言ったもん勝ち
無料版のアプリを起動した。
相手は電話をしていない。盗聴が始まった。
どんな会話が待っているのか・・・。胸が高鳴る。
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「おいっ、おまえ、何を嗅ぎまわってるんだよ・・・」
「えっ、ボカー、ナンモしてないすよ」
「とぼけんな! 高木の差し金だろー-。分かってんだよ、コノヤロー-」
ボカッ。
「痛っ」
ゴン。
「ぐえっ・・」
・・・・・・・・
「い、いきなりナニすんすかー-。あー-、痛てー--」
「オメー、正直に話さねーと、生きて帰れねーぞ・・」
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「いいから、高木の差し金だって、白状しろっ・・・」
「た、タカギって誰ですか、オレ、ホントーに知らねっすよ」
ボカッ。
「痛っ」
ゴン。
「ぐえっ・・」
「け、警察に通報しますよ・・・」
「お前、バカだろ。この状況で、どうやって警察に通報出来るんだよ・・」
ジャンジャジャーーン。
「あー-、あんたたち知らないんスカー-、俺、盗聴アプリっていうソフト使ってるんですよ・・」
「なんだー-、トーチョーアプリって・・?」
「今、どんどんダウンロード者が増えてて、無料で使えるんですよ・・・」
「だから、なんだよ、トーチョーアプリって・・・」
ジャンジャジャーーン。
「例えば、今のこの会話。既に、盗聴、録音されてます・・・」
「トーチョーって、おまえ電話してねーじゃないか・・・」
「ところが、摩訶不思議、僕の友人がアプリを起動して、会話を録音してるんですよ・・」
「そんな、都合のいいこと、信じろって方が無理だぜ・・」
ジャンジャジャーーン。
美人のアナウンサー登場。
「もし、あなたのお子さんが誰かに誘拐されそうになった時・・・」
ハンサムな男優登場。
「もし、あなたのご主人がボッタクリ・バーで高額の料金を請求されそうになった時・・・」
美人のアナウンサー。(以後:美ア)
「もし、あなたのオジョーサンがヤンキーたちに捕らわれそーになった時・・・」
ハンサムな男優。(以後:ハ男)
「もし、あなたのご主人が怪しげなマッサージ・ショップで高額な追加料金を請求されそうになった時・・・」
美ア。
「助けてくれるのは・・・?」
ハ男。
「ケーサツじゃ、ないよー-」
美ア、ハ男。
「盗聴ー-、アプリーーだよーー!」
・・・・・・
盗聴している人。(以後:ネクラ)
「なんだよ、CMかよー-」
「・・てか、美アとか見えてネーし・・」
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ウーーー、ウーーーー、ウーーーー
「兄貴、あれはサイレンの音ですね・・・」
「ただの、偶然だよ、気にするんじゃねー-」
ドンドンドン。
「おい、警察だ。そこにいるのは分かってんだぞ。このドアを開けるんだー-」
「や、やばい本当に警察が来ました」
「逃げろ・・・」
・・・・・・
「あー、助かった。もう少しで殺されるところだった・・。良かったー-。盗聴アプリのお陰で命拾い出来たんだ・・。友達にも紹介しようっと・・・」
・・・・沈黙。
・・・・沈黙。
・・・・・・・
ネクラ
「なんだよ、CMかよー-、しょーもねー」
「・・あれ、誰か話してるぞ・・・」
・・・・・・
「警察が直ぐに飛んでくるだと・・・?」
・・・・
「そんな訳ネ~だろーが。日本の警察はそんなジョーホーじゃ動いてくれねーし、そんな素早くもネ~んだよ」
「じゃあ、ドーすれば、イーんですか?」
・・・・・・
「直ぐに動いてくれるとしたら、やっぱ信頼される探偵事務所。ジョーズカ・ヘタカ探偵事務所ですよね」
「・・ダヨネー-」
「なんなら、レーシもしてくれるしね・・」
「・・ダヨネー-」
・・・・・・
ネクラ
「なんだよ、CMかよ!」
・・・・・・・
ネクラ
「・・てか、この小説の原作者、ここのところネタ切れなんじゃねーか?」
ネクラ2
「風のウワサでは、読者からの反応も全くないし、書いてもイミネーって、スネテるらしいからな・・」
ネクラ3
「ろくな作品も書けねーくせに、スネテる場合かよ・・」
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ネクラ
「まー、ひとつだけ確かな事は、この小説の連載も長くは続かないって・・・ことかな・・・」
ネクラ2
「おい、マーク、返事くらいしろよ!」
ネクラ3
「あいつ、どうせ誰も読んでくれてネーんだから、書きなぐりっぱなしでも構わない思ってるんでしょーね」
ネクラ2
「おい、マーク。おまえ書き散らかして終わるつもりかよ。おい・・」
・・・・・
「おい・・、オレは、おまえの小説、結構好きだぜ・・・」
・・・・・・・
「えっ?」




