玉座の間
牢屋のある地下から城の一階フロアヘ
そこには、身分の高そうな貴族っぽい人たちでにぎわってる
なにかイベントごとでもあるのだろうか
俺をみる貴族や王族の人たちの見る目が……
目を見開いて、なにか異様な感じ
そうか、ドラゴンを倒した流れものをみんな見物に来てるのか?
けど、それだけじゃ説明できない。みんなの目の色がおかしい
俺のそばにいた貴婦人が、なぜかその場でぶっ倒れた
ぎょっとして床を見ると、貴婦人は真っ赤な顔をしている。熱中症みたいな顔色
その後も、なぜか俺がとおると横にいる貴婦人たちがバッタバッタと倒れて気絶していく
フロアは気絶した貴婦人たちでいっぱいになり、戦場跡みたいになった
かろうじて立っている男の貴族たちも、うるんだ瞳で俺のことを見ている
完全に抱こうとしてる男の目だ
俺のこと抱こうと思ってる、こいつら
ようやく、俺はミスに気づいた。
無駄に魅力値上げすぎたーーーーーーーーーーーーーーーー!!
男たちはよろめきながらギラギラした欲情の視線を送り、女たちは気絶する
俺がフロアを通過しただけで城の一階はハチャメチャな光景になった
王様のいる玉座の間
王様が豪華な玉座に座ってる
「ほう、そなたがドラゴンを一撃で倒したという戦士か……」
ザワザワ……ザワザワ……
賭博黙示録カイジじゃないスよ。すげーまわりザワついてるんス
「そなた、わしの后にならんか?」
なに言ってんだ、この色ボケじいさん
ヨダレを垂らしながら自分の后になったら毎月、自由になるおこづかいを3本指をたてて提示する王様
思わずズッコケそうになった
「王様!ちーがーうーでーしょー!」
家臣からツッコミがとぶ
「あ、そうじゃった。王様のカワいい天然なところ出ちゃった」
テヘペロする王様
なんかスゲー、アットホームな雰囲気
「うむ。あの強力なドラゴンを倒したという、そなたに頼みがあるのじゃ。ぜひ、魔王討伐パーティーの一員になって勇者のちからになってもらえんか。我がパプリカ王国は魔王が現れるまで平和な国じゃった。強い戦士を育てる文化がなかったんじゃ。あんたみたいな有能な戦士がぜひとも欲しい!」
王様が大げさな身ぶりで誰かを呼び込む
「勇者たちよ!魔王討伐パーティーの面々よ!ここにまいれ!」
頭に宝石を埋めたサークレットをはめたイケメンを先頭に6人。
勇者以外、全員女性だった。
女戦士リトもいる。
1人、ネコミミがはえてる女の子がいた。小さなお尻からは尻尾がのびてる。ほんもの?触手みたいに一本ぴんとはねたオレンジ色の髪。メガネをかけてる。てか、あれメイド服じゃないか?身長は小学校出たてくらい
って異世界にメガネとかあるんか?
ほかのメンバーもとてつもなく個性的だったけど、ここでくわしく話すと、なろうとかカクヨムばりに1ページが長くなるから自重する
僧侶タイプ。魔法使いタイプ。武道家タイプ。戦士タイプのリトに、職業不詳のネコ娘。イケメン勇者。
そんな面々だった。
勇者のハーレム旅かよ!
有能な男メンバー補欠においやって美少女ばっかりレギュラーで使う美少女ゲームスタイルじゃなかろうな。
そうです。自分がそんなプレイスタイルだから他人を疑うんです
どんなに火力が高くてもカミュは2軍なんです
「勇者よ!この歴戦の猛者…………ええと」
歴戦のニートですけど。てか、いま名前忘れてるよね、ゼッタイ
「この歴戦の猛者……ゴニョゴニョ……を仲間にくわえ、
魔王討伐の旅へ出るのじゃー!」
名前わかんないからゴニョゴニョ言って誤魔化したよね
「歴戦の猛者……ゴニョゴニョ……よ!勇者の力となって魔王をうてい!頼んだじょ!」
語尾かわゆす。噛んだけど可愛いから許す
「てゆーか、俺の意志は無視ですか?」
「魔王討伐の旅に出るか、わしの后となって新婚初夜の褥に身を横たえるか、どちらか選べい!」
「旅に出ます」