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召喚された女学生は…… 城の中で不審者を見る。


「ねぇ、身体拭かないの?」


金属の水瓶から洗面器にお湯を移しながら、教育実習生の先生が聞いてきたので……


「肌寒いですし、知らない場所で服を脱ぐのは…… ちょっと(そこら中から、監視の魔導具?って表示が見えてるんだよね……)」


「そう…… 私も顔と手足くらいにして措くわ」


「あ、私もそうします」


寝床に案内されたりしている内に夜になったから、詳しい話は明日にって事になりました。


どうやら、お風呂の文化が無いのかも知れない様で…… 騎士団の食堂で夕食を食べたら、部屋にお湯が入った水瓶と空の水瓶に洗面器と手拭いの様な布が運ばれていました。


「男子と江藤君に喜原君、添島さんは大丈夫でしょうか?」


教育実習生の先生が心配しているのは、別の部屋にいる男子4人と…… 剣聖スキルの勇者認定された江藤くん?に高位の魔法スキルが多くて、賢者認定された喜原くん?と聖魔法スキルから聖女認定された添島さんの3人だ。


勇者と賢者に聖女の3人は、特殊だからと偉そうな魔法使いの男が連れて行った。


(男子は…… 爽やかイケメンの九重くんとその友人3人だから、初日で問題は起きないと思うけど…… 連れて行かれた3人の事は、わからないし…… 今問題なのは、この部屋の女子4人だ)


添島さんの友人グループ4人…… 私の友人は別のクラスで、部活の合宿と大会で今回は不参加だった。


(最新式の工業ロボットに引かれなければ……)


私は人よりも知識欲が高いらしく…… 今回も、最新式の工業ロボットと復興した街が見たくて参加した。


(その結果…… 仲良しグループに入れられたけど)


1日…… たった1日だけ…… その1日だけ、1人で工場見学ツアーに来たと思えばと参加したのだけど……


(まさかの異世界…… これなら1人の方が良かったかも……)


私は人よりも知識欲が高いけど…… それは興味がある物だけで、クラスの事はあまり興味が無かった。


しかし……


「ちょっと、あなた…… どう言うつもり?」


校外学修の参加者が分かった時に、添島さんとこの部屋いる4人に呼び出された。


「どう言う…… 何がですか?」


「何時も本を読んでいるだけのあなたが、なんで校外学修に参加するのよ」


「なんでって…… 興味があるからです」


「「「「「!?」」」」」


「良いですよね…… 最新式!」


「さい…… え?」


「皆さんも、最新式の工業ロボットに興味が?」


「あ、いや、そのね?」


「どちらかと言えば…… ね?」


「うん? あ、ふ、復興した街が見たい…… かな?」


「そ、そうね! 復興した街が気になるわ~……」


「そう、工場見学が目的…… ならいいわ」


と、変な感じになったんだけど…… あれは、校外学修に行く男子に好きな人がいると見た。


(たぶん、添島さんが九重くんを好きなんだろうけど…… 他の4人も、九重くん狙いの様な感じするんだよねぇ……)


「くの…… 男子は隣の部屋かな?」


「どうかな? でもたぶん…… 階が違う気がする」


「そうなの?」


「私の後ろから、階段を降りる様な音が聞こえた気がしたし……」


「そうなんだ……」


互いに探り合う様な会話で牽制している…… 教育実習生とは言え、先生がいるから男子部屋に行き辛いだろうな……


「どうしたの?」


「ちょっと…… お手洗いに……」


視線をズラす度に真偽眼スキルが反応するので、この部屋にいるのがしんどい。


「なら私も!」


「この世界のトイレが…… 学校の様に広いと良いですね?」


「う、後にするわ…… どんな感じか教えてね?」


お湯の入った水瓶から想像したのか? 一緒に行こうとした…… たぶん田村さん?は、辞退した。


「はい、ではお先に……(おまるや壺より、せめて汲み取り式だと良いですね……)何かあれば、大声を上げますから?」


「わかったわ……」


息が詰まりそうだったので、付き添うつもりで腰を上げる先生を制して廊下に出る。


「ふぅ……(廊下は…… 大丈夫かな?)」


廊下に出て扉を閉めたら…… 溜め息が出た。


(かなり精神的に辛いわ。どうにかしないと……)


誰かが喋る度に真偽眼が反応するので、脳の疲労感がかなりヤバイ……


「(何かで制御しないと……)私、今日…… 眠れるのかな…… うん?」


真偽眼スキルに付いて考えながら、お手洗いに廊下を進んでいたら……


「(え、バール……)の様な物!?」


現代日本のニュースによく出る……


フードで顔を隠し、バールの様な物を持った不審者……


に、異世界の城内で遭遇した。



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