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運命の相手  作者: maiko
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先輩は有名人

あの後、先輩にお礼の連絡を入れた。

ご馳走になったお礼。送ってもらったお礼。無事に帰れたのかの確認。

改めてペアになったことに対して「よろしく」の思いを伝えた。


あれから1週間がたった。

先輩とは細々と連絡を取り続けている。

入学してから1か月が経とうとしていた。

ようやく大学生活に慣れてきた。


いつも通りに講義に出るために教室に入ると、奏が声をかけてきた。

「稔!大学の生徒紹介ページみたか!?」

「?」

僕がわからないといった表情を浮かべていると、隣の結城から補足説明が入る。

「大学のHPの中に新聞部がやっている生徒紹介ページがあるんだよ。学校公認で対象の生徒の承認があれば記事として掲載ができるんだ。」

そんなものがあるとは知らなかった。

この友人たちはいったいどこでいろんな情報を仕入れてくるんだろう。

僕が情報に疎いだけなのか?

「で?それがどうしたの?」

「今週の記事がお前の先輩なんだよ。」

「そうなの?」


『今週の人気生徒紹介!!


経済学部 成瀬 景くん

20歳 10月生まれ

合気道部所属 

合気道部のエースであり部長!


身長:179㎝ 

合気道で鍛えられたこの体格!

日本人離れしたこの顔で前年度のミスターコンテストの準優勝者

(ちなみに優勝者は成瀬くんのペアの先輩!!なにこのペア!!)』


「お前の先輩すごいな。」

「僕の先輩じゃなくて、僕のペアの先輩!」

「変わらないだろ?」

「変わるでしょ。」


『成瀬さんは今年度3年生になります。

当学校の制度にはパートナーシップ制度があります。

いったい成瀬さんのペアは射止めた1年生はどんな子なんでしょう。

うらやましい限りですね。』


記事の最後にはペアの1年生が羨ましいといった綴りがあった。

結城がじとっとした表情を浮かべながら忠告をしてくる。

「お前、秘密裏に誰かに殺されないように注意しろよ。」

「やめてよ。縁起でもない。」

でも、正直言うと記事を読んだときにちょっとゾクっとした。

先輩のペアであることを知っているのは、ここにいる2人と遅刻ギリギリなのかまだ来ていない大地のみだ。

知られたら男だからってのは容赦なくナイフで刺されるくらいはありそう。

なるべく知られないようにしようと心に決めた。


だらだらしながら講義は始まるのをまっていると、ハーハーと息をきらした大地が勢いよく教室に入ってくるのが見えた。

後ろから講師も続いて入ってきたため話をやめ授業に集中すべく体制を整えた。


*****


午後一の授業でおなかの膨れた生徒たちは睡魔と戦いながら講義を受けている。

特にこの授業の教授の声は眠気を誘う。

ぼーっとしながら授業を受けながらふと先輩に記事のことでも連絡してみようかといった考えにいたった。

軽い気持ちで先輩に記事のことについて連絡を入れてみる。


『先輩。大学のHPの記事みました。』

すぐに携帯が震え、返信が来たのがわかる。

『そういえば今日アップするって連絡がきていたな。見たのか?』

『友達が教えてくれたんです。』

『どうだった?』

『先輩はカッコいいですね。腹筋うらやましいです』

『どこみているんだよ』

『僕いくら筋トレしても筋肉つかないんです。どうしたらそんなになるんですか?』

『普通に部活しているだけだけどな』

『ずるいです』

『今何してるんだ?』

怒られるかな?思いながら正直に白状する。

『授業中です』

『授業に集中しろ。今夜予定あるか?』

注意はされるが、先輩も連絡をやめる気はないようだった。

『特に何もないです』

『なら飯にいかないか?』

いきなりの先輩の誘いにドキっとする。一瞬戸惑うが、

『わかりました』

『何限で終わる?』

『今日は5限まであります。』

『わかった。後でまた連絡する。ちゃんと授業受けろよ』

改めて授業を受けるように注意をしたうえで連絡を終了してしまう。

『はい。また後で』

先輩とのラインを閉じ、携帯を鞄の中に閉まった。


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