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領都籠城戦!! 俺は野望系より大戦系派なので……


領都の城壁に火の玉が飛び…… 人が吹き飛んだ。


「人狩り小人も魔法を使うのか?」


その様子を少し離れた場所から…… ライフルのスコープや望遠鏡と双眼鏡で見た俺は、ラフディ達に聞いた。


「普通は使いませんが……」


「あの杖、魔導具じゃないか?」


グリズが小人の持つ杖に気付いた。


「魔導具? 小人は…… 魔導具を作れるのか?」


「そんなはずは…… 奴等の武具や道具は、拾い物や奪った物を加工した…… 人から奪った物に魔導具があったのかも知れない」


「なるほど…… さて、どうする?」


俺の言葉に、皆が考える。


「領都が落ちると…… この先の旅が辛くなりますね」


「それに…… あの数ですと、追って来るかも?」


「あの数はおかしい…… 近くにダンジョンがあるかも知れない」


「「「「ダンジョン!?」」」」


ラフディの言葉に、織倉さんと里山さんにニィーナとラミィが驚きの声を上げる。


「あの小人達…… ダンジョンから出たのか?」


「そうなると、ダンジョンが溢れた事になります…… あの魔物達が領都を落としたら…… 領都がダンジョン化…… するかも知れません」


ダンジョンから出た魔物達が巣食うと…… その地がダンジョン化する事があるらしく、廃村だった場所がダンジョンになる事がよくあるらしい。


「街や村がダンジョン化すると…… 厄介なんですよ」


街や村がダンジョン化すると…… ジョブ持ち魔物の上位種が発生するらしく、その地域の魔物が強くなって危険度が飛躍的に上がるとの事……


「なるほど…… 魔物の国ができるって事か……」


「今後の事を考えると、あの魔物達を討伐するべきですが……」


ラフディとグリズは、織倉さん達を見る。


「あの魔物達には…… 織倉さん達は、腹へりの肉食獣の前に子羊を放つみたいな感じだな」


「そうですね……」


「だが…… チャンスだよな」


俺は、ゲームセレクトを操作して…… とあるゲームを選択した。


 ・

 ・

 ・


「くそ! 魔導の杖もだが、あの弓も厄介だ!」


人狩り小人達が持ち出した弓は、ダンジョンドロップの魔導具で……


領都の騎士や兵が使う弓の射程が約65メートル前後に対して、人狩り小人達の魔導の弓の射程は…… 約80メートル前後の上に命中率上昇が付与されていた。


「頭を守れ! 即死するぞ!」


その為、領都の弓兵達は狙いを付ける事ができずに…… 空へと矢を放ち続ける…… 落ちる矢が魔物に当たる事を願いながら……


「このままでは…… 矢が尽きたら最後か……」


絶望の中でトアエンは…… ふらふらと城壁の端に向かう。


「トアエン様!」


「この領都を落とす魔物…… その大将の顔を拝んでくれよう!」


城壁から頭を出したトアエンの顔に、魔導の弓を持つ小人が狙いを付けて……


ギィギャアギャア♪


ニヤリと嗤いながら弓を引いた瞬間…… ビシャ!! 弓を引いた小人は、頭が消えて血飛沫を上げると…… ドサ…… 倒れた。


その隣で、同じ様に魔導の弓を構えていた小人が動きを止めると…… ビシャ!! また頭が消えて倒れた。


「あ、頭が無い? 威力が高過ぎるのか?」


ライフルのスコープ越しに、頭が消えて倒れる小人を見た俺は呟くと……


「あ、主、お見事です!」


驚いた顔のラフディが誉める。


「弓持ちが後…… 16…… 15になった。槍持ちが来るぞ。グリズ、金さんと前に!」


1番射程がある魔導の弓持ちを狙撃しながら、グリズと破壊熊の金さんに指示を出す。


「は、はい!」


「金さん、お願い!」


俺の言葉に、グリズが前に出ると…… 里山さんも金さんに指示を出す。


「ニィーナ、グリズと金さんに魔法防御が上がる舞いを!」


「うん!」


「ラフディ、敵に幻を見せてやれ!」


「はい!」


俺達に気付いた魔物の一団が迫る中、ラフディが種族スキルの自然幻術で霧と人影を出す。


アギャ!?


俺達の方に向かっていた魔物の一団の動きが鈍った……


ドッゴーン!!!


その瞬間を狙って、ランの高威力下位魔法で密集した魔物を吹き飛ばした。


「よし、グリズ、ラフディ、左右に敵! 散弾を浴びせてやれ!」


「「はい!」」


中央を吹き飛ばされて怯んだ魔物達に、ラフディとグリズが魔導のショットガンを放つ!


「残敵を近付けるな!」


「金さん、咆哮!」


グッオォォォォォン!!!


破壊熊の金さんが咆哮を上げて、魔物達を威嚇すると……


ギャア!?


槍持ちの小人達の顔に恐怖が浮かび、動きを止める。


「今だ! 射てぇ!!!」


動きを止めた魔物達に…… 織倉さん達が魔導のハンドガンのトリガーを引いた。


「よし…… 次、杖持ちが来るぞ! グリズ、獣化して挑発しろ!」


「はい! ウガ! ガードアップからのアピール!」


熊の様な顔になったグリズ、その身体が一瞬青く光ってから黄色く光った。


アギャ! ギギャギャギャギャア!!!


離れた場所から、魔導の杖で魔法を放とうとした小人達が…… グリズの黄色の光に気付いて、グリズに狙いを付ける。


「させるか……」


魔法を放つ前に…… 俺は、小人の頭をライフルで狙撃した。


「残りは……(槍と剣持ちが7~80に、杖持ち7と…… 弓兵が5で、オークが10にオーガが4……)それに、あれが大将か?」


俺の頭に…… 戦場のマップと味方と敵の〝駒〟の配置と状態データが表示される。


戦闘を開始する前に……


俺は、ゲームを戦略シュミレーションRPGに切り換えていた。



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