奇襲
ー春は突然やってきた
「殺しにきたよ」
ー音は止まり、鼓動は早くなる
恐怖だった。ナイフまで持ってる。
唾を飲み込み。身動きがとれなくて、
なぜか心まで不自由になった。
なぜ人の家に押し込んできて、
そんな事を言い出すのか?
こいつとは幼馴染みだ。
名前は相川春。♀。
同じ中学で、同じ高校。クラスも同じだ。
関係は至って普通で、別段恨みを買うような。事は、してない。
なのに、何故だろうか?
聞いてみるのが一番良い。だから聞いてみた。「どうしたんだよ?急に…殺すって」
視線は一直線に向けられていた。
返事はない。無言の圧力だ。
『殺す』とか、まじか?ナイフ持ってるし。
状況を把握できず、混乱していると………
バタン。
無言で家から出ていった。
一体なんなんだ?意味がわからない。
とりあえず、息を呑んだ。
ー次の日、登校日
春とは同じクラスだが、あいつは今日学校に来てないのだろう。きっと大変な事態に巻き込まれていて、
気が狂ってるのだろう。そう思ってたら、
普通にいた。なんでだよ。
窓際の席で、昨晩の出来事がまるで嘘のように、いつも通りだった。
朝礼が終わり自由時間になり、話しかけようか迷った。だけど命を狙われて、どんな顔して話せばいいのかわからないから、無視した。すると…
「おはよ。田部!」
そして、机の上に座り、会話モードにはいっていた。
何の変哲もない、いつも通りだ。戸惑いながらも俺は日常会話に乗った。
だけど、昨日の『殺す』はなんだったのだろうか?
頭を過る。そう思って…昨晩の事を、タイミングを見計らって冗談っぽく聞いてみた。
「それより。殺すとか、やめてくれよ。面白すぎる。ナイフまで持って、びっくりした」
「こ…の………ウジ虫」
急にふてぶてしくなる。「もういいわ」と一言残し立ち去る春。背中は怒りに満ちていた。
なぜ不機嫌になる?
昨日の『殺す』はネタじゃないのだろうか?
いやいや、ネタに決まってる。きっとネタが滑ったから不機嫌になったのだろう。そうに違いない。
肩を叩かれる。
振り向くとそれは春で。戻ってきていた。
「田部ってさ。昔、隣町まで 探検しょうて約束した時に。ヤンキー怖がって、探検しなかったよね。まじで、、
殺したいわ」
殺したいんだ…。
昨晩のナイフの記憶が甦がえらずには
いられない……………。これは真相を救命しなきゃな。幼馴染みに殺されてたまるか!




