「大将の指示よりも、魔物の生存本能が勝ったな…… オーガ?の行動が引き金で、小人達の恐怖心に火が付いた…… もう止まらないぞ」


小人達の逃走が始まった。


 ・

 ・

 ・


「トアエン様! ま、魔物達が…… 逃げています!!」


「何!?」


領都の城壁にも、魔物達の動きが伝わり……


「どう言う事だ? 何が…… 奴等の本陣に何かあったか?」


「勝機です! 反撃に出ましょう!!」


「いや、逃げた魔物達は…… どっちに行った?」


「魔物ですか? 奴等は…… 領都の北、メイル山の方向に逃走しています!」


「メイル山…… 確か…… 昔、鉄鉱の坑山だったとか…… まさか、ダンジョンは其処か?」


「魔物がダンジョンへ…… 逃げ戻ったと?」


「その可能性も捨てきれない…… ダンジョンを見付けないと、今回の二の舞になりえるぞ!」


トアエンの言葉に少し考えて、騎士団長が前に出る。


「ならば、追撃とダンジョン捜索の部隊を出しましょう。トアエン様は残り、防衛を指揮して下さい」


「なるほど…… では、ダンジョン探索に強い冒険者を連れて下さい」


防衛に参加していた冒険者ギルドのギルドマスターが意見し、トアエンは……


「急ぎ馬の用意を…… 騎士団長は冒険者と協力し、逃走した魔物とダンジョンを捜索…… 騎士団の半数を連れて行け!」


「はっ! 準備ができしだい向かいます…… 副団長を残すので…… 使って下さい」


「わかった」


「ギルドマスター、南門から出る…… 急げよ」


「了解しました。失礼を」


騎士団長と冒険者ギルドマスターは、防衛本陣から飛び出した。


 ・

 ・

 ・


「うん? 領都も動くか…… 時間が無いな」


頭に浮かぶマップで……


領都側の動きを知った俺は、逃げ出す小人を追い回すオーガ?に狙いを付けて……


「銃身内の真空開始…… 電磁加速開始…… 特殊弾精製……」


強化した狙撃で、オーガ?の頭を吹き飛ばした。


グギャア!?


その一撃に…… 御輿の上にいた小人の動きが止まる。


「隙だらけだぜ…… 王手だ」


俺は…… 御輿の上の大将を狙撃した。


 ・

 ・

 ・


「これは…… 頭と魔石に魔導具を回収したのか?」


数時間後の草原の丘で…… トアエンは、魔物の本陣にいた。


「彼方に凶人豚の骸が…… 足が無く、魔石をくり抜かれていました」


「いったい何者が……」


「どうしますか?」


「この付近の残存する魔物の討伐後、騎士団長達に応援を送れ!」


「トアエン様……」


「何者か知らんが…… 助けられた。今はそれで良い…… 下手にドラゴンを見物する程、私には好奇心や権限は無いからな……」


「わかりました…… 賢明な判断だと思います」


「そうか…… それにしても、この魔物達は…… 何故、領都を目指したのか?」


「その辺りも探って見ます」


「頼む」


トアエンと副団長は、領都を見ながら魔物達とその討伐者を考えていた。


 ・

 ・

 ・


「イナバ、おつかれさま」


その頃、俺は……


魔導の杖と弓に魔石を回収に穴掘りで移動し、戦場を1番駆け回っていた……


穴掘り角兎のイナバに、スティック状に切ったお高い人参を与えていた。


「いいな……」


その様子を……


何故か? 兎の獣人のラミィとそれ以外の全員で…… 羨まし気に見ていた。



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