第34話 制裁
クーリッジ政権は今、一つの疑獄事件に揺れていた。
全ては前・内務長官アルバート・フォールの撒いた種だ。
フォールは、この疑獄事件により訴追され、後に
『米国の歴史上初めて入獄した閣僚』
という快挙を成し遂げている。
そもそも、この弁護士上りのフォールという人物、その生涯が黒い闇に包まれていたような人物で、政治家に転身する以前の半生において関わり合いをもった人間の中には、かの高名な“21歳までに21人を殺害した男”ビリー・ザ・キッドや、西部劇における“定番ヒーロー”パット・ギャレットの名前まであるのだ。
つまり、そういう時代に生まれた、そういう人物だったのである。
フォールの撒いた種の一つに“ティーポット・ドーム油田疑獄”というものがある。
米国の政治史上、遥か後年に発生する“ウォーターゲート事件”と並び称される政治疑惑とされる事件だ。
事件の顛末を言えば、実に単純な収賄事件であり、海軍省が所管していたワイオミング州のティーポット・ドーム油田やカリフォルニア州のブエナビスタ油田といった油田を彼の管轄する内務省の所管に移し、それを彼に多額の献金を行った国内石油企業に対して安価で払い下げた……という程度の話であって、如何にも小悪党が考えそうな種類のものだ。
これが大問題化してしまったのは、海軍省所轄の油田を内務省所轄に権限を譲渡する際に海軍長官エドウィン・デンビに対しても、献金が行われていたのではないか?という疑惑がウォール・ストリート・ジャーナルによって報じられてしまって以降だった。
この報道により、世論はもとより議会からも疑惑を追及され、更に元々、反りの合わない上司であるクーリッジ大統領からも、冷たい視線を送られ続けているエドウィン・デンビだったが、海軍次官を務めるセオドア・ルーズベルト・ジュニアの献身的な補佐を得て、不屈の闘志をもって閣僚の椅子にしがみつき続けている。
後にその閣僚陣から多数のノーベル平和賞受賞者を輩出し、米国で三本の指に入る大財閥の総帥アンドリュー・メロン財務長官や鉄道王ウィンゲイト・ウィークス陸軍長官といった大富豪を足下に鎮座せしめ、一介の流れの鉱山技師から、たった一代にして巨万の富を手に入れるというアメリカン・ドリームを体現した男・ハーバード・フーヴァー商務長官といった優秀な閣僚を登用し、重厚な布陣を敷いて“繁栄と狂騒の20年代”の指導者として時代をリードしたクーリッジ大統領であったが、彼にも悩み事はあったのだ。
さて、件の厚顔無恥なるデンビ長官であるが、東郷訪米が発表されて以降、新聞紙面に躍る文字が自らへの疑惑や批判めいたもの言いから、東郷称賛へと微妙に変化していった事に気が付いた1人でもある。
彼への疑惑は正しく事実であり、その点において彼は間違いなく有罪だった。
しかし、彼には己に対する自負がある。
先代の海軍長官ジョセファス・ダニエルズが、日本の『八八艦隊計画』への対抗策として発表した『三年艦隊計画』を無制限軍拡競争に陥ると断じ、海軍側の猛反発を抑え込み『ワシントン軍縮条約』締結を推し進め、そのホスト役を無事、務めたという自負だ。
同じく日本の全権代表として会議に参加、共に海軍の反対を押し切って締結に協力し合った仲である故・加藤友三郎とは、同じ悩みを分かち合った同志的な感情さえ抱いていた……とも言える。
良い意味でも、悪い意味でも経済感覚に優れたエドウィン・デンビという人物、決して無能では無い。
その夜、高橋是清邸を辞去した犬養木堂と尾崎咢堂は、逓信省差し回しの公用車に同乗して帰路についた。
黒塗りの公用車は、復興の兆しがようやく見えつつある東京市内を疾走する。
漆黒の闇の中、ところどころに見える灯りは人家のものではなく、その多くが陸軍工兵隊が仮設した街路灯だろう。
遠景に見ゆる灯りは、同じ灯りである筈なのに、今宵は何故か、その下に生命の息吹を感じさせてはくれない。
「なぁ、尾崎……」
公用車に乗り込んで10分、黙り込んでいた犬養がようやくにして口を開く。
「あん?」
とぼけた調子で尾崎は答えつつも、盟友の声音の底に流れる、微かに不穏な匂いを嗅ぎとっていた。
時には敵として、時には友として、長年、お互いの手の内を知り尽くした物同士にしか分らない空気の澱み、とでもいうべきか。
「……どうなるかな?」
車窓から外を眺めつつ、犬養はまるで独り言の様に呟いた。
「都市部の6割は固められるだろうが、正直、地方は3割いくかどうかだな。政友本党に日和った連中の大部分は、寝てても当選する様な地盤の強い連中ばかりだからねぇ」
犬養の言葉を受けた尾崎が、嘆息交じりに選挙結果の見通しを披露する。
しかし、その言葉が聞えなかったかのように外を眺めたまま犬養は振り返らない。
時折、通り過ぎる街路灯の灯りが反射し、その皺深い顔を窓ガラスに映し出す。
尾崎にはそんな犬養の双眸に光る物があるように見えた。
「木堂さん……?」
「あぁ……すまん。そうではなくて東郷さんの話さ。もしかしたら俺たちは……」
「うん?」
「パンドラの箱を開けちまったんじゃねえのかな……」
「何だい、今更……」
口ではそう言ったものの、尾崎にも犬養が言いたい事は直ぐに分った。
昨今の民衆達の動き、その背後に田中義一陸軍大将がいるという事に薄々、彼らは気が付いていた。
過去にも陸軍出身の山県、寺内、桂、海軍出身の山本と軍人上りの首相は存在する。
しかし、彼らの拠って立つところは常に民衆側ではなく、あくまでも国権の代弁を行う支配者として君臨していたのに過ぎない。
だが、田中は違う。
田中は民衆の代弁者として政界に殴り込みを仕掛けてきている。
尾崎は、その意味を考えるだけで恐ろしい。
民衆の声の代弁者であるべき政治家としての自分、その半生を賭けた戦い。
それら全てが否定されている様な気がしてならないのだ、他ならぬ民衆から…。
田中義一という人間が政界進出を狙う野心家である、という事については、既に数年前より気が付いていた。
しかし、その進出方法は、かっての軍人上りの政治家達と同じく『軍』と『官』に根差したものであると考えていた。
それが東郷という『生粋の軍人』が有する絶大な民衆人気を利用するという自分達の邪な考えが、これまでの
『軍人政治家(軍・官) 対 政党政治家(民衆)』
という分りやすい図式を破壊し、その境界を曖昧にしてしまった事に、今更ながら気が付いたのだ。
尾崎は想像し、戦慄する。
『軍人が民衆の代弁者となる……』
そんな時代がそこまで来ているのだろうか?と
「尾崎、もし、もしもだ……今度の選挙に与党三党が勝ったとしたら、俺は……」
犬養はそこまで言って言い淀んだ。
その視線は、相変わらず車窓の外へと向けられており、表情が窺えない。
「俺は……?」
尾崎は、何やら心に決した様子を見せる犬養の声音が只ならぬ事に不安を覚え、思わず、その言が終わる前に問いただしてしまう。
それは、盟友の
「決意を早く聞きたい」
という思いと
「言わせてはならない」
という思いが複雑に交錯したが為の善意の先走りだった。
犬養は尾崎の言葉が、耳に届かなかったか、或いはその善意を読みとったのか、一切の答えを拒否するが如く、車窓に向けていた視線を前方に向け直すと、両の腕を組み、双眸を閉じるのだった。
千里眼、という言葉がある。
この夜、犬養の胸中に突如として沸き上がった決意。
犬養自身でさえ、その考えが浮かぶまで、自分自身がその様に考える、とは夢にも思っていなかったに違いない。
だが、犬養本人が、そう考えるよりも遥かに早く、犬養の先々の行動を読み切っていた人間がいる。
否、それは最早、人為らぬモノ、妖怪とでも言うべきか……。
妖怪の不幸は物事が見え過ぎてしまうところにあった。
故に妖怪は、犬養を始末せねばならなかった。
愛する弟子の為に……。
大英帝国・ロンドン
ダウニング街10番地 首相官邸
広大な領土を有する大英帝国の頭脳、その頭脳を守る頭蓋骨とも言うべき首相官邸はロンドン市内の官庁街であるダウニング街のメインストリートから少し外れたところにある。
どこにでもあるような安っぽい茶色い焼煉瓦造りの三階建ての建物で、白い窓枠が良く似合う小さな、小さなアパルトメントの様な外観を有しており、荘厳さとか、絢爛豪華といった印象はまるでない。
初めて訪れた者は、皆、そのあまりに地味な佇まいに
「ここが本当に首相官邸なのだろうか?」
と小首を傾げたくなる……そんな建物だ。
先月半ばに政権を継承し、少数与党ながら史上初の労働党政権を組閣したラムゼイ・マクドナルドはその姓が示す通りスコットランドの出身である。
淡い色の金髪に前時代的な大ぶりの口髭が良く似合い、ちょっとした温かみのある田舎の親父さん…といった風貌で、彼の前任者である保守党のスタンリー・ボールドウィン前首相の様な、どこか冷たさのあるハンサムな顔つきとは一線を画している。
欧州大戦不介入を訴えて労働党党首の座を追われた頑固者、そして労働運動の先頭に立った開明論者にして、親しみやすい庶民的な泥臭い顔つきが示す通りの善性の持ち主……。
それが彼に対する英国市民の評価そのものだと言っても良い。
昨日までは……の話であるが。
御歳58歳の労働党党首ラムゼイ・マクドナルドは、首相と外相を兼務している。
政権継承時点における英国にとっての外交上最大の懸案事項と呼べるのはソビエトとの国交正常化であり、彼がまず手を付けたのもそれだった。
欧州大戦以前のロシアと英国の政治的な関係は、時に対立し、時に協調し……といった関係にあったが、貿易上は毛織物・綿織物といった繊維製品の主要輸出先として大英帝国に莫大な利益をもたらしてくれる国家の一つであった。
それが、ソビエト連邦の成立以降は、その貿易関係が途絶えてしまっている。
無論、これは関係正常化を求めるソビエト側の意向を徹底的に無視し、反共主義に徹した前首相スタンリー・ボールドウィンによる「ソビエト封じ込め政策」の一環でもあったのだから、仕方のない事ではあったのだが……。
労働組合を基盤に20世紀初めに成立した労働党は、欧州大戦直後の反動不況時代に採択された新綱領「労働党と新社会秩序」の採択により、各種公共事業の国有化を視野に入れた社会主義的な性格の強い左翼政党へと変化した。
その流れもあってか、マクドナルド自身は共産主義者ではなかったが、未だ深い霧の向こうで蠢く何者か得体の知れぬソビエトに対しては融和政策をもってこれに臨み、
「相手が断りきれない程の善行を行えば、必ずや善き報いを得られる」
という、その政治信念に基づき、政権継承以前から独自ルートにて使者を交換しあい、国交正常化に関する予備交渉開始していた。
その予備交渉の過程においてソビエト政府は、英国が以前、ロシア帝国に対して供与していた莫大な借款の帳消し、及びに新たなる借款の申し込みを行ってきていた。
それは“居直り強盗”同然の申し込みではあったが、ユーラシアの過半に達しようという広大な領域を持つソビエトをいつまでも無視している訳にもいかず、また、同時にその市場は魅力的でもある。
現在の英国は“経済”としては戦後の反動不況からの脱却の兆しが見えているとは云え、“財政”として見た場合、相も変わらず莫大な戦時国債の償還に四苦八苦の様相を呈しており、決して芳しいものではない。
しかし、頑固一徹、信念の人であるマクドナルドは、己が信念に忠実にソビエトからの借款申し入れを受諾。
その結果、政権獲得の僅か10日後の2月1日には、電撃的にソビエト政権の承認に踏み切るという外交的離れ業を演じ、日米をはじめとした、未だソビエト政府の承認を先送りしている諸国に衝撃を与えている。
その日、ラムゼイ・マクドナルド首相は、食事もそこそこに首相官邸の執務室において、主要閣僚を招いての会議を行っていた。
公務に熱心な彼の、いつも通りの日課であり、傍らでは首相補佐官ウィリアム・ライレーが、各省庁から上げられてきた報告を読み上げている。
その中には、山本権兵衛を首席全権とする日本の特使団がアムステルダム港を出港、明日にはロンドンに到着する…という報告も含まれていた。
だが、マクドナルドの関心はそこにはなかった。
彼の関心は東洋に駐箚する公使の1人が発信した、一通の電文に注がれていた。
マクドナルドは、その電文に記された内容を聞くと老眼鏡を外し、簡素な背もたれがついた権力者専用の椅子に深く座り直すと、周囲に居並ぶ閣僚達一人一人と目線を合わせた。
しばしの沈黙の後、会議の口火を切ったのは第一海軍卿デビット・ビィーティ伯爵だった。
第一海軍卿とは、日本でいうところの軍令部長に相当し、所謂、制服組のトップに位置する。
「一昨日、在香港の中国戦隊より抽出した先遣隊が、訓練航海を名目に既に行動を開始しております。残余の艦艇に関しましても、必要な機材資材の調達が完了し、要員の乗船を待つのみである旨、報告が入っております。また、在トリンコマリーの東インド戦隊は昨日、シンガポールに入港、在シンガポールの東インド戦隊主力との合流を完了した旨の報告も入っております」
先々を読み、先手をうっていた事を自慢げに語る、この英国貴族の名門出身者の発言内容は、文民統制を原則とする英国政府を、ないがしろにしている様なものである筈なのだが、彼の柔らかな口調は、実に心地良くマクドナルドの耳に流れ込んでいく。
「首相閣下の御裁可が頂け次第、行動に移れます。我が海軍としては、大英帝国を嘲笑する者は相応の制裁を受けるべきだと考えております」
「ありがとう、提督」
マクドナルドは満足げに微笑むと、一転して、軍部を代表するもう一人の人物に視線を移す。
「陸軍はどう考えているのか?」
首相の問いかけに英国陸軍を掌握するアーサー・ブルース陸軍大将が物憂げに答える。
「インド軽歩兵一個旅団と王立工兵1個連隊。現在のところ、それ以上の部隊派遣は考えておりません。それで十分であると考えています」
「宜しい。但し、後詰めの準備だけは整えておいて頂きたい。宜しいかな?」
現・左翼政権の姿勢に不満を持つブルース大将は、少しだけ視線を彼の上司である首相に向け、何か言いたげな様子を見せたが、結局は何も言わず、小さく頷いた。
海軍と陸軍の対応に満足したマクドナルドは、再び閣僚の一人一人と目線を合わせる。
その視線の先にいる労働党の重鎮達は一様に、力強く頷き、首相の決断を支持する旨を表明していく。
労働党最古参の1人、党長老にして理論的指導者でもあるシドニー・ウェツブが学者然とした片眼鏡を外すと彼らの指導者に対し
「首相閣下。日本からの特使達、彼らに対し何と返答するのですか? 彼らが本気で英国に対し満州鉄道の売却を求めて来ている可能性がゼロだとは言い切れませんが?」
と再考を促す。
「折角のお言葉ですが、我々は日本の要請に応える気はありません。彼らの動きが本気であろうと、まやかしであろうと、最早、我々にとって何の意味もないのですから」
マクドナルドは長老の自重論に対し、敬意を表しつつも昂然とそう言うと、先程の電文が書かれた紙を再度、ウェッブに指し示す。
「英国は日本の要請には答えない。これが最終決定です。そしてもう一つ……」
マクドナルドは両手を机に預け、上半身を乗り出す様に立ちあがると、こう言い放った。
「日本には英国の要求に屈してもらう。これも最終決定です」
「大英帝国に栄光あれ」
「無礼者に報いを」
面前におかれたティーカップを目線の高さにまで掲げた閣僚達はそう呟くと、それぞれの想いを胸に最高品質の紅茶を飲み干した。
「相手が断りきれない程の善行を行えば、必ずや善き報いを得られる」
それは正しく、マクドナルドの政治信念であったが、この言葉は同時に表裏の意味を持つ。
「悪行は報いを持って裁かれるべし」
米国に現首相・東郷平八郎を、英国に前首相・山本権兵衛を。
米国に現外相・幣原喜重郎を、英国に前外相・伊集院彦吉を。
誇り高き大英帝国はその使節団の編成を知った時、自らの鼎の軽重を弟子である東洋の島国に問われたのだ……と感じた。
故に、彼らの導き出した結論は実に簡単だった。
増長した小癪なる者どもに、英国は紳士らしいやり方で、英国流の報いをくれてやろう。
「汝、我らの力、思い知るべし」
英領マラヤ
シンガポール
「全艦 抜錨!」
夜陰、セレター軍港の岸壁を次々と離れる一群の艦艇。
英国東インド戦隊トリンコマリー分艦隊の旗艦を務めるR級三番艦『ロイヤル・オーク』が、戦隊司令官サー・エドモンド・マリガン少将の指揮の下、やおら38.1センチ砲連装4基を装備した基準排水量2万8千トンの濃灰色に塗装された巨躯を震わせると、港外へとその身を滑らせる。
それに続き、戦隊司令官ハリー・ウィンダム中将の座乗する東インド戦隊シンガポール分艦隊旗艦クイーン・エリザベス級5番艦『マレーヤ』が、同級の4番艦で戦隊を組む僚艦『ヴァリアント』と共に38.1センチ砲連装4基を誇らしげに聳やかし、静かに夜光虫輝く南シナ海へと乗り出すと、先行する『ロイヤル・オーク』と単縦陣を組むべく増速を開始した。
3隻の戦艦に続き、15.2センチ砲5門を主砲とする4千トン級の軽巡洋艦『カースター』『コンスタンス』『コーマス』『コンクエスト』、それに軽快なV級、W級の駆逐艦によって編成された猟犬の一群が、先を争うように白波を蹴立て、自慢の速力を披露する。
更にはこの日に備えてセレター軍港内の工廠で、艦首に急造の波浪シールドを据え付けた低喫水低乾舷の異形のモニター艦『テラー』と『エレバス』が曳航船に曳かれながら38.1センチ連装砲1基を雄々しく見せつけつつ、その醜く歪んだ艦型を南シナ海の海上に晒すと、各艦はそれぞれの巡航速力に合わせ縦陣を組み上げていく。
これらの戦闘艦艇に続くのは機雷敷設艦、急設網艦、掃海艇、輸送艦、更には各種の補給物資を満載した貨物船や補給艦艇などが混在する大船団であり、こちらは実に行儀よく四列縦隊で最後尾についた。
目的地までの距離2600浬。
11ノットの巡航速度を維持すれば10日足らずで到着する。
大小様々、多種多様な艦艇で編成されたこの一団は、その針路をいずれも北北東に定めると暗夜の南シナ海を一路、北上するのだった。
2009年12月19日 サブタイトルに話数を追加
2010年2月3日 間違い訂正