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盗聴アプリ  作者: マーク・ランシット


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22/49

ダイハード

 有料版のアプリを起動した。


 対象者は電話をしていない。盗聴が始まった。

 友人であるドン2社員から聞き出した、ライバル会社ハジテレビプロデューサーの仕事上の会話。

 何としても次の企画で高視聴率を稼ぎださなければ、番組も俺の将来もない。


 ・・・・・・・・・・・・・


真根下まねしたプロデューサー、平均視聴率13.4パーセント達成おめでとうございます!」

「ありがとう。やはり、水戸コーモンの5大ヨーソは永遠に不滅だな・・・」

「・・パクった、中学生のアイデア様様ですね・・」

「・・チゲーし、それ絶対、チゲーーし・・・」

「・・あっ、すいません。視聴者参加型ドラマでしたね・・・」


 ・・・・・・・・沈黙。


 コホン。


「・・プロデューサーが固執されてた、007についても、最終的にはスパッと切り替えられて、イイ感じのタイトルになりましたね・・」

「・・キラーポリス13(サーティーン)の事だね・・、やっぱり長いタイトルは、特番の時にしか使わないホーが良いと判断したわけだ・・・」

「・・さすがですね・・・」


「・・あと、賞味期限ギリギリ大女優のモロダシ演技、あれは中高年男性のイチモツを鷲づかみにしましたよね・・・」

「・・なんというのかね・・、女優で居続けようという執念とでも言うのかね・・・、胸ボヨンボヨンの・・お尻プリンプリンの・・・、太ももギリギリのジュワーーで、中高年のジジジ達も久々に・・・行ったんじゃ・・、いや、行かされちゃったんじゃないのかな・・・」

「・・・・・」


 ・・・・・・沈黙。


「・・また、出しちゃいますか、あの女優・・・」

「・・いや、しばらく出さずに中高年男性どもを焦らしてあげよーじゃないか・・・」


 ・・・・・・沈黙。


「・・スケボー巡査と角刈り巡査も、中年女性から高評価だったらしいですよ・・・」

「・・やっぱり中年女性は、ピチピチのジャニーズ系を出さないと食い付いて来ないからね・・・」

「・・・あと、殺しの仮免許を出すときの決め台詞ゼリフ。あれも評判良かったですよ・・・」

「・・あー-、あれね。・・・僕たち失敗なんて気にしないよ!、だって、僕たちまだ、仮免許だもー-ん・・・」

「・・そのせいで、通行中のサラリーマンが3人死にましたけど、視聴者からのクジョーはありませんでしたからね・・」


 ・・・・・・


「最後はやっぱり主人公のデューク西郷につきますね。50歳と言うのにあの筋肉美。中高年女性の視聴者の中には、失神者も出たらしいですよ・・・」

「・・・ベッドで悶えるオキヌを冷静に見つめるあの目。オキヌのウイークポイントを必要に攻めまくる冷徹な性技。・・お茶の間の中高年女性たちは、久々に・・XXXピーーーたんじゃないのかね・・・」

「・・やきもちを焼いた男性視聴者からは、死の境を潜り抜けて来た男の背中にしては奇麗すぎるというクレームも来てるらしいです・・、次回からはキズを何カ所か入れましょうか?」


 ・・・・・・・・


 私は、盗聴アプリを切った。

 私の横には、TV夕日のドラマ担当プロデューサー。


「何の事はない、あいつら中学生のアイデアパクっただけなんですね・・」

「この世界ではパクリなんて当たり前の事だよ」

「それじゃあ、我々もパクってやりましょう・・」

「007もゴルゴもダメだ。別の要素で勝負しようじゃないか」


 ・・・・・・・・


「我々のドラマは深夜枠だから、色物で攻めることにしよう」

「じゃあ、オキヌ役の女優でも使いましょうか?」

「それもいいアイデアだが、直ぐに使うのはヤメテおこう」


 ・・・・・・・


「あの真根下プロデューサーは、007にこだわりがあったみたいですね・・」

「私の好きな映画は、MIシリーズとダイハードなんだよね・・。ハンサムな刑事と少しくたびれた中年刑事のコンビ・・・」

「・・・相棒的な・・・」

「・・・チゲーし、それ絶対、チゲーし・・・」

「・・・プロデューサー、あんま熱くなんないでください・・」


 ・・・・・・・・・・


「タイトルだけは、決まったぞ・・・」

「・・何でしょうか、プロデューサー・・?」


 ・・・・・・・・・・


「ゲイハード・ノーペイン・ノーダーディー」

「・・・・・・・」

「・・・どうだ・・・?」


「・・なんか、ケツの穴がモゾモゾするようなタイトルですね・・・」

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