表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/67

俺、フードを目深に被り…… バールを所持の不審者スタイルで城内を探索。


(城壁に…… 2人と巡回兵が…… 3人……)


潜伏スキルで暗闇に潜みながら、周囲の状況を確認……


(外は夜…… 城壁には篝火と…… 召喚された時は昼過ぎだったからな…… 双子の事もあったから、召喚から4~5時間くらい過ぎたか? 時差が無いなら…… 季節は春くらいかな)


召喚された時の日本は夏、時差が無いのならば午後6時くらいなので…… 周囲の暗さと気温に目に見えた植物から、季節は春先だと感じた。


(俺は、真夏にロンTにパーカーじゃないから助かるけど…… 他の連中には辛かったんじゃないか?)


真夏の服装で春先は寒いだろうなと思いながら、篝火を避けて暗闇に滑り込む様に進む。


(そう言えば、あの子供も薄着だったな…… 水晶の部屋でチラと見たけど、すぐに物置きに閉じ込められたから…… よく見えなかったんだよな~…… う~ん、見付けられるかな?)


危険と言われた子供が見付かるか不安になりながらも、俺は慎重に塔を囲む堀に進む。


(塔の回りを一周する様に堀と…… 渡り廊下の様な橋が1つか……)


城壁と塔の中間には、幅5メートルくらいの深そうなで水の入った堀が有り…… 其処から城の庭園?に向かい渡り廊下の様な橋が延びていた。


(幽閉施設だからな…… 食事とかを運び込む通路か? うん? 人が来た……)


暗闇から様子をうかがっていたら、台車の様な物を押したメイドさんと使用人が3人、渡り廊下を此方に来る。


「見廻りご苦労様です」


「うん、食事の時間か?」


「はい、夕食を持って来ました」


「よし、行って良いぞ」


大きな箱みたいな台車を使用人が2人で押し、メイドさんが扉を開けて塔の中へ。


(あの台車…… に隠れられないかな?)


俺はもう1度、外側の塔に戻って様子を見る……


(此処から手で運ぶのか……)


メイドさんと使用人2人が台車から食事を取り出して、手前の部屋に入ったので……


(今の内だな)


部屋の扉が閉まるのと同時に、俺は台車に近付いた。


(かなり大きめだな……)


少し押したりして台車の重量を確認し、台車の箱を開く。


(これなら大丈夫か?)


車軸の問題からか? 箱の中は底が浅い作りでそんなに広くなかったが…… 底板がバールで簡単に外れたので、俺は底板と車軸の間に潜り込んだ。


(下から覗かれたら…… 1発アウトだな)


潜り込んで少ししたら……


「今日も…… ミナ姫様に会えなかったわ……」


話し声がした。メイドさんと使用人達が戻って来た様だ。


「エイラ様が付いて居られるのだ。今は外よりも安全だろう」


「ああ、他の王族の帰られるまでの辛抱だ。それに…… 気のせいか、前に来た時よりも空気が清んでいる様な?」


「確かに…… 今の不穏な城内に居られるよりも、ミナ姫様には良い場所の気がします…… けど、あの愛らしいお姿を見れないのが…… 辛いのです……」


(う~ん…… お姫様、愛されているね)


「ほら、何時までも長居するのは危険だ。ミナ姫様の為にも…… はやく戻るぞ」


「「はい」」


 ・

 ・

 ・


(この匂い…… 厨房の近くか?)


その後…… 再び見廻り兵に挨拶をしたメイドさんと使用人達は、俺の隠れた台車を押して渡り廊下を通り抜けて、城内の厨房近くに台車を止めた様だ。


「それでは」


「ああ、わかっていると思うが……」


「ええ、話しませんよ」


「とくに、あの第6騎士団とセレナ姫様お付きの魔法師…… それに……」


「その連中に連れられ現れた者達には…… ですね?」


「ああ、連中には気を許すなよ」


「わかっています」


「それで良い…… 処で、連中は何処に?」


「城内の第6騎士団の寮にいる様です」


「騎士団寮に? セレナ姫様は何をお考えなんだ……」


「それ以上は……」


「ああ、そうだな。では、また明日の朝に」


「はい、失礼します」


俺は、台車の下から人影が離れる様子を見て…… 慎重に台車の下から這う様に出ると、物影に忍び込む。


(第6…… 騎士団寮…… 此処は城の何処ら辺だ?)


とりあえず近くの匂いがする場所を覗き見る……


(城の厨房…… にしては、小さい? 王族の食事専用の厨房か?)


残り香はするが…… 人気が無く、全てに鍵がしてある様だ。


(暗殺警戒の為に別で料理している…… のか? そうなら、此処には用がない)


人気の無い厨房を後にして、慎重に場所を探る。


(騎士団寮…… 騎士を捜すか?)


メイドさんと使用人の会話から、召喚された人達の場所が判明したが……


(第6騎士団の寮…… 騎士団寮って1ヶ所なのか? 別の場所に複数あったら…… 面倒だな……)


とりあえず俺は、騎士団寮ならば訓練する場所が近いと思い……


(外が見える場所に行って、運動場を探そう)


俺は……


バールを片手に握り締めて、窓を捜す事にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ