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軍艦遊郭の姫花魁 その5




異能【|死霊呪術師の海賊船団《パイレーツ オブ ネクロマンサー》】





ゴルディアスの小さな身体から放出された紫色の霊気が、


周辺の海域にドーム状に広がっていく。




あたり一帯の海が、どこか妖しげで暗い雰囲気に包まれた。



霧が発生する。それが太陽を覆い隠し、海上はみるみるうちに薄暗くなる。





ギギギギギギギギ…………………



ズズズズズズズズ…………………





重苦しい軋み音が、あたりの海から一斉に響いてくる。



そして、水中から引き揚げられた《《何かが》》大量の海水を吐き出す、轟音。




朽ち果てた海賊船が、暗い海の底から次々に浮かび上がってくる。



神竜船ガネシャの周囲は、30隻以上のボロボロの幽霊船に囲まれた。




ミヤコが震え上がって抱きついてくる。



どことなく楽しげで興味津々といった表情のリザリザ。




いや、なかなか物凄い光景だ。



そんじょそこらのお化け屋敷なんて目じゃない。



本物の幽霊船にあたりを取り囲まれるなんてシチュエーション、なかなか作り物のアトラクションじゃ再現できないだろ。




エスメラルダがささやく。




「親父の…………異能とっておき…………



過去に海に沈んできた歴戦の海賊ツワモノたちを



死者の国から呼び寄せて死霊海賊団として使役する…………



【|死霊呪術師の海賊団《パイレーツ オブ ネクロマンサー》】」





なんつーチートな異能だ…………さすがは海賊王。





「今まで、親父の異能を目にして生き残った海賊はいない…………」





《でしょうね…………ぶっとんだ性能の異能です》





そうささやくエスメラルダの表情は、だがどこか緊張している。





「…………あの女をのぞいて」




あの女?





幽霊船団の大砲が一斉に火をく。



冥府から引きずり出された海賊船たちは、みんな禍々《まがまが》しい負のオーラを帯びている。



朽ちかけた砲身から打ち出された砲弾は、紫色の霊気をおびた髑髏ドクロ形状カタチをしていた。




螺旋らせんを描くような弾道で先頭の巨人海賊船を襲う髑髏ドクロ砲弾。着弾したあとに、巨人海賊の船体に歯をたてて喰らいついていた。





ズガァアアアアアアアアアアン…………!!!!!!





無数の髑髏ドクロ砲弾を浴びて、先頭の巨人船が大爆発を起こした。




山脈みたいな巨人の船がゆっくりと傾き、沈没していく。




ガネシャの船員たちがいっせいに勝利の雄たけびをあげた。




クジラみたいなサイズの巨人たちが、沈没する巨大船から次々に飛び降りている。



勢いをえて、巨人の船たちに向かってさらに進撃していく幽霊船団。




――――次の瞬間





カッ……………………!!!!!!!




幽霊海賊船の一隻が、爆発を起こして大炎上した。




ボッ…………ボッ…………と次々に火をいて大炎上していく幽霊海賊船団。




ゴルディアスは、驚いた顔をしていない。



淡々と戦況を見つめている。




このぐらいの被害は想定済みだ、といった冷静な横顔。




炎をあげて戦線離脱する巨人の船も新たに二隻ほど増えたけど、明らかにゴルディアスの船団はその何倍もの被害をうけていた。




背後から、強烈な砲撃をくわえてきている船がいた。





「…………来たか」





巨人海賊船が、左右に開いていく。



巨人の海賊船群の背後から、ひときわ巨大な船影がヌゥウウウウと姿をあらわす。




漆黒の船体。



逆光で陰になっているから…………とかでは無い。



船体そのものが真っ黒だった。




そして、なにか金属的な光沢を帯びていて


光の加減によっては虹色の輝きを帯びて見える。




「…………鉄鋼船?」





ドンッ!!!!!ドンドンッ!!!!!!!





漆黒の船体が火をいて、さらに数隻の幽霊船が爆発炎上した。



高さ150メートルはある文字通り山のように巨大な戦艦。




その火力は圧倒的だった。





「鉄鋼船…………そんな生易しいもんじゃないよ……………………。



あれはオリハルコンの十倍の強度を誇る



アダマンタイトのフルプレートだ」




エスメラルダはグッと拳を握る




伝説級の金属で全面コーティングされた海賊船…………だと?




その言葉を証明するみたいに、幽霊船団の砲撃は真っ黒な船体のまえにまるで通用していなかった。




すべての砲撃を無力化している。




「なぁ……………ゴルディアス」





不意に、真っ黒い巨人船から女の声が響いてきた。





「あんたに敗れ去って冥府に隠居したような負け犬(ルーザー)どもに、アタイの船が沈められるはずないだろう?」




下唇を噛むゴルディアス。





「ガネシャ………………主砲………………発射用意」





オペレーターがハッとした表情でゴルディアスを見上げ、


次の瞬間、船員たちに指令を伝達する。





「神竜船ガネシャ…………主砲発射用意!!!!!!」






船体全体がドラゴンの唸り声のような音を立て始めた。



船員たち全員が、船と同じ血液を共有している生き物みたいに猛り立って咆哮ウォークライをあげる。



この船に秘められた膨大な魔導力が、主砲へと一点に集中されていった。





「目標、あのクソ忌々しい黒いデカブツ。



撃てーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」





幼女海賊王の号令をうけて、このガネシャの強烈な主砲が解き放たれた。




極太のレーザー光線が、海面をつらぬく。



真っ赤なレーザー光線だった。




超強大なアダマンタイト フルプレートに、真っ赤なレーザー光が直撃した。





ゴッ……………………!!!!!!!!





とんでもない規模の火球が、海のおもてに生れ出ていた。







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