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盗聴アプリ  作者: マーク・ランシット


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19/49

言ったもん勝ち

 無料版のアプリを起動した。


 相手は電話をしていない。盗聴が始まった。

 どんな会話が待っているのか・・・。胸が高鳴る。


 ・・・・・・・・・・・・・


「おいっ、おまえ、何を嗅ぎまわってるんだよ・・・」

「えっ、ボカー、ナンモしてないすよ」

「とぼけんな! 高木の差し金だろー-。分かってんだよ、コノヤロー-」


 ボカッ。

「痛っ」


 ゴン。

「ぐえっ・・」


 ・・・・・・・・


「い、いきなりナニすんすかー-。あー-、痛てー--」

「オメー、正直に話さねーと、生きて帰れねーぞ・・」


 ・・・・・・・・


「いいから、高木の差し金だって、白状しろっ・・・」

「た、タカギって誰ですか、オレ、ホントーに知らねっすよ」


 ボカッ。

「痛っ」


 ゴン。

「ぐえっ・・」


「け、警察に通報しますよ・・・」

「お前、バカだろ。この状況で、どうやって警察に通報出来るんだよ・・」


 ジャンジャジャーーン。


「あー-、あんたたち知らないんスカー-、俺、盗聴アプリっていうソフト使ってるんですよ・・」

「なんだー-、トーチョーアプリって・・?」

「今、どんどんダウンロード者が増えてて、無料で使えるんですよ・・・」

「だから、なんだよ、トーチョーアプリって・・・」


 ジャンジャジャーーン。


「例えば、今のこの会話。既に、盗聴、録音されてます・・・」

「トーチョーって、おまえ電話してねーじゃないか・・・」

「ところが、摩訶不思議、僕の友人がアプリを起動して、会話を録音してるんですよ・・」

「そんな、都合のいいこと、信じろって方が無理だぜ・・」


 ジャンジャジャーーン。


 美人のアナウンサー登場。


「もし、あなたのお子さんが誰かに誘拐されそうになった時・・・」


 ハンサムな男優登場。


「もし、あなたのご主人がボッタクリ・バーで高額の料金を請求されそうになった時・・・」


 美人のアナウンサー。(以後:美ア)


「もし、あなたのオジョーサンがヤンキーたちに捕らわれそーになった時・・・」


 ハンサムな男優。(以後:ハ男)


「もし、あなたのご主人が怪しげなマッサージ・ショップで高額な追加料金を請求されそうになった時・・・」


 美ア。


「助けてくれるのは・・・?」


 ハ男。


「ケーサツじゃ、ないよー-」


 美ア、ハ男。


「盗聴ー-、アプリーーだよーー!」



 ・・・・・・


 盗聴している人。(以後:ネクラ)

 

「なんだよ、CMかよー-」

「・・てか、美アとか見えてネーし・・」


 ・・・・・・・・


 ウーーー、ウーーーー、ウーーーー


「兄貴、あれはサイレンの音ですね・・・」

「ただの、偶然だよ、気にするんじゃねー-」


 ドンドンドン。


「おい、警察だ。そこにいるのは分かってんだぞ。このドアを開けるんだー-」


「や、やばい本当に警察が来ました」

「逃げろ・・・」


 ・・・・・・


「あー、助かった。もう少しで殺されるところだった・・。良かったー-。盗聴アプリのお陰で命拾い出来たんだ・・。友達にも紹介しようっと・・・」


 ・・・・沈黙。

 

 ・・・・沈黙。


 ・・・・・・・


 ネクラ


「なんだよ、CMかよー-、しょーもねー」



「・・あれ、誰か話してるぞ・・・」


 ・・・・・・


「警察が直ぐに飛んでくるだと・・・?」

 ・・・・

「そんな訳ネ~だろーが。日本の警察はそんなジョーホーじゃ動いてくれねーし、そんな素早くもネ~んだよ」

「じゃあ、ドーすれば、イーんですか?」


 ・・・・・・


「直ぐに動いてくれるとしたら、やっぱ信頼される探偵事務所。ジョーズカ・ヘタカ探偵事務所ですよね」

「・・ダヨネー-」

「なんなら、レーシもしてくれるしね・・」

「・・ダヨネー-」


 ・・・・・・


 ネクラ


「なんだよ、CMかよ!」


 ・・・・・・・


 ネクラ

「・・てか、この小説の原作者、ここのところネタ切れなんじゃねーか?」


 ネクラ2

「風のウワサでは、読者からの反応も全くないし、書いてもイミネーって、スネテるらしいからな・・」

 

 ネクラ3

「ろくな作品も書けねーくせに、スネテる場合かよ・・」


 ・・・・・・・・


 ネクラ

「まー、ひとつだけ確かな事は、この小説の連載も長くは続かないって・・・ことかな・・・」


 ネクラ2

「おい、マーク、返事くらいしろよ!」


 ネクラ3

「あいつ、どうせ誰も読んでくれてネーんだから、書きなぐりっぱなしでも構わない思ってるんでしょーね」


 ネクラ2

「おい、マーク。おまえ書き散らかして終わるつもりかよ。おい・・」


 ・・・・・


「おい・・、オレは、おまえの小説、結構好きだぜ・・・」


 ・・・・・・・


「えっ?」

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