レイバイ探偵2
無料版のアプリを起動した。
アプリ側が勝手に選択した電話番号につながった。相手の電話番号は表示されない。
全く知らない他人の会話。胸が高鳴る。
・・・・・・・・・・・・・・
「私のペットがおかしくなりました」
「ペットとは?」
「2歳のオスのマルチーズです」
「どんな風におかしいんですか?」
「オナラをして、ニヤリと笑うんです・・・」
「・・・・・」
・・・・・・・
「・・そのオナラはくさいですか・・?」
「・・若干、刺激臭があります・・」
「・・音は・・・?」
「・・ブーーー、ピュルルルル・・・的な・・」
「・・・・・・・」
・・・・・・・
「・・毎日ですか・・・?」
「・・はい、決まって夜の9時ごろです・・」
「・・いつ頃から始まりました・・・?」
「・・2か月まえです。最初は3日に1度くらいだったんですが、やがて毎日に・・」
・・・・・・・
「・・2か月前に何かありましたか・・・?」
「・・・・・・」
・・・・・・・
「・・正直に話して貰えないと、正確な霊視は出来ませんよ・・」
「・・付き合ってた彼と別れました・・」
「・・原因は何ですか・・・?」
「・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・
「・・正直に話して貰えないと、正確な霊視は出来ませんよ・・」
「・・一緒に寝ている時に、オナラをしてしまって・・・」
「・・あなたがですか・・?」
「・・はい・・」
・・・・・・・・
「・・そのオナラはくさかったですか・・?」
「・・若干、刺激臭がありました・・」
「・・音は・・・?」
「・・ブーーー、ピュルルルル・・・的な・・」
「・・・・・・・」
・・・・・・・・・
「・・その時の彼の反応は・・・?」
「・・寝ている感じで、何もしませんでした・・が・・」
「・・・が・・・?」
「・・向こう側に寝返りを打ちました・・」
・・・・・・・・・
「・・別れを切り出したのは・・?」
「・・彼が、家に来なくなりました・・」
「・・電話はしましたか・・?」
「・・いえ、ヘタレと言われるのが怖くて・・」
・・・・・・・・・
「・・状況が分かりましたので、霊視をさせて頂きます・・」
「はい、宜しくお願いします」
・・・・・・・・・
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・うっ・・」
「・・・・・」
「・・・げほっ・・」
・・・・・・・・・
「・・・うっぷ・・・」
「先生、大丈夫ですか?」
「黙って!」
・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・」
「・・・げほっ・・・」
「・・キョーーレツ・・」
「・・これって、ぎょーざか・・?」
「・・うえっ・・・」
「・・これ、ニラだろ・・・」
「・・便秘で、1ヵ月分くらいたまってたんじゃネーの・・・?」
・・・・・・・・・
「先生!」
「・・・うんちの間、駆け抜けて来たやつだろ・・」
「ジョウズカ・ヘタカ先生!」
「・・・・・?」
「先生、もう結構です!」
「・・・・・?」
・・・・・・・・・・
「料金はお支払いしますので、お引き取り下さい」
「・・私、何か言いました・・?」
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私は盗聴アプリを切った。
「・・2歳のオスのマルチーズか・・・」
「確か犬って、人間の何倍も鼻が利くんだよな・・・」
・・・・・
「・・・哀れだな・・、そりゃー、なんか抵抗したくなるよな・・・」




