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ようやく着いた街のギルドで…… 3


あの…… これは、どうゆう状態なんだろう?


「すいやせん! 兄貴、許して下せい!!」


俺達の目の前で、筋肉の塊の様な男が…… 一見すると女性の様な線の細いイケメンにボコボコにされてる。


「僕は…… 言ったよね? 新規登録の邪魔をするなって?」


「あ、こめかみにフック…… ふらついたところにアッパー……」


「あれじゃあ…… 答えられないのでは?」


「うわぁ…… ボディに信じられない音のブローが連続で……」


倒れる事ができずに筋肉の塊の様な男は…… ボコボコと滅多打ちになっていて、ニィーナとラミィはあまりの速さに首を激しく左右にしている。


「首を痛めるから無理に追わなくていい」


「おっと! これは失礼…… 冒険者ギルドに何用かな?」


「俺達6人の登録に来たのですが……」


「冒険者登録ですか…… 此方にどうぞ」


「あの……」


「何か?」


「大丈夫…… なんですか?」


俺は、イケメンが引き摺る筋肉の塊を指さす。


「後で、水でもかければ起きるので…… 大丈夫ですよ」


イケメンがニッコリと微笑むと、カウンター越しに座る。


「新規の登録でしょうか?」


「全員そうです」


「そちらは…… 奴隷の方も登録でしょうか?」


「お願いします」


「では、此方に必要な…… 名前とジョブに出身地を記入して下さい」


「あの…… 代筆しても?」


「はい、かまいませんよ」


「孤児なのですが…… 出身地は必要ですか?」


「わからないならば、名前以外は記入しなくても大丈夫です」


「それって、大丈夫なんですか?」


「君達くらいの年齢だと、自分のジョブが不明な事とか旅暮らしで出身がわからないとか…… 多いんですよ」


「なるほど…… ヨミと」


「記入したら、名前の横に血判を押して下さい」


「「「「はい」」」」「「うん」」


書いた物をイケメンさんに渡すと……


「そちらの2人も、冒険者登録でよろしいのですか?」


ニィーナとラミィを見て、見習い登録じゃないのか?と確認されたので……


「冒険者登録で、お願いします」


と答える。


「わかりました。全員登録で…… 銅貨30枚か銀貨3枚ですね」


「銅貨20枚に銀貨1枚で良いですか?」


「良いですよ。はい、確かに…… これで今日からGランクの冒険者です」


商人ギルドと同じ様に、書いた物を水晶に当てると…… イケメンさんが、小さなプレートを人数分差し出す。


「これが冒険者登録の証明になります。再発行には銀貨1枚…… Dランクからは金貨1枚になるから、無くさない様に気を付けて下さい」


「「「「はい」」」」「「うん」」


「次に冒険者の規約ですが…… これは犯罪を起こさなければ基本的に自由です。ランクを上げたければ依頼を多く達成して下さい。ただし…… 失敗したら罰則として違約金が発生しますので、無理に依頼を受けない様に気を付けて下さい」


「わかりました」


「それから…… 最近、若い冒険者の行方がわからない事が増えています。気を付けて下さい」


「若い冒険者の行方がですか?」


「ええ…… ただの移動だと良いのですが」


「ランクが低くても…… 移動は可能ですか?」


「冒険者は自由ですから、街や村への移動は可能ですよ。ただし、護衛の依頼や国越えにはDランク以上の冒険者やパーティが条件になります」


「パーティにもランクがあるんですか?」


「はい、パーティメンバーの内2人が上位ランクならパーティもそのランクに、全員が同じランクなら1ランク上のランクになりますが…… 希に1人が高ランクで他のメンバーがGランクの場合などで、中間のDランクとかのパーティもいますので…… 揉めない様に気を付けて下さい」


「ランク外の実力者もいると?」


「元高ランク傭兵から冒険者になったり、元騎士団長とか…… 冒険者の経歴は様々ですから」


「わかりました…… 気を付けます。ところで」


「なんでしょう?」


「解体してない魔物の買い取りを頼みたいのですが……」


「魔物の買い取りですね? 仕事です、起きなさい」


イケメンさんは魔法で、ボコボコにした筋肉の塊の様な男に水を被せた。


「いてぇ!?」


「魔物の買い取りです。はやく解体の用意を」


「ヒイィ!? ぼ、坊主供、魔物を出せ」


「けっこうありますけど?」


「はん! どうせ…… その背負い袋の中にラットが2~3匹だろう」


「良いんですか?」


「良いと言っているので、どうぞ。責任はとらせますから」


「では……」


俺は、収納スキルから森を出るまでに倒した…… 大型の熊や鹿や蜥蜴など魔物を取り出す。


「ヒイィィィ!? は、破壊熊だ!!」


熊を見て、筋肉の塊の様な男が悲鳴を上げた。


「これは…… 君達で倒したのですか?」


「ええまぁ…… 大変でしたが」


「なるほど…… 何時まで放置しているんです? はやく解体場に運びなさい」


「あ、兄貴……」


「たく…… だから、新規の冒険者に偉ぶるなと教えたでしょう。見習いの時に破壊熊に襲われて、冒険者から解体士になった貴方と彼等では格が違うのです。ちょっとお待ち下さい」


イケメンさんがそう言っては…… 熊を軽々と肩に担ぎ上げて、筋肉の塊の様な男を引き摺りカウンターの奥へ……


「他の魔物もすぐに運びますね。それと君達のランクをDランク上げますので、冒険者の証を交換すのでお待ち下さい」


大型の魔物を軽々と次々運びながら……


イケメンさんは、そう言って微笑んだ。



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