表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/67

侍女見習いの正体は…… 召喚された者と転生した者の初遭遇?


(子供…… の不審者?)


現代日本の不審者的な服装で、バールを持った子供がいる。


「ヤバっ!」


(あっ、逃げた!)


急に廊下の角に向かい走り出したので、真偽眼に気になる事が見えたから追い掛ける。


(何あれ?【マイホームマスターキー】…… 空間が…… 揺らいでる!?)


角を曲がった処で…… 不審者が空間に鍵を差し込んでいた。


「(えい!)逃がすか!」


「ぐえ!?」


不審者の背中に…… 突き刺す様にプロレスのスピアタックルをかました。


 ・

 ・

 ・


「な、何…… 此処?」


俺の上で…… 女子高生?がベビールームに驚く。


(あ、残機が減った。女子高生?の体当りで死ぬとは…… 俺は何処ぞの探検家か!?)


すぐ死ぬと評判のレトロゲーキャラクターが…… 頭に浮かんだ。


(ちょっとの段差やコウモリの糞よりは…… 死ぬ確率があるか? うん? コウモリの糞にはヤバイ病原菌がいるって聞いた様な…… 転んで死ぬ人も多いって聞くよな…… なら、あのキャラクターはリアル仕様だったのか?)


心の中ですぐ死ぬ冒険家に敬礼していたら……


「あー! いた!」


俺の上の女子高生?は、天使っ子に哺乳瓶を咥えさせて固まる侍女見習いの子を指差し、大声を上げる。


「此処にいたの! 大丈夫だった? もう一人の子は?」


「え、あ、そ、そこに……」


「そこに?」


「あう、あい?」


女子高生?の下敷きになっている俺を…… 悪魔っ子がペチペチと叩く。


「騎士に捨てられた子!」


俺の背中に馬乗りのまま女子高生?が驚く…… いい加減降りてくれないかな?


「処で…… 貴様、何者だ」


「え? あ……」


何時の間にか…… メイドさんが女子高生?に槍を突き付けていた。


(だから、俺の上から降りてからにしてくれ!)


俺に馬乗りしたまま…… 突然のピンチに女子高生?が固まる。


部屋には、ペチペチと悪魔っ子が俺を叩く音だけが響いた。


 ・

 ・

 ・


「なるほど…… 召喚された者の1人か」


「はい…… あの……」


「何だ?」


「その子も…… ですよね?」


「何? そうなのか!?」


召喚された女子高生の織倉(おりくら) 紗智(さち)さんは、高校2年の16歳で夏休みの校外学修中に召喚されたと話してくれました。


「で、その時に喜原くんが突き飛ばしたのが…… その子です」


その話の流れで侍女見習いの子が、俺の助けた子供だと判明しました。


「侍女見習いも召喚された者だったのか……」


「あの……」


「どうした?」


「それで…… この子は何者なんですか? あの時、私達の近くにいたのは2人…… 1人はその子です。でも、もう1人は…… 大人の男の人でした。それに…… 転生者って……」


「「え?」」


(え、今、転生者って…… 言った? 何で? あ!)


「鑑定…… スキル持ち……」


メイドさんも気付いた様だ。


たぶん…… 織倉さんは、鑑定系か鑑定ができるユニークスキル持ちだ。


「確かに、俺は転生者だよ…… 君達の勇者召喚に巻き込まれた大人の男が俺。あの召喚で、腹から真っ二つにされたんだよね…… 俺」


「え…… 真っ二つって……」


「俺…… あっちの世界に下半身を置いた状態で召喚されて…… 1度、死んだんだよ」


「「ええ!?」」


織倉さんと侍女見習いの子が驚く…… こらこら、見習いの子…… 自由神様と話した時に君もいたでしょうが?


「あの時は…… 頭がぼーっとしていて……」


魔力暴走しかけていたから、熱にうなされて覚えていない様だ。


「あの…… もしかして、此処って…… あなたのスキルですか?」


「そうなるかな? 説明できないけど!?」


話終わる前に…… 俺は、織倉さんに押し倒された。


「私も! 私も此処に住ませて下さい!…… て、死んでる!?」


押し倒された勢いで、棚に後頭部を強打した俺は……


本日、4度目の死を体感しました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ