回帰 落ちた流星
死んだ生命は星になる。
彼はそんな話を、面白そうに聞いていた 。
「運命を感じないかい?だって君の体も、私たちの体も、星の欠片から作られているのだから。」
そんな記憶が過った後、私の意識は再び目覚めた。
「ここは....。」
何も見えない。動けない。
意識だけが、そこにあった。
「目覚めてくれたのか。」
彼の言葉が聞こえた気がした。
その感覚に違和感を覚える。
彼は、その理由を答えてくれた。
「こうすることでしか、君を助けられなかった。」
どうやら壊れかけた私の体から、意識を取り込んで保護したらしい。
つくづく人間だったらできないことをしているな、と呟くと即座に謝罪される。
「やはり、こんな手段を使ってまで命を救うのは間違いだっただろうか。」
「たしかに、少し倫理には反してるかもしれないけどいいんじゃない。」
「だがしばらくの間、君はこの体を共用して生きることになる。痛みや、苦しみがあるかもしれない。」
「あの体より、よっぽど人間らしく生きられるじゃない。本望だよ。」
それは本心だった。
正直、楽しみでしかたない。
「あなたと生きるのも、悪くないよ。」
その時、彼がかなり動揺したのを感じる。
「どうかした?」
「いや、そんなことを言ってくれるとは思わなくて。」
困ったな、なんて言いながらも嬉しそうで。
やっぱり面白い人だな、と思いながら私は彼との出会いに感謝した。
人間と機械の立場が逆転した世界観が書きたかった。
機械より、作り物の人間の体の方が頑丈だったりします。
いろいろ省いたけどなんとかまとまったかな?
なにげにアダムも知識と記憶を喪失した代わりに生きる設定。
今度は無から人間らしく育てる感じで。