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雪の女王の脳内 その27




予測もつかないようなトリッキーな動きで、


太陽神のヨーヨーが空間を躍る。



光のパレードみたいな鮮やかな軌跡を描きながら。





ぱくぁっ!!!!!!




背後から迫った黒死病ペストの顔面に、あり得ないぐらいの急角度で方向転換したヨーヨーが炸裂する。



手のひらサイズの太陽みたいに赤熱したヨーヨー。



それが顔面をモロに直撃した黒死病ペスト兵の反応は激烈だった。




じゅっ



じゅっ



じゅっ





凄惨せいさんな音をたてながら真っ赤に焼けただれる顔面。




「いぎゃぁあああああああああああっす」




激痛にもだえ、その顔をおさえた黒死病ペスト兵の黒い両手、


その両手までが真っ赤に赤熱して、焼けただれはじめた。



両手の真っ赤な赤熱は二の腕へと、肘へと、肩へと。



そして胴体全体へと広がっていく。




身体全体が真っ赤な線香花火にみたいに赤く光って、



やがて弾け飛んだ。




固まったまま、ギョッとした表情でその一連の出来事を目撃していた残り3体の黒死病ペスト兵たち。




「お前さんらも味わってみるかい?太陽とのファーストキスを」





「…………………」




ヤツらが選択したのは、攻撃という名の防御。


敵の完全殲滅という、安穏への近道。




「いぎゃぁあああああああああああ!!!!!」




何百本って数の異形の牙を剥き出しにしながら、ヤツらは突撃してくる。




太陽神の変形したヨーヨー。


無限に縦横無尽じゅうおうむじんな軌道を描き、


独楽鼠こまねずみの如く空間を切り裂く。




カカト、首筋、肩甲骨、



太陽神のヨーヨーが、敵が予想もしていない場所ポイントに次々と着弾していく。




ぎゃるるるるるるるるるるる………………………




正面に迫っていた敵の腹部から顔面まで、とんでもない回転数で駆け上がるヨーヨー。



永遠に消えない太陽のキスマークを相手の黒い外皮に刻んで、最後に鼻っ柱を蹴っ飛ばした。





ボンッ!!!!!!




ボンッ!!!!!!




ボンッ!!!!!!





俺の周囲で、黒死病ペスト兵たちが赤い花火みたいに赤熱して次々に弾け飛んだ。




「陰キャな黒カビくんたちには、太陽神アポロンの口づけはちょっち熱すぎたか?」




空間に鮮やかな火の粉が舞い踊るなかで、ちょっとばかしキザったらしくポーズを決めてやった。




《なんでメガネをかけてると、いつにも増してセリフがキザになるんですか?》




……………知りません。




「……………キザなマサムネ、ちょっとこ。かも」




なぜかリトさんがポッと頬を赤らめて、内気な図書委員長みたいな仕草でメガネを直している。



その隣で無表情にうなずくメガネっ子のレナ。




《キザ眼鏡っ子マサムネが思わぬところに刺さっていた》




なぜ!!!!?





太陽神のヨーヨーを解除すると、この空間の中央に咲き誇っていた桜色の雪の大樹を見上げた。



病原体の襲撃を受けて、無惨にも全体が黒ずんでしまっている。




俺は、両手を祈るような形で胸の前に重ねると、


手の中で回復魔法を発動させる。



β版の超絶ステータスで発動した回復魔法。



ぐんぐんと手の中で膨れ上がって、ライトグリーンの特大の光球となって俺の前に浮かび上がった。



ライトグリーンの満月みたいに、どんどんとそのエネルギーを高めていく特大の回復魔法。




俺はその回復魔法の特大光球を、【桜雪樹】のほうへと解き放った。





ぐぬぅんっ………………………





壮大な大樹に、


ライトグリーンの満月みたいな回復魔法の光がぶつかり溶け込んでいく。




広大な空間全体がライトグリーンの優しい光に包まれたかと思うと、



黒ずんでいた桜雪樹の枝ぶりが、端の方からみるみるうちに鮮やかなピンク色を取り戻していく。




「凄いニャ………………死滅しかかっていた心臓内空間が生気を取り戻していくニャ」




とっておきの最強兵士をあっさり仕留められたせいか、上空に浮かんだまま沈黙している【病魔の母船】




「さて、あれをどう仕留めるか………………」




改めて、漆黒の母船を見上げたときだった。





「ぐぎぎぎぎ…………………」



「ぐぎゃぎゃ………………………」





俺たちの周囲を、無数の気配、敵意が埋め尽くしている事に気づいた。



あたりを見回す。すると、そこには…………………



何百という数に増殖した、黒死病ペスト兵たちの姿があった。




俺たちを完全に包囲して、不気味な笑みを浮かべている。





《そんなバカな……………太陽神の力ですら死滅させられないというのですか?》




「……………メタルクウラか?おのれらは」




1体1体がかなり強力な黒死病ペスト兵が無数に増殖して俺たちを取り囲んでいる。


なかなかの絶望的な光景に肝を冷やしていた、その瞬間ときだった。





ず………………



ごぼ………………!!!!!!!





上空に浮かんでいた、漆黒の【病魔の母船】



その巨大な船体が、真横から巨大な何かに、刺し貫かれていた。



まるで、水晶で出来た宇宙戦艦のような、鋭利な形状の何か………………



透明で、巨大な、《《ソレ》》に、横っ腹から船体ごと串刺しに貫かれている【病魔の母船】





「…………なんじゃそりゃ」




ロゼッタが、足もとから頭まで震えあがりながら、全身を総毛だせている。





「ついに目覚めてしまっただニャ」




見開かれたロゼッタの猫瞳キャットアイに、


撃墜されて墜落する【病魔の母船】の姿が映っている。




「雪の女王の………免疫細胞ニャ」







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