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盗聴アプリ  作者: マーク・ランシット


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31/49

キャンプ同好会

 無料版のアプリを起動した。

 アプリ側が勝手に選択した電話番号につながった。相手の電話番号は表示されない。


 盗聴が始まった。

 全く知らない他人の会話。胸が高鳴る。


 ・・・・・・・・・・・・・


「あなたたちはあの黒山女子大学のキャンプ同好会の皆さんですよね」

「そうですが、あなたたちは?」

「方形大学のキャンプ部のモノです」

「キャンプ部?」

「ちょっと珍しいかも知れませんが、我々はキャンプを同好会レベルからさらに極めようとする活動をしています」

「その方形の皆さんが、私たちにどのような御用でしょうか?」

「あなたたちが、ドンバチ山のキャンプを計画しているとの情報を得たものですから・・」

「確かに1週間後に3泊のキャンプを計画していますが・・・」


 ・・・・・・・・


「参加者は全員女性ですか?」

「はい。女性6人でのキャンプを計画しています」

「女性だけのキャンプは非常に危険です」

「でも私たち、もう何度もキャンプしてますよ」

「これまではちゃんとしたキャンプ場でキャンプしてきたからでしょう。しかし、今回あなたたちが計画しているドンパチ山は、秘境と言ってもいいぐらいの大変危険なキャンプ地ですよ」

「私たちのメンバーの一人は女子柔道の選手だし大丈夫ですよ」

「あのあたりには熊もいますし、それこそ獣のような男たちもウジャウジャいますよ」

「私たちキャンプ同好会はすでに日本中のキャンプ場に行っているので、もう普通のキャンプ地では満足出来ないんです」

「それでは我々、方形大学のキャンプ部と一緒に行くことにしませんか?」


 ・・・・・・・・


「皆さんのメンバーの写真はありますか?」

「ラインで写真を送ります」


 ライン!


「・・・・・」

「・・・・・」

「6人の中に、2匹ほど熊が混ざっていませんか?」

「写真の何番目と何番目ですか?」

「一番左と右から2番目です」

「ああ、二人とも髭が濃くて、2泊3日のキャンプのあとだったので、そう見えるのかも知れませんね。間違いなく人間です」


 ・・・・・・・・


「それと、左から2番目の男性は、どう見ても反社ヤクザに見えますけど」

「彼は反社ではなくて、反社の役を専門にやっている俳優です」

 

「右端の男性は、日本人では無さそうですね」

「はい、彼はクロマニョン人の直系で、国籍はドドンゴです」

「ドドンゴって国、どこにあるんですか?」

「モモンガ王国の隣です」

「そのモモンガ王国って、どこにあるんですか?」

「男性の憧れ、パンチラ公国の斜め前方です」

「・・・ナナメ前方って・・・」


「写真中央左側の男性は、とてもハンサムですね」

「彼はハンガリー人です。子供の時からテレビに出ていたそうです」

「なんか彼の取り合いになりそうな気がします」

「残念ながら彼はゲイハードですよ」

「それなら大丈夫です。私たちの魅力で落としてみせますわ」

「相当自信がありそうですね」

「お会いしたらわかりますわ」

「それは楽しみだな・・」


「最後に写真中央右側の男性ですが、日本人ですか?」

「はい。彼こそは縄文人の直系の血を引く、チャキチャキの日本人です。縄文人の特徴である彫りの深い顔をしていて、女性にも大変人気があります」


「共同キャンプ検討して頂けますか?」


「分かりました。2日以内にご返事したいと思います」

「最後に確認なんですが、同好会の皆さんは皆、独身なんですよね?」

「もちろんです。バツイチすらいません」


「ありがとうございます。良いご返事を期待しています」

「ちなみに当日は現地集合になります。他の同好会と間違われない様に、私たちの写真もラインして置きますね」


 ライン!


「うわっ、みんな美人ですね・・・」

 

 ・・・・・・・・


「なんかこの写真、色が合成っぽくないか」

「しかも、来てるキャンプ服がやけにクラシックですね」


 ・・・・・・・・・


「やべっ、大変なもの見つけちゃった」

「クロマニョン、どうした?」

「右下に、昭和30年撮影って書いてある・・・」

「昭和30年って、1955年だよな・・・」

「当時20歳だとすると、87歳か・・・」

「でも全員独身でバツイチなしって・・・」

「旦那さんたちは既に先立っちゃってるんだよ」

「どおりで日本中のキャンプ場行きつくしちゃってる訳だ・・」

「おい、縄文。どうする?」

「まあ、これも乗りかかった船だし、おばあちゃんたちを熊ややさぐれ男から守ってあげるのも我ら方形大学キャンプ部の使命と考えよう・・・」


 ・・・・・・・・


 僕は盗聴アプリを切った。

「方形大学キャンプ部か・・・」


 パチパチパチ。

 パソコンのキーボードの音。


「おっ、あった。方形大学とは防衛省直轄の国際大学。国の防衛を担う若者を育成することを目的に創立された。特にキャンプ部は、国の防衛の最前線を担うエリート国際集団。各種武器のみならず対人戦闘の専門家か・・」


 

 パチパチパチ。

 パソコンのキーボードの音。


「黒山女子大学。昭和28年創立。国の防衛を担う勇敢な子孫を生み育てることを唯一の目的とする女子大学。有事の際に子供たちを守り抜くことが出来る様、全員がキャンプ同好会に入会することが義務付けられている。柔道、空手、合気道等の武術を体得し、キャンプをしながら国防に足る男性を物色。それに足ると判断された男性とはキャンプ中に濃厚接触。キャンプ中の妊娠、出来ちゃった婚の実績多数。ちなみに、チャラい男性を振り落とす為、ラインで送る写真には、初代キャンプ同好会の写真が使われる・・」


「スゲー・・。今どきこんな女子大があったんだ・・」


「方形大のキャンプ部なんて、もろターゲットじゃん」


「240人いる女子大生の中から、どんなメンバーが選ばれるんだろう?」


「方形の勇士たち、びっくりのサプライズじゃん」


「てか、クロマニョン君の相手はいったいどんな女性なんだろう・・・」

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