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プロローグ

ネタ整理用で書き始めたものです。

「台日」の方は続きを書く予定もちろんありますので、お待ちいただければと思います。

「WLCーーそれはワールド・ライトノベル・クラシックの略称。そして、同時に世界最高のライトノベル作品たちが集まるイベントという意味もある。」


2029年 7月 東京ビッグサイト


日本最大級同人イベント「コミックマーケット」が行われるその場所が、今、時期はずれにも関わらず、さまざまな人が集まっていた。

ジャージ姿の人いれば、綺麗なワンピースを着こなしてる高貴な婦人もいる。


両側に逆ピラミッドの建物が挟んでる入り口、その中央に大きいステージが用意されて、さらにその真ん中で、見た目40代の男性が、マントを羽織った奇抜な格好して、ステージの前方に立っている観客らに向けて、ハイテンションで演説している。

「ようこそ、参加者達。汝ら選ばれし大手作家。もしくは一攫千金求めて、勇気を振り絞り参加を決めた新人、身分問わず、国籍問わず、世界中の人みんなが参加できるのが、このWLCだ。」

その言葉を証明するように、参加した人達は、見た目でわかるぐらい差があった。

「ただ汝らに共通のものがある。」

男性が言葉を一旦切って、鋭い目線をステージの前の参加者から、そのさらに後ろちょっと離れた場所に並んでいる、とてつなくーーーーーーーー長い行列の方まで、見まわした。


その光景は、まさにコミックマーケットと同様か、それ以上の参加人数がいるかと思えた。


それを確認した男性は、喜びに満ちた声で、話した。


「汝らに共通のものーーーそれは、ライトノベルに対する情熱だ!」


ただそれだけの言葉だが、参加者たちはなぜか、心に響く「何か」があった。


「夢、金、名誉、理由は何であれ、ライトノベルを通じてそれを取ろうとする行動。それは間違いなく『情熱』だ。それを掴むためにはーー」


男性はまだ言葉は止めた。ただ今度は全体ではなく、ただ一人の見た目20代の若い男のいるところに目を向けた。

その若い男は、眼鏡してるが、眼鏡越しでも分かるぐらい目に光がなく、死んだような魚の目をしてる。先ほどの情熱という言葉とは、かなりかけ離れた。

ただそれでも、彼はここに立っている。

つまりーー

男性は口角を上げ、楽しい声を放った。

書け(たたかえ)。さすれば願いはいずれ叶うだろう。」

ざわざわ.......

(小説を書くだけなのに、なんで戦争みたいな感じになってるの?)

(いかれたおっさんだな.......)

参加者の中に、こっそり意見を交わしてる。

それはそうだ。

元々、軽い気持ちで見れるのは”ライトノベル”というものだから。

だが、

「いいね、面白いじゃないか。」

赤い髪にポニーテールの女性は、今でもステージに上がって、自分の情熱をばら撒きたいような興奮してる状態でステージを見つめた。

そういう”みんながライバル”という意識を持ってる人も、少なからずいる。


「ね、師匠.......なんか怖いけど.......」

眼鏡かけてる若い男性が、隣で自分を”師匠”と呼ぶ犬みたいに可愛く小柄の少年を見て、無感情に返事した。

「怖がるなら帰ろうか?」

「いやだよ、せっかくここまで来たのに。この半年が水の泡になるじゃないか。」

少年が拗ねた声で返事をして、

「それに、師匠と一緒なら、どんな環境でも乗り越えられる…気がする!」

「ふん、健気な…まあ、今回はお前が主役だから、今更やめると言われたら、逆にこっちが困るんだ。」

「そうだね。師匠も僕と一緒に頑張ってきたもん。」

「いや、そっちの話じゃない。お金の話。部数少ないとはいえ、お前の作品もう印刷したんだ。そのまま参加せずに帰られたら、完全に赤字になるんだ。それは困る。死ぬ気で売ってもらわないと。」

「ひど!?」

「頑張りや情熱云々前に、これは商売だからな。」

二人のやり取りは、傍らで見ると、仲のいい兄弟しか見えない。

そういった関係も、ライトノベル通じて、繋がった。


そしてこれは、その繋がりの始まりと絆を語る、ありきたりかもしれない、未来への物語。

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