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織倉さん、錬金術士から死の商人に転職する?


誤字脱字報告にいいねやご感想……


ありがとうございます。




「あ、外した」


街を出た次の日……


早朝の暗い内から俺は、街道沿いの草原でなんちゃってスナイパーライフルの試し射ちをしていた。


「う~ん…… 弾が軽すぎるのかな? 横風があると流される」


約100メートル先にいた…… ダッシュボアが走り去るのを確認して、俺は試し射ちを止めた。


「そろそろ姫様の魔力譲渡の時間だし…… 後で改良だな」


この世界での朝の日課をする為、俺はベビールームに向かった。


 ・

 ・

 ・


「そのライフルって、すごいですね」


「そうか?」


「確かにすごいわね……」


ラフディ達が、なんちゃってスナイパーライフルを誉める理由は、里山さんと織倉さんが説明してくれた。


この世界での遠距離攻撃と言えば、魔法か弓矢が一般的な方法なのだが……


その射程は、一般的な魔法が20から30メートル前後で、一般的な弓矢も70から80メートル前後らしい。


たまたま条件が良くて、約100メートルの狙撃をした…… 武器を初めて見るらしい。


「そうなの?」


「それ以上になると、中級とか中位とか上級とか上位魔法て言われるみたい」


「一般的に使える魔法は、低位とか下級ですからね」


「その呼び方の違いは?」


「種族やスキル名の違いだったと思います」


「そう言う違いなんだ……」


「それに中位とか中級からは、発動に時間がかかるみたいですよ」


「そうなの?」


俺…… 魔法の平均Lv5以上なんだけど…… 発動に時間がかから無いけど…… 魔法のLv上限も99とか、なのか?


「しかし、鉄砲ですか…… 私も欲しいですね」


「それ…… 火薬じゃないから、風系魔法が使えないと無理だぞ」


「そんな……」


俺の言葉に、ラフディ達獣人奴隷組がガッカリする中……


「火薬…… 織倉さんなら作れません?」


「わ、私がですか?」


「錬金術士ですよね?」


「あ、錬金術…… 使った処、見た事無いな……」


里山さんの言葉に、織倉さんが錬金術士だった事を思い出したが…… 使う処を見てないので、本当か怪しいと思った処……


「な、何です! その疑いの目は!?」


「いや…… べつに……」


「私のスキルを疑ってますね? いいでしょう…… 火薬、私が作って見せます!」


と、織倉さんが言い放った。


 ・

 ・

 ・


「で、何で土下座?」


織倉さんが俺に……


「私に…… 実験室を下さい!」


と、言った。


「仕方ない…… 貸しだからね」


ショッピングから倉庫タイプの鍵(魔石ポイント50)を…… マスターとスペアの2つ買った。


 ・

 ・

 ・


「それで…… これ?」


魔物車の中で……


俺達の前には、3丁の黒光りする(ぶつ)が並ぶ……


「これ…… 刑事ドラマで見たヤツ……」


俺と織倉さんが用意したのは…… 日本の警察官が使用しているリボルバータイプのハンドガンが1丁、猟銃タイプの散弾銃が1丁、有名な殺し屋が愛用してそうなスナイパーライフルを1丁用意した。


「スナイパーライフル以外なら、みんなが使えますよ」


「スナイパーライフル以外? これ…… 弾は?」


「実は…… これ、魔法のストーンボールを使う為の魔導具なんです」


「「「「「魔導具?」」」」」


織倉さんは、地道に錬金術と鑑定系スキルの経験値を上げていたので……


ちょっと狩りに連れ出したら、魔導具鑑定のスキルを覚えた。


その後は、俺が姫様の塔と盗賊のアジトから回収した物から魔導具を探し、鑑定して魔法を射ち出す杖を発見! すぐに構造を解析したら……


「属性魔石から魔法を使ってる」


刻まれた模様が持ち主の魔力を少し使い、魔石の属性から使える魔法を射ち出す事が判明。


その原理を利用して…… 弾丸サイズのストーンボールを出す模様を作った。


その後は、俺が姫様の塔で回収した〝砂鉄〟を材料にして…… ショッピングから買ったモデルガンを型に、織倉さんが錬金術でパーツを精製して組み上げた。


「ハンドガンは、ストーンボールの精製と飛ばす為のエアショットが付与されてます。ショットガンは、サンドストーン精製にエアバーストですね。射程は、ハンドガンが約40メートル前後で…… ショットガンは約35メートル前後でした」


「試したんだ…… スナイパーライフルは?」


「これは…… 私には使えないですね。弾丸が土属性だけだと…… 約50メートル前後で弾丸が消失してしまいますし、飛距離を出すのも風属性だけだとちょっと……」


「じゃあ…… 誰も使えないの?」


「ええ、彼以外には……」


「「「「「彼?」」」」」


織倉さんの目線に合わせて、みんなが俺を見る。


「それ…… 俺の専用」


 ・

 ・

 ・


「距離は…… 300かな?」


スコープから鳥を見て…… 狙いを付ける……


「弾丸精製…… 銃身内の真空化と電磁加速開始…… ロック解錠……」


上空を飛ぶ鳥の頭に照準を合わせ…… トリガーを引いた。


織倉さんと作業している内に覚えた金属魔法の弾丸が、鳥の頭を吹き飛ばして鳥の胴体が落ちて来た。


「う~ん…… 発砲音がちょっと五月蝿いね」


風魔法と雷魔法に金属魔法が無いと使えない…… 不良品魔導具な…… 俺専用の真空レールガンなスナイパーライフルができてしまった。


「織倉さんと君だけで…… 戦争ができそうですね」


唖然とした顔の里山さんは、そう呟くが……


「その気なら、織倉さんだけでもできますよ」


と、俺が答えると……


「いやいやいや…… 絶対に無理です!!!」


と、織倉さんが激しく反論した。


いや、魔導の杖とハンドガンとショットガンを量産したら…… 織倉さん、マジで戦争できると思うよ……


俺とラフディ達は、無言で頷き合うのだった。



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