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俺、無免でバイクを乗り回す♪


「君は…… この辺りにはいない顔立ちだが…… その、愛らしくて美しい顔をしていたのだな……」


あらためて俺の顔を見たメイドさんは、まじまじと見た後に…… 頬を紅くして言う。


「ですよね?ですよね?」


「可愛いですね? 可愛いですよね?」


「いや可愛いが…… どうした? お前達、なんか恐いぞ」


「だって! この顔で真剣に見つめられたんですよ!!」


「私なんて…… 恥ずかし気に顔を真っ赤して…… 身体を舐めてもらえました! ペロペロと!!!」


「子供達の前で変な事を言うな!!!」


「「い~やん♥ 怒った顔も良い~♥」」


「おほん、まぁ…… なんだ…… 君は、顔を隠した方が良いぞ。うん」


俺の顔には…… 魅了の呪いでもあるみたいだ。


 ・

 ・

 ・


「この辺なら…… 大丈夫そうだな」


現地の旅人スタイルに着替えた俺は…… 街道に出てゲームセレクトを開始。


「タイトルはカートなのに…… バイクもある配管工のレースゲーにしよう」


ゲーム選択で、有名なレースゲームを選択してチェンジする。


「マシンは、出ないか…… 仕方が無い…… 買うか」


ショッピングから、ミニサイズのオフロードバイクを選択して買う。


「さて、バイク処か…… 車の免許も取った事が無いけど…… よし、わかるぞ!」


バイクに股がると…… 選んだゲームのおかげか?バイクの操作方法が頭に浮かぶ。


「後は…… 実戦あるのみ!」


俺は、バイクのアクセルを全開にした。


 ・

 ・

 ・


「くっ、ゲームと現実は違うな……」


バイクを5回壊して、4回死にました。


「残機が…… 40ちょっと…… 魔石ポイントも少なくなったし、慎重に行こう」


ようやく掴んだ感覚で、バイクを起こしてゆっくりとアクセルを吹かす……


「よっと…… さあ、行くか」


ダッシュボアのヘルムを被り、東の辺境にハンドルを向けた。


 ・

 ・

 ・


「あの顔は…… なんと言うか…… ズルいな?」


「反則的な愛らしいですよね?」


「凛々しくて可愛いなんて…… 最強無敵ですよ!!」


ベビールームの隅で…… メイドさんと織倉さんと実習生の人が話し込んでいた。


「あの青みかかった黒髪に…… 神秘的な藍色の目…… とても綺麗だった」


「和洋の良いとこ取りって感じですよね…… 東洋と西洋のハーフ美少女ってあんな感じなのかな?」


「東洋と西洋がわからないが…… フードの下にあの顔を隠していたなら、ミナ姫様の反応にも納得いった…… 口調と立ち回りから男だと思っていたが、ミナ姫様からはフードの下からあの顔が見えていたのだな……」


「私もわかります! 助けてくれた上にあの顔は…… もう~キュンキュンですよね?」


「あんな感じの子がいたら…… 日本でも事案になるわね」


「あの子の通学路とか、不審者が増えそうですよね……」


「それ以前に同級生の性癖に…… 影響しそう」


「プールの授業とか…… ヤバイですね」


「ふむ…… やはり顔を隠すべきだな。余計な問題を引き寄せそうだ」


「そうですが……」


「どうした?」


「いや…… 私は見たいな~って…… ダメですかね?」


「私も見た~い!! あなたはどうですか?」


「…… 見たいな……」


「ですよね?ですよね?」


俺の顔の事で、3人が騒いでいる頃……


 ・

 ・

 ・


「まぁ…… こうなるよな?」


横転したバイクに刺さる矢…… そして、俺の身体にも数本刺さっている。


「盗賊って奴か…… バイクは…… スクラップか?」


遠くから地響きが近付いて来る……


(これは馬かな?)


ヒュンと音がして、俺の近くに矢が刺さる。


(バイクとか無い世界なら欲しがるかもだが……)


矢を避ける様に転がり、横転したバイクを盾にした。


「お目当ては…… 廃車だぜ」


盗賊の矢でボディは蜂の巣になり、横転で車輪とハンドルが折れ曲がったバイクの影から様子を伺う……


「チッ…… 意外に大規模な盗賊だな」


迫って来る馬の数が多いので、ベビールームに避難しようとしたが……


「あ、(ヤベぇ…… 身体が痺れる…… 麻痺毒か?)」


マスターキーを出そうとしたが、身体が痙攣して動けない。


「ち、き!?」


痙攣で倒れた俺の頭に衝撃が走る…… 投石をくらった様だ。


そして……


そのまま俺は、意識を失った。


 ・

 ・

 ・


「いっ、てぇ…… 此処は?」


気付いた俺は…… 裸で檻の中にいた。



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