空漠
独白シリーズ3話目。BLに近いので苦手な方はブラウザバックお願いします
それは例のイケメン学生、永倉奏志君と仲良くなった次の日のこと。
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月曜日の昼休み。いつものように友人とご飯を食べている。
ちなみに今日の僕の昼食はパンだったりする。
「そういやさ、昨日お前カフェ行ったろ?」
一緒に食べていた友人、藤堂水斗がそう言いながら携帯の画面を見せてきた。
そこに映っていたのは…
「おぉ…いつの間に」
まぎれもなく僕だった。
カフェに行ったのは昨日のこと。今僕に携帯を見せた友人は相変わらずのドタキャン癖を披露した。仕方がないので買い物をしていたところでイケメン学生の永倉君と出会い、一緒にカフェで小説の話をしたりした。大まかにはそういうことである。
「何処から撮ったの?昨日合コンとか言って…あぁ、ごめん」
「なぜ謝った。俺がいなかったんだから撮った奴はわかるだろ?」
「じゃあ、質問を変えよう。なぜミナがその写真を持っているのか」
「決まってるだろ。奏志がなんか送ってきたからだよ」
確かに、それ以外に手に入れる方法なんてそうないだろう。そこで、もうひとつの疑問が浮かぶ。
「何で奏志君の連絡先を知ってるんだ?」
何より不思議な点だ。僕は昨日合ったばっかりだし、ミナと仲がいいなんて全く知らなかった。
「まぁ…昔からの知り合いってとこかな…。てかさ、お前これ、男二人でカフェってことだろ?どうなわけよ」
はぐらかされた気がする。言いたくないようだから深く追求せずにおこう。
「別に、なんとも」
本心である。周りの目が少し痛かった気もするが、今時珍しくもないだろう。スイーツ男子なるものがはやっているくらいだ。
「あ、そう。まぁ、樹だしなぁ」
僕だし、とはなんだ。そう思いながら僕は無言で次のパンの袋を開ける。
「…お前さっき食べてたパンなんだっけ」
「ん?メロンパンだけど」
「今あけたのは」
「チョコパンだけど。何か」
「……それでよく太らないっていうか体壊さないよなぁ」
言われてみれば全部菓子パンなことに気づく。
「あぁ…。次から気をつけるよ」
「前も同じこと言ってた気がするぞ」
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放課後、部室にて
水斗はメールを開く
「なかなか面白いことになってんなぁ…」
奏志からのメールには
『お前と同じ学年にこの子いるよね!?樹君っていうんだけど!』
と書かれていた
「知り合いだったらなんなんだろうなぁ。さて、もうそろそろかな…」
にやにやと笑いながら水斗は画像付きのメールを送信した。
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「うわああああ水斗グッジョブ!」
乗り込んだバスで奏志が急に小声ながらも叫んだのを聞き樹が驚いたのはほんの数分後の出来事だった。