気持ちのすれ違い
あの王様、実はものすごい戦術家だったんじゃないだろうな。あっさり王様の策略にのせられた気がしないでもない。
リトがいた。
胸がどきどきする。
魅力値をあげた俺を見て、リトはなんて言うだろう
褒めてくれるかな。いきなりキスとかハグとかそれ以降のこととかしてくれたりして。ぐふふふ
「…………それ、どういうつもり」
だけどリトは氷のような冷たい目でそう言った。
「…………え」
「見た目なんか変えてどういうつもり?」
ショックだった。
どちらかと言えば、リトと並んでいても恥ずかしくない男になりたくて魅力値に全振りしたんだから。
最初の俺じゃ、とてもリトと釣り合ってるようには思えなかったから。
「…………わたしは、最初に会ったときの君のほうが好きだったよ」
リトはそう言って寂しそうに笑うと、歩き去って行った。
うわあぁああああああああああああああ
俺は頭をかかえて身悶えた
スキルポイント振り分け直してぇーーーーーーえよーーーーーーーー
時よ戻れぇえええええ
俺は、必死でスキルポイントを振り直す方法を探した。もしくはリセットボタン。
最初の俺を好きだなんて言ってくれる美少女、もう2度と現れねえだろ。
結婚してくれるって言う女の子なんか現れねえだろ!
リトちゃんLOVE!俺は彼女と彼女1人とゴールインできればそれで満足じゃ。
死に戻りできるシステムなら今すぐ切腹したい。
メニュー画面を開いたり戻したり開いたり戻したりするうちに、
俺はある項目があることに気づいた。
それは、メニュー画面の1番上にあったのだが
あまりにも目立ち過ぎて逆に盲点になってたのだ。本格ミステリーのトリックと同じ原理だ。
メニュー画面の1番上にある項目…………
それは…………
現実世界に戻りますか
→はい
いいえ