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盗聴アプリ  作者: マーク・ランシット


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チープな万能薬

 無料版のアプリを起動した。

 アプリ側が勝手に選択した電話番号につながった。相手は電話をしていない。

 全く知らない他人の会話。胸が高鳴る。


 ・・・・・・・・・・・・・


「番場くん。ついに画期的なクスリの開発に成功したぞ」

「教授、それはおめでとうございます。私が三か月間お休みしている間に完成したんですね」

「13年は長かったな・・・」

「13年ですか・・・」


・・・・・・・・


「私はずっと基本素材のテストばかりしていましたが、教授が最終的に開発されていたのは何の薬なんですか?」

「とりあえず風邪薬と言っておこうか」

「とりあえず・・・・?」

「高熱の場合は熱が下がる。鼻水が出るときは鼻水が出なくなる・・」

「喉が痛いときは・・・?」

「喉がスッキリする・・・」

「便秘の時は・・・?」

「お通じがよくなる・・・」

「下痢の時は・・・?」

「ウンチが固くなる・・・」


 ・・・・・・・・・


「まさに万能薬ですね」

「幾つかの製薬会社が倒産する」

「クスリを買いにマツモトキヨコに行くと、この薬があるコーナーを独占している」

「値段は・・・」

「通常価格の半額」


・・・・・・・・・


「アメリカの製薬会社にバレルと暗殺されますね」

「これが冗談ではなく本当だから恐ろしいのだよ」

「教授一体どうなさるつもりですか?」

「富山のクスリ業者に、とりあえず風邪薬という形で販売して貰おう」

「なるほど、富山の薬売りなら直売方式ですから大手の製薬会社に目を付けられる心配もありませんね」

「その次の手は・・・?」

「同じ薬を入れ物だけ変えて便秘薬や頭痛薬として販売して貰おう」

「同じ薬なら、大量生産でコストが下がりますしね」


 ・・・・・・・・


「教授。もしかしてこの薬は他の重大な病気にも効くのではないですか?」

「さすがだね・・・」

「もしかして、xxピー細胞にも作用するんじゃないでしょうね・・・」

「実は、そうなんだよ」

「しかし、私も教授の下で3年間助手をしていますが、その様な検証はされてないのでは・・」

「こんな重大な検証はこの研究室では出来ない。それで、ある国の医療施設に協力して貰って、xxピー患者に投与してもらったんだ。その症例が先ほど届いたばかりだ」

「・・・・」

「500人の患者に投与した結果、93パーセントの患者のxxピー細胞が完全に消えてしまったのだよ」

「93パーセント・・・。素晴らしい」


 ♬ こんなことイーナ。出来たらイーナ・・。


「教授。すいません、電話が入りました」


「是的。 是我。 一位教授研制出了一种很棒的药物・・・」


「君はいつ中国語を勉強したのかね」

「教授、その質問は少し間違っています」

「・・・・・・」


「私が習ったのは日本語の方です。中国語はネイティブですから・・」

「と言うことは、君は中国のスパイなのかね?」

「単なるスパイではなく、産業スパイです」

「私をどうするつもりだ・・・」

 

 ガサ・・。ズッシリ・・。

 ガチャ・・。


「き、君はカバンの中に拳銃を隠し持っていたのかね・・」


「とりあえずは私と一緒に来て貰いましょう。もし逆らうと、この銃が火をふきますよ」


 ♬ こんなことイーナ。出来たらイーナ・・。 


「你不必把他带到中国。 带我去富山・・・」


「教授、富山に飛んで貰って、直ぐにクスリの製造を開始して頂きます」

「なんで、中国で生産しないんだね」

「中国で製造したら、働いていた人間が会社を辞めて、別のコピー品を販売してしまいますからね」


 ・・・・・・・・・


 ガチャ。

 ドアの開く音。


「番場バンゾーことスーアンコウ。お前を拳銃保持及び誘拐未遂の罪で逮捕する」

「残念ながらそれは出来ないはずだ。何せ日本にはスパイ防止法がないからね」

「お前こそ残念だったな。2年前に日本に帰化したのを忘れたのか?」

「しまった。それを忘れていた・・・」

「お前はスパイとしては二流だな」

「・・・・・・」


「ところで教授。先程の話は本当なんですか?」

「何の話だね」

「xx細胞を93パーセントも消す薬のことです」

「君は3年間も私の助手をして、私がそれほどの能力があると思ったのかね?」

「やはりそうでしたか・・。くそ、早く実績が欲しくて簡単な罠に引っ掛かってしまった」


「さあ、スーアンコウ。一緒に来るんだ」


 ・・・・・・・・


「てか、あなた近くの交番の巡査でしょう。拳銃を持っている人間に警棒一本で立ち向かうつもりですか・・」

「こ、ここは日本だよ。拳銃なんか撃っちゃだダメなんだから・・、分かるでしょ?」

「そんな悠長なこと言ってるから、中xや、北xxや、南xxなんかにナメラレテルんでしょ。私は捕まったら命が無い。あなたにはここで死んで貰います・・」


 バーーーン。

 うわっ。

 ドサッ。


 ジャンジャジャーーン。

 スケボー巡査&角刈り巡査登場。


{{あれ、スマホの持ち主はテレビでキラーポリス13(サーティーン)を見てたんだ・・}}

 ***意味不明の方は、本編ダイハードをお読みください***


「しまった。拳銃だけ撃ち落とすつもりだったのに、心臓にあたっちゃたぞ・・」

「でも大丈夫。僕たち失敗なんて気にしないよ!、だって、僕たちまだ、仮免許だもー-ん・・」


{{おいおいおい、犯人とは言え人ひとり死んでんだぞ。ジャニ系の爽やかさで胡麻化すにはムリがあるだろう・・}}


「アアーーン、デューク。デューーク。こんなにスゴイの初めてよ・・・」


{{な、なんだよ。いきなり何の脈絡もなくベッドシーンかよ。しかもこの声、第一話で登場した賞味期限ギリギリのモロダシ大女優じゃん。・・・と、言う事は。ベッドシーン二度目だろ。こんなにスゴイの初めてって・・。口癖か、おい、口癖か、誰にでも言ってんのか・・?}}


 ゴソ。


「スッゲー。テレビでこんなにモミモミしちゃっていいのかー-」


{{やっと、スマホの持ち主登場かよ・・}}


「わっ、シーツからはみ出た太もも、そそルーー。こやあ、辛抱たまらー-ん・・・」


 ごそごそ・・・。


{{あっ、やばい。こいつズボン脱ぎやがったぞ・・}}


 ・・・・・・・・・・


 俺は、盗聴アプリを切った。


「てか、このシーンだけ待ってんなら、ビデオに撮って、そこだけ見ればいいのと、ちゃうんかーーい」

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