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小動物&子供は可愛い…… だから、異世界でも狙われる。


「檻に…… これは…… 奴隷にされたか?」


裸にされた俺の首には…… 金属の首輪がはめられていた。


(持ち物と服は盗られたか…… さて、此処は何処だ?)


首に付いた金属の輪を確めながら、檻の中を見渡す……


「うん?」


薄暗い中で光る点が複数…… どうやら先客がいた様だ。


「や、やぁ…… 今日は」


とりあえず声をかけてみるが…… 返事が無い。


「あの……」


さらに声をかけるが…… やはり返事が無い。


「う~ん…… あの大丈「うるせぇなぁ! 黙りやがれ!!」(ブーブー、ブーブー)ぐぅ!?」


何とか会話をしようとしたら、大人の男の怒鳴り声がした瞬間に…… 頭の中に警戒音が鳴り響いて俺の首輪が絞まる。


「どうだ? 苦しいか? その首輪はなぁ、飼い主に逆らったら絞まる様にできてる。つまりお前は、俺に逆らったら死ぬんだ。わかったか? わかったら黙りやがれ!」


「ぐぅ…… がぁ……(締まって死ぬ…… 死んだら…… 首輪はどうなる?)がはぁ……(確めるか……)ウオォ!?」


「ば!? 黙れ! はやく黙れ馬鹿野郎!! 死ぬぞ!!!」


「がはぁ!?(あ、喉が潰れた…… 死んだな……)」


感覚で死んだと感じた時、俺の身体の力が抜けて倒れたら…… カラン…… 金属音を立てて首輪が外れた。


「チッ、死にやがった…… 高く売れそうな上玉だったのによ。くそ…… 親分になんて言えば良いんだよ」


ぼやきながら檻の鍵を開ける音したので、俺はLvアップした収納スキルに首輪を隠して収納した。


「たく…… くそが、王都の変態に高く売れる面だったのによ…… お前等、動くなよ。え~っと…… 首輪は何処だ?」


薄暗い檻の中で、男が首輪を捜す為にしゃがみ込んだので……


「ふん!」グシャ……


バールを後頭部に振り下ろすと…… 生々しい感触が手に伝わった。


「くそ…… 童貞捨てちぃまった……」


人を殺した感触に…… 吐き気を呑み込みながら、男の死骸を収納した。


「苦…… ふう…… とりあえず、着替えるか……」


収納からお菓子袋を取り出して、眠気覚まし用のブラックコーヒーキャンディを一粒口にし、深呼吸……


異世界に来た時の服を取り出して、俺は着替えた。


「さて…… 君達はどうする?」


檻を開けた男を殺した俺は…… 檻の奥にいる瞳に問いかけた。


「来るのかい?」


薄暗い檻の奥から現れたのは、4人の子供だったが……


「あ、耳……」


その頭には…… 人とは違う耳が生えていた。


「獣人の子供だったのか……」


その首には、締め付けられた後がはっきりと見える。


「飼い主が死んだ…… 俺達はあんたの物になる」


「どう言う事だ?」


たぶん犬系の獣人の男の子が前に出て話す。


俺が殺したのは、この子達の飼い主(仮)で…… 彼等は正式な奴隷では無く、違法な奴隷狩りなどで奴隷にされたり盗賊に捕まったりしたなどなどの…… いわゆる闇奴隷と言われる物で、その場合…… 所有権が違法な飼い主を倒した者に移るらしい。


「たいていは…… 盗賊を倒した騎士や冒険者に…… なんだけど……」


わかるぞわかる…… 見るからに自分よりも年下の子供だから戸惑うよな?


「理由はわかったが…… 首輪は大丈夫なのか?」


「印がある処にあんたの血を付けてくれ。それで契約が変更される」


「変更しないとどうなる?」


「明日には、俺達は死ぬ」


「おいおい…… こう言ったらなんだが…… 一応、商品なんだろう?」


「この盗賊達のボスは、金と女と酒にしか興味が無い奴だ。俺達が死のうが生きようがどうでもいいが、その手下達は闇奴隷は金になると…… 売り捌いてるのさ」


「なるほど、だから手下が飼い主なのか……」


「どの道、今逃げないと明日には…… 王都の闇市で売られるから」


「明日には王都…… 此処は何処だ?」


「王都の東にある伯爵領との境の森だ。王都からの川の近くで、明日に貨物船で王都に運び込まれる」


「東の伯爵領…… 王都に近いのに討伐されないのか?」


「俺が捕まる少し前からの話だが…… 伯爵と盗賊達がグルらしい」


犬系の男の子の話では…… 伯爵領では盗賊達の被害は伯爵に反抗的な地域に集中、さらに被害は他領から商人達に多いらしい。


「それって…… 伯爵側が情報を流してるんじゃあ……」


「たぶん…… そうです。俺は…… 他領の商人の下働きでしたが、立ち寄った伯爵領の街を出た時の…… 兵士のニヤケ顔が忘れられません……」


商人の取引で行商に来たら、盗賊に殺られたとの事……


「旦那様達は…… 盗賊の奴等に皆殺しに……」


あ、うん、この盗賊達はゴミクズだと判明しました。


「うん、わかった…… いったん、君達の主になるよ」


指先を小さく傷付けて…… 4人の首輪の印に血を付ける。


「うっ、く…… ありがとう…… ございます……」


最後の子の首輪に血を付けると…… その子は、垂れた白いうさミミを揺らして頭を下げる。


4人は、最初に話した歳上に見える犬系の男の子【ラフディ】と、ラフディと同じくらいに見える熊の獣人の男の子【グリズ】。


5歳くらいの黒猫と白兎の獣人の女の子の【ニィーナ】と【ラミィ】。


「さあ…… 行こうか?」


先ずは脱出する為に…… 奪われた装備とマスターキーを捜す事にした。



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