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運命の相手  作者: maiko
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初めての2人での食事

突然の約束だったにもかかわらず、先輩はお店を予約してくれていた。

今日は遅くなっても大丈夫なようにと、僕の自宅の近くのお店だった。


「近くにこんなお店があるって知りませんでした。」

「最近できたばかりみたいだ。俺も人に教えてもらって知ったんだ。」


4卓ほどのテーブルしかないお店。

木目調の茶色がメインの店内は薄暗く落ち着いた雰囲気の音楽が流れている。

カウンターのテーブルにはお酒がずらっとならんでおり、大人の雰囲気のお店だ。


「先輩お酒飲んでくださいね。僕はジュース飲むんで。」

「ありがとう。でも、今日は遠慮しておく。」

「何でですか?」

「稔を送っていくのに酔っていたらだめだろう?」

先輩はからかうように答える。

僕はうつむいて顔を真っ赤にしながら

「この間も飲んでたじゃないですか。全然酔ってなかったですよ。」

「まー。多少飲んだくらいだとあんまり酔わないな。」

「それなら変わらないじゃないですか・・・。」

「そうだな。じゃあ1杯飲もうかな。」

「何にしますか?」

「そうだな。ワインにするか。」

手を上げ店員を呼ぶ

「これと?」

「オレンジジュースで。」

「あとはこれとこれとこれを。」

先輩はそのまま食事も注文する。

「適当に頼んだけど良かったか?」

「ありがとうございます。僕ってO型だからかこういうのってなかなか決められないんです。」

「そういうもんか?」

「少なくとも僕は苦手なんです。食べられないものもないし、選んでもらったほうが助かります。」

「そうか。」


先輩との食事は静かに終わった。

会話はたわいのないものだった。

授業にはついていけているのか、一人暮らしには慣れたのか。

ちゃんと寝ているのか、ちゃんと食べているのか。

お兄ちゃんみたいな質問に僕はクスっと笑ってしまった。


明日も授業があるため早めのお開きとした。

先輩は最初の言葉通りに僕をマンションまで送ってくれた。

ゆっくりと並んであるきながら僕は話し出す。


「友達に殺されないように気をつけろって言われました。」

「?」

先輩は何のことだかわからないといった顔で見下ろしてくる。

「今日、大学のHPで先輩の紹介があったじゃないですか?」

「ああ。」

「その時にペアの生徒が羨ましいって書かれていたんです。」

「そうなのか?」

「先輩すごく人気だし、ペアが男だってわかっても嫉妬で殺されるんじゃないかって。」

「それはないだろう?」

「そこまではないと思いますけど、質問攻めにあったりはしそうじゃないですか。だから、バレないように頑張ろうと決意したところだったのに。」

「俺が迎えに来てバレたと。」

「そうです。なので、友達に気をつけろって。」

「悪かったな。」

「謝らないでください。迎えにきてくれたことは嬉しかったですし。」

「何か言われたら俺に言え。」

「え?」

「何かあったら俺に言え。お前は俺のペアだし何とかしてやるよ。一人になるときは連絡くれれば一緒にいるぞ。」

「友達もいるし大丈夫ですよ。」

「それでもだ。」


マンションの前で先輩とわかれる。

部屋に入りお礼のラインをし、眠りにつく。


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