おっさん、御詫び&報酬として…… 遺産(自分の)としての5億の宝くじと新たな生を貰う
(順番でスキル選ぶって…… 運動できない奴が格闘系スキルとか選んだら、自爆しそうだな)
「そうなんですよ! 運動が苦手と言いながら特殊格闘系スキルを取るし、見るからに身体を鍛えているのに上位系魔法スキルを独占するしで大変でして……」
(あっ…… 基本的に命の殺り取りが無い現代日本の一般人じゃあ詰んでないか?)
「えっ? 槍や弓に片手剣で戦闘している民族じゃないんですか?」
(槍や弓に片手剣…… その知識は何時のだ?)
「え~っとですね…… あなた達の世界で5~600年前くらいですかね?」
(5…… 戦国時代頃か? 今の時代だと殺し合いは違法だから、基本的に戦わないぞ)
「本当ですか!?」
(本当の事だ…… 一般人だったら殺し殺されは、今の日本では基本的に少ない)
「基本的に?」
(何処の世界にも理不尽な事があるだろう? 金が無いと通り魔とか強盗とかが増えたりするんだよ)
「何処の世界も、不平不満は尽きる事が無いのですね……」
(そんなもんだろう? ところで…… 俺は、どうなるんですか?)
「ああ! 弄られたとは言え、我々の勇者召喚に巻き込まれたのは申し訳無く…… 何か御詫びをしたいのですが……」
(御詫び?)
「ええ、何か望みは無いですか?」
(望み…… 願い…… そう言えば…… 死ぬ前に買った宝くじ…… 一等当選で両親に届けて貰えますか?)
「可能です。ついでに気付く様に、あなたの夢を見せて確認する様に誘導しますね」
(ありがとうございます!)
「それで…… ですね? 他に望み…… 例えば、転生とかしませんか?」
(転生…… ですか?)
「ええ、残念ながらあなたの身体は死んでいるので、このままだとあなたの上半身の死体が召喚されてしまいます…… そうなるとですね……」
(ああ…… いきなり知らない場所におっさんの…… しかも腹からバッサリの惨殺死体…… パニックになるよな)
「はい…… しかも同僚のやらかしで、ちょっと危険な子がいるんですけど…… その子の事の報酬って事で、どうでしょうか?」
(報酬…… 転生した時のスキルって、どんなのですか?)
「同僚のせいで勇者召喚用のスキルは残っていないので、転生時に危険な子に必要そうな二つのスキルと、あなたの新たな身体に合わせたスキルが付与される様にします。どうですか?」
(う~ん…… ちなみに、その危険な子って……)
「勇者召喚時に、あなたのすぐ側にいた子です」
(あの子供か…… 5億の遺産も用意して貰ったし、新たな人生も良いか…… 転生します)