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嘆きの塔でメイドさんに…… 冥土に送られそうになる。


「疲れた…… 階段探すの面倒くせぇ……」


浄回スキルを使っても残った武器と防具、それに道具を木箱に積め収納スキルに収納して……


ガラガラの部屋で一休みしながら、ちょっと考える。


「う~ん…… 闇雲に歩くのも疲れるだけだ。とにかく上を目指そう…… よし、この部屋に…… 階段作るか」


マップ機能があるとは言え、階段を探して歩き回るのが嫌になった俺は…… ゲームの力で部屋の壁に階段を作る事にした。


「一応…… 手前の部屋の壁は戻してからだな」


バレない様に最初に開けた入口とこの部屋に入る為に開けた入口を直して、甲冑が拘束されていた十字架がある壁にギリギリの幅の階段を作る。


「子供の片足分だから、壁の凹凸に誤魔化せるかな? 後は……」


落ちない様に壁に貼り付きながら、慎重に天井を探る。


「う~ん…… 選んだゲームのおかげで、なんとなく建物の構造が分かるな。此処なら抜いても大丈夫そうだ」


天井の素材をちょっとづつ抜いて、自分が通れる分の穴を空けた。


「後は、ひっそりと……(ブーブー)!?」


「賊め…… 死ね!」


頭を出した瞬間、警戒音と同時に背中に衝撃が走った。


(えっ…… ちょっ、メイドさん? 俺…… メイドさんに刺されたの?)


咄嗟的に振り返ったら、槍を持ったクラシカルなロングスカートのメイドさんが…… 俺を一突きにしていた。


(あ…… 死んだわ……)


衝撃を受けた位置から、背中から心臓を突かれたと分かる…… たぶん即死だろうな。


(ごめん…… 死んだので、あの子供は助けに行けないです…… すみません……)


空けた穴から上半身を出した状態で倒れていると…… メイドさんは槍を引き抜いて、奥の方を気にしている。


(他に誰かいるのか? そう言えば…… 此処は明るいな)


「まさか、この塔に賊が出るとは…… やはり暗殺が狙いか?」


(あん? 今、暗殺って言ったか? 暗殺される様な人物が此処にいるのか…… って、なかなか意識が消えないな? 俺…… 槍に突かれて即死じゃないのか?)


「くっ…… ミナ様が塔に移されて数日の内に、セレナ様以外の王族が不在の時を狙うとは…… 情報が漏れている? やはり内通者が……」


「うわ…… 内部争いかよ……」


「な!? 馬鹿な…… 確かに心臓を突き刺したのに…… まさか、アンデッドの類いか?」


「アンデッド? 下でゾンビラットに遭遇したけど…… あれと同じなら…… 俺、自分のスキルで消滅するんじゃ……」


「ゾンビラットだと! 此処は〝嘆きの塔〟とは言え、王城の中に魔物が現れるなど…… 貴様がアンデッドを召喚したのか!」


「アンデッドを召喚? いや、俺は召喚された方だから」


「召喚された方だと? 貴様…… いったい何者だ?」


「え~っと…… とりあえず……」


「とりあえず?」


「穴から出ても…… 良いですか?」


メイドさんに了解を獲てから、穴から這い出てこれまでの事を話すと……


「で、出口探していただけなんですけど…… 大丈夫ですか?」


「なんて事を……」


俺の話を聞いたメイドさんは、頭を押さえながら座りこんでしまった。



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