勇者召喚で…… おっさん、上半身/下半身になる!?
「ちょっと…… いきなり死んでるんですけど?」
頭の上から少女の声がした。
(死んでる…… ゲームでもしているのか? あれ…… 俺、倒れてるのか?)
声のする方に頭を向け様としてみるけど、身体がいうことをきかない…… どうしたものかと考えていると、少女がさらに呟く。
「しかも、お腹から下が無いし…… これって…… お腹から下は、彼方の世界に置き去りになってるパターンですか? ヤバイじゃん!」
(お腹から下が無い? どういう事だ? 何を言っているんだ?)
「ああ…… 聞こえていると思うけど、あなたは…… 勇者召喚に巻き込まれて…… 召喚にお腹から下が魔法陣から外に出ていたから、空間転移の座標がずれて…… お腹から上だけ召喚されました。このままだと身体から魂が離れてしまい、あなたという人間では無くなってしまいます」
(俺では無くなる? すでに死んでるのに?)
「この空間は、とある星にあなた達の様な転移や転生する者が通る入国管理や検疫みたいな所です。本来ならば、あなたの様な召喚や転移する者達には、あちら側の言語知識やその人物に合うスキル等が付与されるのですが…… 不敬にも、上位管理者の勇者召喚用召喚魔法陣を書き換えて召喚された様ですね」
(上位管理者? 書き換えた?)
「本来、勇者として召喚される者達と部外者を守る為に、勇者達だけがいる時に勇者達の世界の時間を停止して召喚するのですが…… 莫大な召喚の使用魔力をケチた様ですね? おまけに召喚された者に隷属を付与する魔物召喚の魔法陣を上書きしたから、スキル付与に弊害が出て…… 私の元同僚が馬鹿をやらかしました」
(やらかし…… どうことを?)
「今回の転移者に…… くじ引きで順番決め、スキルを好きに取らせたのです」




