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先輩の話

「俺さー。あっと言う間だったんだ!そっちは?」


「事故です」


「そっかー、死ぬってやだよな」


「はい」


「実感沸いた?」


「わかないです」


「だよなー、思ったより一瞬だったよな」


「確かに、そうです」


「次に、目覚めたらここだったって感じ。わかる?」


「わかりますよ」


懐かしい、先輩の声だな!


「早見に会えると思わなくて、何か嬉しかったわ!人間って、生まれても死んでも一人って本当だな」


「そうですね」


「だけど、早見に会えたから寂しくなかったわ!ありがとな」


「はい」


「じゃあ、行くわ」


「あの」


「何?」


「怖くないですか?」


「怖いけど、かみさんに会えないよりましだろ!早くいけば、また会えるかもしれないだろ?だから、行くよ」


「そうですね」


俺は、先輩と握手をした。


先輩は、チビッ子に連れられて消えていった。


しがみついてる俺なんかより、めっちゃかっこよかった。


パチン…。


「天ちゃん、帰ってきたから」


「あざーす」


「どうも」


「じゃあ、再生します。ポチっ」


【未来を想像して♪夢を語った日々を♪】


「間違えました」


「今のは…」


「大好きなアイドルの皐月です。人チケットで、一週間滞在しました。毎日、皐月にまみれてました。じゃあ、こっちっす」


てへぺろしている。


再生された。


「翔ー。何でー、何でよ」


「母さん、やめなさい」


「だって、翔がー」


お墓にしがみついてる母親の姿が映ってる。


父親は、やめなさいを繰り返した。


暫くして、いなくなった。


「さーせん。開けます」


そう言って、天ちゃんはお墓を開けた。


「あー、どれが翔かわかんないっす」


骨壺が、3つ映し出された。


「でも、どれかですよね?マジ、わかんないわー。どうしよっかな?」


天ちゃんは、困った顔をしていた。


「まあ、いっか!とりあえず、翔は骨でーす」


そして、画面が切り替わる。


「翔君が亡くなったって知らなかったんです。」


天ちゃんは、母さんに家にあげてもらっていた。


仏壇に、祖父母の写真と俺が映っている。


母さんと父さんが、泣いていた。


俺は、親不孝ものだ。


「以上でーす」


天ちゃんの動画は、終わった。


「死んだんだな、マジで」


「どれが、翔かわかんなかったけど、いたわ」


「信じたか?」


「ふざけんなよ!何で俺なんだよ」


「それは、わかんないし」


「何でだよ」


涙が、ポロポロ流れてくる。


「下界に降りてくるか?」


「まだ、1000体」


「いったよ!さっき」


「よかったじゃん!これで、復活できるじゃん!肉体なくたって、よかったじゃん」


天ちゃんに背中を叩かれた。




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