AクラスとDクラス
【AクラスとDクラス】
4話2部
それから時は過ぎ、私と弟は王様直属の騎士団に入ることになった。
この王国の騎士団はクラスという制度が設けられている。
そのクラスごとに色も分かれている。
王の認めた強さ・信用・信頼のクラスが【赤・Aクラス】
王の認めた強さのみのクラスが【青・Bクラス】
騎士団員が認めた強さのみのクラスが【黄・Cクラス】
そして、
認められてはないが、一定の条件をクリアしたクラスが【緑・Dクラス】
この4クラスと色に分かれている。
私と弟は騎士一家という銘柄で信用も厚かった。
その為、試験も受けずにAクラス騎士となった。
騎士に入った直後、王に呼び出しを頂き、
今までにない最高のおもてなしもして頂いた。
王室でのおもてなしが終わり、
私と弟は【騎士4クラス参列会議】に出席した。
【騎士4クラス参列会議】とはその名の通り、
4クラス全騎士が集い、情報の交換などを主に行っている。
私と弟は、共に入ったAクラス騎士と他愛もない話をしていた。
すると、後ろの方からこんな声が聞こえてきた。
「おい見ろよ、あいつらハリス騎士一家だぜ」
私は振り向かず、その人達の声のみを聞いた。
そこには、二人が会話しているようだった。
「ああ、あの紋章・・間違いねぇ。」
そう、私と弟の騎士服には紋章が描いてある。
それは、ハリス一家に伝わる騎士の証でもある。
ハリス一家は、騎士一家として有名だ。
父母共に元騎士であり、代々受け継がれている名誉の一つだ。
他の騎士と見分けがつきやすく、少し目立っている。
騎士服も一風変わっている。
私と弟以外は全身が白の防具で、
胸あたりには、A~Dによって色の異なる薔薇の証が付けられている。
その代わり私と弟は防具や証は他の騎士と変わらないが、
白いマントが付けられている。
その白いマントに紋章が少し大きく描かれているので、凄く目立ってしまう。
その為、必ず騎士達の目が痛く刺さってくる。
私は、耳だけで二人の話の続きを聞いた。
「あいつ等さ、絶対調子乗ってるよな。だって試験もやって無いのに【Aクラス】様だぜ?」
「それなー。やってられんわー。」
「あいつらがどん底に堕ちた時とか見てみたくね?」
「お!いいね~。もしも堕とす時、俺も呼んでくれよ?おなじ【Dクラス】同士で、な」
「もちろんだ同士よ。仲間は多い方がやりやすいかもなァ」
その後、二人は笑いながらこの場を後にした。
彼らはDランク同士だった。
実はDランクには二つ名“別名”が存在している。
その名も【駄クラス】
Dランクには実力があるのに対して〝認められなかった”者が集まるクラスだ。
認められなかった例とすると、【性格が悪い・口が悪い・態度が悪い・過去に問題を起こした】などの例が挙げられる。
実は私が生まれる数年前まではクラスという制度は無かった。
数年前、王国内で何者かが火矢を民家に放ち、大規模火災が起きた。
幸いにも、怪我人・死者共に0で収まった。
だが、王国の事件を捜査する騎士。通称【王国騎士捜査班】
によって、事の真相が判明した。
それは、王国騎士による犯行だということだ。
その犯行を行った騎士は事件から3日後捕縛された。
その後の調査でその騎士は重度の快楽主義者であり、
暴力・過度な酒・依存薬草をやっていたと分かった。
そこから王は今後の再発防止策として、【騎士クラス制度】を導入した。
「市民の平和を守る私たちが二度と平和を脅かさないようにする。」
という王の強い意志の元に作られた物だ。
A・B・Cの3クラスは信用を得ているが、Dだけ不名誉なイメージが付いている為、
信用を得られず、【駄クラス】と呼ばれている。
だが私はクラス制度に不満を抱いている。
これじゃまるで、Dクラスが敵と言っているようなものじゃないか。
彼らだって同じ騎士同士。
だから市民の平和を守りたいって思いで、騎士になっている筈。
なのに、Dクラスという不名誉な称号で劣等感を抱える人が少なからず居る。
今の発言だって、私への嫉妬で気がおかしくなっていたのだろう。
二人のDクラス騎士は姿を消している。
「おねーちゃん!」
突如背中に重量が伝わる。
「わ!?急にどうしたのエヴァン抱き着いてきたりして」
「いや~、久しぶりにしてみたくて・・・ねぇ、お姉ちゃん」
弟は抱き着いたまま声のトーンが変わる。
「これからは、僕がお姉ちゃんを守るからね。」
彼の一言には軽度な重みを感じる。
その騎士は今のDクラス騎士の会話を忘れさせてくれた。
「・・・ふふっ、ありがと。でも私だって戦うからね!」
「うん!でも危なくなったらいつでも呼んでね」
「もちろん。その時は頼ろうかな」
弟はにこやかな笑顔で頷き、他のAランク騎士の呼びかけに応じた。
弟は背がいつの間にか伸びていて、私の背丈を余裕で抜いていた。
体系もごつく、綺麗な仕上がりなのが触れただけで分かる。
立派になったと少し心が揺れる。
ただ、相変わらず口調は子供のままで少し面白い。
私も背は小さい訳ではないが、精々一般市民と変わらない背丈で、
筋肉は付いているがやはり男程ごつくはない。
ただ私が唯一気に食わないことがある。
それは女騎士一斉身体検査の際に・・・
「はい、バストサイズを測りますね~」
「あ、はい。お願いします」
計測中・・・
「はいAサイズですね~」
「は!?私的にはBだと思うのだけれど」
「いえ、計測した際の正確な数値ですので問題ないですよ~。Aランク騎士がAサイズってね☆」
「うぐっ・・・そうか失礼した。」
私は絶対に認めない。
バストAなんて認めない!!!
「どうしたの?お姉ちゃん俯いたりして」
「い、いやいや!なんでも無い!」
「変なお姉ちゃん。さ、もう遅いし騎士寮で寝よ!」
「う、うん。分かった」
こうして、騎士となって初めての1日が終わった。
* * *
騎士になって数日後。
私と弟は剣の鍛錬施設に移動していた。
王宮警備が無い日は鍛錬や掃除等をしている。
だから朝の鍛錬に向かっている所だ。
本当はAクラス騎士のみ、剣の鍛錬を免除されている。
だが1日に1度でもそれに触れておかないと、感覚が鈍ってしまう。
だから私と弟は自発的に鍛錬施設に向かっている。
実際自発的鍛錬をしているAクラス騎士は少なくない。
だが、鍛錬施設に行く人はそうそういない。
その理由は私が話すよりも先に決定的な会話を耳にする。
鍛錬施設付近の休憩施設でこちらを見て話す
【Dクラス】騎士が居た。
その騎士は数日前に会議で会話していた二人だった。
「おい見ろよ、あいつらAクラス様なのに鍛錬施設に向かってるぜ」
私と弟は無視をしながら進むが、わざとのように大声で話すので勝手に耳に入ってくる。
「Aクラスよりも下の奴らを嘲笑いにでも行くのかァ?w」
弟も、もちろん気づいている。
顔が険しいが、耐えているのだろう。
無言で白く綺麗な道を進み続ける
その時だった
『エマージェンシー!エマージェンシー!』
騎士寮にサイレンと共にアナウンスが響き渡る
「これは、、、緊急招集コールっ!?行こう!お姉ちゃん!」
私は即座に頷き、会議施設に急ぐ。
会議施設は鍛錬施設と逆な為、後ろを振り返り走る。
その時、一番最初に目に入った光景は、
Dクラス騎士二人が笑みを浮かべている姿だった・・・。
それを無視し、私と弟は会議施設へと走った。
次回
【対策会議と初戦闘】




