前世の話
剣と魔法の世界の学園に悪役令嬢と呼ばれた少女がいた。
彼女は王妃になる事が生まれたときから決まっていた。
そのため幼いときから王妃教育を受けていた。
親ともあまり会うこともなく愛を知らずに育った彼女は自分を含めた誰も愛することが出来なかった。
そんな彼女を愛する人もまた居なかった。
今、学園では嵐の前の静けさの状態だ。
ある日、聖女の適性を持つ少女が編入してきたのだ。
編入生は貴族の庶子の生まれで貴族としての常識が無かったのだ。
そんな編入生の言動に高位貴族の男子生徒は惹かれていった。
悪役令嬢と呼ばれるようになる彼女の婚約者も編入生に夢中だった。
婚約者がいる男子までも侍らしている編入生への女子の目は厳しかったが、手をあげる事はしなかった。
手あげるのは貴族として有り得ないからだ。
その事で計画が狂ったのが編入生だ。
その編入生は前世の記憶があったのだ。
計画ではいじめられることで今の立場をもっと強固なものにする予定だった。
が、それは狂った。それならと自作自演。
そしてそれを悪役、つまり王太子の婚約者のせいにした。
そして王太子の婚約者だった少女は冤罪により死刑にされた。
でっちあげだったが彼女の味方は誰一人居なかった。