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運命の相手  作者: maiko
17/24

景の思い②

*****


1週間後


パートナーシップ制度のペアの発表があった。

なんと俺のペアは稔あった。

こんな奇跡はあるだろうか?

出会いの場をどうやって設定するのか色々な想定をしていたが計画は不要だった。


いきなり2人きりであうと警戒される可能性もある。

まずは親しい先輩の位置を獲得しなくては。


パートナーシップ制度の案内メールに記載されている稔の学内メールにメールを送った。


『題名:無題

はじめまして。

成美 稔のメールであっているか?

ペアになった広瀬 景だ。

これから2年間よろしくな。

どこかで会えないかと思っているんだが、予定を聞かせてほしい。

はじめは2人だと緊張するだろうから、俺の友人のペアと一緒に食事でもできればと思っている。

来週の都合の良い日があれば教えてほしい。

連絡を待っている』


少し素っ気なかったかとも思いながら当たり障りのないメールを送る。

章に協力してもらい初回の食事会の予定を立てる。

章としても初対面の相手と2人で食事をすることは苦痛らしくするに了承してくれた。


心が落ち着かず携帯を持ったままソワソワと返信を待つ。

携帯が震えメールを開く。

『題名:はじめまして

はじめまして。

連絡ありがとうございます。

商学部 1年の成美稔です。

こちらこそ2年間よろしくお願いします。


来週の予定ですが。特になにもありません。

先輩方の都合の良い日程を指定してもらえると助かります。

よろしくお願いします。』


食事について了承のメールだ。

どんな顔をしてこのメールをしているのだろうか?

会うのが楽しみだ。


稔は何が好きだろう?

どんなお店が好きなのだろう?

最初は緊張しないラフがお店がいいだろう。

親しくなったらいろんなお店に連れて行こう。

稔が好きなものを聞いて、行きたいところを聞いていろんなところに連れ出そう。


*****


食事会当日


「いよいよだな。」

章がにやにやしながら話かけてくる。

「ああ。」

少し緊張してくる。あの時依頼初めて面と向かって話をする。

稔は俺のことなんてきっと覚えてないだろう。


話の中で稔の誕生日は4月2日であるとわかった。

うかつだった。誕生日までは調べていなかった。

今年はもう終わってしまったが来年以降は俺がそばにいてしっかりを祝ってやることを心にきめた。


食事会も終盤にさしかかり章が突然声を上げた

「あー安心した!俺のペアの後輩が大地でよかったよ。

俺たちも緊張していたんだぞ。初めてのペアの後輩だからな。変な奴だったらどうしようってな。」

確かにそうだ。俺は稔だとわかっていたが、章は今日までどんな奴がペアなのかわからなかったのだ。自分のことばかりで章の緊張に気づくことができていなかった。


章と大澤は2人で盛り上がっている。

章のペアも良い奴であり俺も安心した。

ふと視線を感じた。

上目づかいになりながら稔が恐る恐るこちらを見上げてみる。

稔と視線がぶつかる。

「俺も稔でよかったよ。」

フッと笑いながら稔に告げる。

「稔も楽に話してくれてかまわないからな。それに苗字じゃなくて名前でいいからな。」

と告げると

「ありがとうございます。僕も先輩でよかったです。徐々にでお願いします。景先輩。」

と、顔を真っ赤にしながらこたえる姿をとてもいとおしく思う。


その後、どさくさにまぎれながら稔を自宅まで送っていった。

稔のマンションは俺の自宅から近い距離にあった。

これで稔の住んでいる場所もわかった

個人的な連絡先も手に入れることができた。

我ながら少しストーカーみたいだなと思いながら稔のマンションを後にした。



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