増えたユニークスキルの検証と可能性。
「ふむ…… 偵察役が2人に近距離中距離の攻撃役が5人、盾役が1人…… 遠距離攻撃が1人か?」
パーティの戦力を考えると、回復役と遠距離攻撃役を増やしたいが……
「パーティが組めるのは……」
「最大5人だと言われています」
「5人か…… 魔法を覚える方法を知ってる?」
「魔法ですか?」
「俺達、獣人は魔法が使えないと言われています…… 使えても、生活魔法がやっとだと……」
「う~ん…… 種族適性の問題か?」
「獣人の中でも、生活魔法を使える種族は少ないです。俺達、熊の獣人は身体が大きくなり力が強くなりますが…… 魔法を使えた者は…… 聞いた事がありません」
「ふむ…… 獣人の中でも適性が別れるのか……」
ステータスでも、ラフディやニィーナとラミィよりもグリズの魔力は少ない……
「そのぶん…… 体力と力と生命力とかが高いけどな」
ラフディとニィーナにラミィよりは、素早さが少し低いけど…… タンク役の重戦士系なら、理想的なステータスかも知れない。
「魔法が使える獣人として有名なのは、狐の獣人達が有名ですね。火の魔法が使えて、昔話では天気も変えられたとか」
「狐の…… 獣の魔物はどうだ? 魔法を使う奴はいないのか?」
「魔物で…… この辺りなら、穴掘り角兎と風切り烏が有名ですね」
「穴掘り角兎は土魔法で地面に穴を掘り潜ります。何も気付かずにその上を通ると…… 額の角に串刺しにされます」
「風切り烏は風魔法を使え、切られたり吹き飛ばされるので…… 集団に遭遇したら逃げた方が良いです」
「中々に危険だな…… そんなのがいたら道中は大変だろう?」
「魔法で整備された街道なら、基本的には安全ですね。魔物は魔力に敏感と言われていて、基本的に魔法を察知したら逃げますから…… 整備された街道は魔法で整地してるので、平時なら魔物は避けます」
「平時なら?」
「あの破壊熊の様に狂化したり、ダンジョンから溢れた魔物は例外ですね。後、魔物使いなどに使役された魔物は整備された街道も平気です。だからか…… 希に上位の魔物に使役された魔物が街道に出る事があるので…… 街道でも、ある程度の警戒は必要ですけどね」
商人経験があるラフディの言葉に、グリズも深く頷くので…… やはりこの世界は危険だなと実感した。
「獣人以外は? どう魔法を覚えるとか、聞いた事は無いか?」
「すみません…… 俺がいたのは、獣人の街でしたので……」
「俺は村です。獣人しかいない……」
ニィーナとラミィは、旅暮らしだったので知らないと答えた。
「う~ん…… 魔物も魔法を使うなら、やはり回復手段が欲しいな」
俺の浄回スキルでも回復できるが…… 条件がアレなので、俺以外の魔法とか回復役が欲しい。
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「で、私ですか?」
俺は、パーティメンバー系のユニークスキルも検証する為に…… 織倉さんをパーティに入れ、戦闘して見る事にした。
「私…… 錬金術士ですけど……」
「投擲スキルを覚えたら、攻撃と回復できるかもよ? Lvが上がれば…… ポーション作れるかもだし」
「うっ、頑張るので…… ちゃんと守って下さい」
「グリズ、頼むね?」
「はい」
「あの…… ニィーナは?」
「ニィーナは…… ちょっと休憩って事で、安全な場所にいるよ」
パーティメンバーを入れ換える為に…… 織倉さんと入れ換えで、ニィーナをベビールームに置いて来た。
「今回は、織倉さんのLv上げが優先…… ラフディとラミィの索敵が頼りだからね」
ラフディ達のサブジョブ条件の解放もだが、スキルの取得率やLvアップの効率も知りたいので…… 当分は、ニィーナと織倉さん達を入れ換えてのレベリングになる……
「安全の為にも…… 先手必勝だからな」
ラフディとラミィの臭いと音の索敵は外せないし、護衛役にグリズも外せない。
(ニィーナ、ごめん……)
後で、ニィーナに何かしてやろうと思いながら…… 心の中で手を合わせた。
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「あ、織倉さんに魔物鑑定スキルが付いた」
「マジですか!?」
パーティを組んだら、織倉さんのユニークスキル【真偽眼】がある知ったので……
魔物に使う様に指示して、雑食鼠と言う大型犬サイズのネズミを3体倒したら…… 織倉さんに鑑定系スキルが増えた。
「魔物に真偽眼を使っただけなのに…… 魔物に使うと魔物鑑定…… なら、人に使ったら?」
「はいはい、人の前に薬物鑑定とか武具鑑定を増やそうね…… その草を真偽眼で見て」
「確かに…… 錬金術に必要そうですね」
「魔物鑑定もしながら薬草とかも捜すと…… スキルになるかもね?」
「頑張ります!」
その後…… 織倉さんに【植物鑑定】【鉱物鑑定】【採取】【採掘】【投擲】のスキルが増えた頃に、ラフディとグリズにラミィの種族Lv20以上の奴隷Lvが15以上になり、サブジョブの条件が解放された。
「主、身体に違和感があるのですが……」
「俺もです」
「わ、私も……」
ラフディ達が身体に違和感を訴えた時……
[【名無し】の奴隷……【ラフディ】【グリズ】【ラミィ】の種族Lvと職業Lvが条件を満たしました…… 種族スキルとサブジョブを選んで下さい]
と、俺の目に標示された。




