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盗聴アプリ  作者: マーク・ランシット


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18/49

レイバイ探偵

 無料版のアプリを起動した。

 アプリ側が勝手に選択した電話番号につながった。相手の電話番号は表示されない。


 相手は電話をしていない。盗聴が始まった。

 全く知らない他人の会話。胸が高鳴る。 


 ・・・・・・・・・・・・・


「土門警部補、警察以外の人間を現場に入れて貰っては困ります!」

「科捜研の榊マルコ研究員、すまんがこれは緊急事態だ・・」

「緊急事態って、どういうことですか?」

「京都府警本部に第二の殺人予告があった。予告時間まで、あと2時間しかない・・・」


 ・・・・・


「それで、そこにいる女性は誰なんですか?」

「レイバイ探偵のジョーズカ・ヘタカさんだ・・」

「どこの国の人ですか?」

「メキシコ人と日本人のハーフだよ。でも育ちはアメリカだ・・」

「とても綺麗な人ですね・・・」


 ・・・・・


「榊研究員。現場に私情を持ち込んで貰っては困るんだよ・・・」


 ・・・・・・


 コホン・・。


「・・レイバイ探偵を使って、何をするつもりなんですか?」

「予告犯の話では、ここで殺害されたヤマダ・ゲンキ氏に第二の殺人現場を聞けと言ってるんだ・・」

「死人に聞けと・・・?」


 ・・・・・・


「とにかく時間がない。ジョーズカさん、宜しくお願いします」

「コピー。リョーカーイでーす」


 ・・・・・・


「・・・うっ・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・うっ・・・」

「・・・・・・・・」


 フーーー。


 ・・・・・・


「うっ・・、くっ、苦しい・・、ヘルプ・・、オーマイガッ・・・・」

「・・・・・・・」

「ストップイット・・、ストップイット・・」


 フーーーー。


 ・・・・・・


「・・・アイガットイット・・・」


 ・・・・・・


「ドモンさん。分かりましたヨ・・」

「すごい汗ですね・・、ご苦労様です・・・」

「・・フーーー・・・」

「で、第二の殺人現場はどこですか?」


 ・・・・・・・・


「シブヤー・・の、ダイサンシブヤービルの505・・・デース」


 ・・・・・・沈黙。


「あっ、京都府警本部ですか、土門です・・」

「場所は分かったか?」

「はい。渋谷の第三渋谷ビルの505号室だそうです・・・」


 ・・・・・・沈黙。


「あっ、はい・・・、はい・・・、じゃあ、直ぐに本部に戻れってことですね?」


 ・・・・・・


「あのー、それで、連絡のホーは?」


 ・・・・・・


「・・あー-、しなくっても、イー・・、京都府警はレイバイ師に頼っていると、笑われる・・・、なるほど・・」


 ・・・・・・


「ジョーズカさん。今日はご苦労様でした。後日、5000円の図書券を送って置きますので・・・・」



 ・・・・・・・・・


 私は、盗聴アプリを切った。


「警察間のメンツも分からんでもないけど・・・、そのせいで渋谷で誰かが殺されるんだなー-、俺、埼玉だから関係ネーけど・・・」


 ・・・・・・・・・


「・・てか、セッカク殺害されたヤマダ・ゲンキさんの霊を呼び出したんだから、ついでに犯人の名前も聞いておけば良かったのにな・・・」


 ・・・・・・・・・


「・・そっか、それだと、科捜研の榊研究員の出番がなくなっちゃうんだな・・・」


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